日本瓦は長寿命だが「破損」は放置厳禁

日本瓦は伝統的で重厚な美しさと高い耐久性を持つ屋根材です。
適切なメンテナンスを行えば50年以上の耐用年数を誇ります。

しかし、どんなに丈夫な日本瓦でも、地震・台風・経年劣化などの要因により、破損やズレ、下地の腐食が進行することがあります。

特に木更津市馬来田のように沿岸部特有の強風や湿気の影響を受けやすい地域では、瓦下の野地板（下地）や防水紙の劣化が早く進む傾向があります。

今回の記事では、実際に木更津市馬来田で撮影された日本瓦屋根の破損状況を例に、破損の原因、修理方法、そして再発防止策について詳しく解説いたします。

日本瓦破損の現場調査：下地の損傷が進行した屋根の状態

現場では、瓦の隙間から内部の木下地が露出しており、明らかに腐食が進行していました。
写真の通り、木部が黒ずみ、乾燥と湿潤の繰り返しによる繊維の剥離が見られます。

このような状態になると、瓦をいくら交換しても内部の下地が機能していないため、雨漏りの再発は避けられません。

瓦自体は部分的に破損している程度でしたが、下地（野地板）・防水紙（ルーフィング）・桟木の劣化が進んでおり、
構造的な補修が必要な状態です。

現場で確認された日本瓦の状態

瓦が破損している部分は一面のみでしたが、その他の屋根面は大きな破損はなかったようにみえます
しかし、瓦の下では下地が大きく傷んでおり、部分的に瓦が浮き上がっている箇所が確認されました。

瓦の浮きや段差は、雨風の侵入を助長し、台風時の飛散リスクも高めます。
また、瓦の下に水が溜まることで、土や漆喰が流れ出しやすくなるため、早めの点検・補修が重要です。

日本瓦破損が引き起こす二次被害

日本瓦の破損や下地劣化を放置すると、以下のような二次被害が発生します。

• 雨漏りによる室内への被害
  　天井シミ・クロスの剥がれ・柱の腐食などが起こり、内装リフォームが必要に。

• シロアリ被害の拡大
  　湿気が溜まった木部にシロアリが発生し、屋根構造を食害することも。

• 耐震性の低下
  　腐朽した下地は瓦の重さを支えきれず、地震時の崩落リスクが高まる。

• 修繕費の増大
  　小規模修理で済む段階を過ぎると、葺き替え工事が必要になり、費用が数倍に膨れます。

日本瓦破損を防ぐための定期点検の重要性