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上伊那郡箕輪町屋根葺き替え工事|重い瓦屋根から軽い金属屋根へ その重量差
箕輪町 屋根材(金属)
【工事のきっかけ】
以前からお付き合いのあったお客様で、農作業をする倉庫の屋根が心配ということでお声をかけていただきました。築50年経つ倉庫の建物ですが、今後も長く使いたいとのご希望があり屋根を軽くして建物の柱などにかかる重量負荷を軽くするため、金属屋根へ葺き替えることになりました。
基本情報
- 施工内容:屋根材(金属)
- 施工期間:1週間
- 築年数:50年
上伊那郡箕輪町でセメント瓦から金属屋根への葺き替え工事を行いました。
以前からお付き合いのあるお客様で、農作業をしている倉庫の屋根が気になるということでご依頼いただきました。
建物は築50年以上、もっと経っているかもしれないということで、重いセメント瓦が乗っているので建物への負荷を考慮して、軽量のガルバリウム鋼板の屋根への葺き替え工事です。
瓦を撤去すると今ではなかなか見ることができなくなった貴重なものが出てきました。
その貴重なものをご紹介しながら、重いセメント瓦から軽量のガルバリウム鋼板へ葺き替えた場合の重量差をお伝えしようと思います。
街の屋根やさん松本諏訪平店では有資格の経験豊富なプロのスタッフが屋根や外壁の問題を解決します。
屋根や外壁にお困りごと、お悩み事、不安、不満をお持ちの方、一度街の屋根やさんまでご相談ください。
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左の写真が農作業をしている倉庫の建物です。確かに年季の入った建物に重いセメント瓦が乗っています。屋根が重いと地震が来た時の耐震性が不安です。倒壊の恐れがあります。今後も長く使えればということだったので、建物への負荷を軽減するために軽量のガルバリウム鋼板屋根に葺き替えます。
セメント瓦を撤去していきます。セメント瓦1枚の重さは2.5㎏~3㎏あります。これを1枚1枚剥がしていくのでかなりの重労働です。一人や二人でできる作業ではありません。弊社では瓦下ろしがある日は他の現場を一旦空けてなるべく人数をかけて短時間で終わらせます。短時間で終わらせる理由は二つ、一つ目はほかの現場から応援で来てくれている職人になるべく早く自分の現場に戻ってもらうこと、もう一つは瓦下ろしをした日にここまでは終わらせなければならないという工程があるということです。
撤去したセメント瓦は最終的にはトラックに載せて廃棄場に運ぶのですが、トラックに載せる方法は建物や立地によって変わります。2階の大屋根の瓦撤去があれば屋根上からトラックの荷台に投げ入れます。立地条件があればクレーンを使うこともあります。今回の建物は平屋の倉庫ですぐ近くまでトラックを付けることができたので、軒先に瓦を集めて荷台に乗せていきました。この方法だと瓦をきれいに並べて積むことができるので、積載重量に注意しながら無駄なく積んでいきました。
今回の屋根は約25坪、1坪当たり60枚くらいの瓦を使っているので、枚数は1,500枚、1枚の重さを2.5㎏で計算して3,750㎏(3.75t)の瓦が乗っていたことになります。これが軽量のガルバリウム鋼板になるとどのくらい軽くなるのでしょうか・・・
瓦を撤去した後の屋根です。
横に走っている角材は瓦桟(かわらざん)もしくは桟木(さんぎ)といって、瓦をひっかけて止めるための角材です。葺き替え工事にはこの瓦桟も不要なので撤去します。釘止めで何本もあるのでこれも面倒な作業です。
瓦桟も撤去して長年溜まった砂埃を掃除すると今ではなかなか見ることができなくなった珍しいものが出てきました。右の写真のトントン葺きです。ヒノキ科のサワラという木を薄くスライスして何枚も重ねたもので、今ではルーフィングという防水シートで防水していますが、ルーフィングが出る前の昭和以前の防水材が薄くスライスしたサワラでした。これも今では機械を使って行うくぎ打ちですが、このころは金づちを使って釘をとんとん打っていたところからトントン葺きと言われています。薄くスライスする手間、A4用紙か場合によってはがき大の大きさを張っていくので工期がかかってしまうこと、何より熟練の職人技が必要でその職人がいなくなってしまったこと、施工が圧倒的に楽なルーフィングが出てきたことで、今ではほとんど行われていないのがトントン葺きです。
私もこの業界に入ってトントン葺きを見たのはこれが3回目くらいだと思います。貴重なものを見ることができました。
工事の様子に戻ります。
トントン葺きはそのままで、新しい屋根材の下地の野地板を敷いていきます。12㎜厚の針葉樹の構造用合板を使います。昔は文字通り板を使っていた野地板ですが、今では新築でもリフォームでも構造用合板を使っています。
野地板の上に新しいルーフィングを敷いていきます。サワラの防水材が下にあり、これがまだまだ効果があるので二重防水の効果が期待できます。新しいルーフィングは樹脂のシートを基材にしたチャンピオンルーフィングです。簡単には破れない、簡単には劣化しない優れたルーフィングです。
先ほど書いた瓦下ろしをする日にここまで終わらせたい工程というのが、ルーフィングの敷設までの工程です。ルーフィング前に工事を終えてその日の夜に雨が降ってしまうと雨漏りしてしまいます。ルーフィングの敷設が終わっていればもし夜に雨が降っても心配いりません。
野地板の構造用合板は今回の屋根で約50枚、1枚の重さが3㎏くらいなので150㎏くらい乗りました。
幸い雨が降らなかった翌日の工事です。屋根材の取り付けを始めます。
屋根の先端、軒先と屋根の斜めの部分の先端ケラバにスターターを取り付けます。スターターは露出している軒先とケラバの野地板の断面を隠すための板金です。ここが露出したままだとそこから雨が入ってくることが考えられます。それを防ぐための板金です。
今回はガルバリウム鋼板の立平葺きを採用しました。屋根の頂上の棟から軒先まで1枚の屋根材で賄う長尺の屋根材です。1㎡あたり4㎏、今回の屋根80㎡で320㎏の軽量の屋根材です。
屋根材同士のジョイントは、写真の山のように見えるところで重ねて、そこをハゼ締めといって、専用の道具で挟んで締めます。
今回の屋根は切妻(きりづま)という二方向に勾配がある、いわゆる三角屋根の形状です。両サイドに屋根材を取り付けると、右の写真のように屋根材のあわせができます。これが棟です。この屋根材同士の隙間に防水テープを貼ります。
棟の部分は棟板金を取り付けます。
下地にヌキという下地材を取り付けます。一般的にはも癖の角材を使うのですが、木製だと雨が入って腐食してしまい、今後棟板金の交換というメンテナンスが必要になってしまいます。弊社ではヌキに樹脂製のものを使います。樹脂製なら雨が入っても腐食することはありません。今後棟板金交換のメンテナンスが不要になります。ヌキは野地板にビス止めしますが、ビス穴が雨漏りの原因になる可能性があるので、しっかりコーキングで防水します。
棟板金は
勾配角度に合わせてオーダーして板金屋さんに加工してもらいます。ただ、端の部分は現場加工です。
加工した棟板金を下地のヌキにビス止めします。木製のヌキの場合はくぎを使うこともありますが、釘だと揺れや風などで抜けてしまうことがあります。ビスならその心配もありません。パッキン付きのビスで止めるので、ビス穴からの雨の侵入もありません。
工事が終わりました。
今回撤去した古いセメント瓦の総重量が3750㎏
新しく乗せた屋根が野地板150㎏+屋根材320㎏、ルーフィングやヌキ、棟板金等の副資材を入れても600㎏に満たない重量でした。元のセメント瓦の6分の1の重さになったことになります。これで建物への重量負荷もだいぶ軽減されました。
特に瓦屋根のお家にお住まいで屋根の重さが心配という方は是非一度弊社にご相談ください。
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