1.現地調査

築15年のお宅。

そろそろ塗り替えが必要な時期にきているのではと、見積もりのご依頼をいただきました。

さっそくご希望の日時に現地調査にうかがいました。

建物全体を点検していきます。

まずは、屋根です。
色褪せがあり、防水機能が低下してきているようです。

汚れと錆が気になります。

続いて外壁です。

ベランダの外壁部分には、黒い雨筋が付着しているのがわかります。
こちらも防水機能の低下による状態です。

モルタルの外壁が傷んでいます。
こちらは早めの補修が必要です。

外壁を手で触ると白い粉がつきました。

チョーキング現象（白亜化）と呼ばれ、塗料に含まれている顔料が粉状になって表面に浮き上がっている劣化の症状です。

この状態は防水機能が低下していることを知らせるサインなので、塗り替えをおこなう時期がきているということですね。

窓枠部分です。

外壁との継ぎ目にクラック（ひび割れ）が入っているのがわかります。

クラックからの雨の侵入は下地を傷めたり、腐食の原因や雨漏りにつながることにもなりかねません。

ご自分でのDIYの補修は、応急処置に過ぎません。
早めに必ず専門業者に点検してもらい、必要な補修を依頼することをおすすめします。

2.高圧洗浄・養生

塗装前の準備として高圧洗浄をおこなっていきます。

劣化が進み傷んでいる場所は、水圧を調整して洗浄していきます。

強い水圧で、さらに傷んでしまったり、わずかなひびから水が侵入してしまうこともあるため
細心の注意をしながら進めます。

続いてモルタルの外壁です。

モルタルは凹凸のある素材のため、汚れが入り込みやすいので丁寧に洗い流していきます。

汚れが残っていると塗装が密着ができない原因となります。

シャッター部分です。

汚れが茶色く流れ出ているのがわかりますね。
意外に汚れているのが、こうしたシャッターや雨戸、戸袋などです。

汚れは美観を損なうだけでなく、錆やかび、苔などを発生させる原因となり劣化が進んでしまいます。
塗装をおこない防水性を回復させておきたい場所です。

洗浄を終えたら、丸1日以上おき完全に乾燥させます。

続いて塗装しない場所をすべて養生していきます。
窓以外にも換気口や換気扇、玄関ドア、室外機など養生箇所です。

サッシ周りはマスキングテープと養生テープが一体化したマスカーを使っていきます。

外壁とサッシの境を塗装でキレイに出すためのマスキングテープと養生が一度にできるので、時短で進めることができて便利です。

建物関連以外にも、養生が必要な場所はたくさんあります。

庭の植物や自転車、車も養生の対象です。
立地環境によっては、お隣の車なども養生することがあります。

3.屋根塗装

屋根の塗装です。

まずは錆止めを塗布していきます。

ガルバリウム鋼板は軽量で長持ちする屋根材ですが、錆が発生することもあります。

他の屋根材同様に劣化が進むとカビや苔なども繁殖し、傷みも進みます。

適切なタイミングでのメンテナンスで屋根材の寿命を延ばしていくことが大切です。

錆止めが乾燥したら、中塗り、上塗りをおこなっていきます。

今回使用するのは、高耐久、高耐候のシリコン系塗料です。

光沢のある塗膜が汚れを寄せ付けず、高機能が長く続くのが特徴です。

シリコン塗料での塗り替えは美観を取り戻すという目的以外に、防水性を回復させて強度を上げ屋根の寿命を延ばすことに最適な塗料です。

4.外壁塗装

外壁塗装です。

クラックやかび、苔の発生もあり傷みが目立っていたので、下塗りには微弾性フィラーを使い、下地を均して調整。
上塗り塗料の過度な吸収を防ぎ、密着力を高めることに適しています。

中塗り、上塗りに使用するのはジョリパッドフレッシュです。

ジョリパッドフレッシュは、既存の外壁をジョリパッドで施工されている時に使用します。

ジョリパッドの耐用年数は15~20年と長く、価格も抑えめのため費用対効果が良いといえます。

主な特徴は
・汚れが落としやすい。
・ひび割れしにくい
・デザインとカラーが豊富にある。
・かびや苔などを寄せ付けない。
・シンナーは含まれていないので臭いの心配はありません。

質感と風合いを目的にしているため光沢は控えめです。
ギラギラするツヤが苦手という方には、最適です。

カラーの種類は150色以上、イメージアップの色が選べます。

黒い雨筋跡があった外壁でしたが、一掃されて綺麗になりました。
落ち着いたピンクの外壁に茶色の付帯部が映えています。

5.付帯部塗装

付帯部の塗装です。

まずは、破風の塗装です。
破風は切妻屋根の側面にある山型の部分をいいます。

屋根は上からの雨や風には強いのですが、横からや下から吹き上げるような雨風には対応できず弱点です。
その弱点をカバーしているのが破風です。

その名の通り、風を破り、屋根裏への雨風の侵入を防いでいます。

その環境は過酷で屋根や外壁よりも傷みやすく劣化が進む場所となっています。

破風は木材を使用している場合がほとんどのため、屋根や外壁塗装の際には必ず点検を行い必要な補修と塗装をおこなうことを
おすすめしています。

シャッターも塗装していきます。

汚れが蓄積していけば錆も発生しやすく、知らず知らずに劣化が進む場所ですから、足場設置の工事の際には一緒に塗装することで、悪目立ちも避けられ防水性を回復させることができます。

庇です。

小さな屋根ですが、こちらも大きな塗装工事の際には、一緒に塗装をおこない劣化を防ぎたい場所のひとつです。
特に腕木は木材を使用していることが多いので、腐食を防ぐ塗装は重要です。

雨樋の塗装です。

塩化ビニルの雨樋も紫外線を受け続けていくうちに劣化していきます。
鼻隠に設置されている雨樋も鼻隠の塗装の際に、一緒に塗装をおこなうことをおすすめする場所です。

劣化が激しいときは、交換をおすすめしています。

6.ベランダ防水工事

ベランダ防水工事です。

汚れが目立っていたベランダも高圧洗浄できれいにしたら、乾燥させてまずは下塗りをおこなっていきます。

使用するのは専用のプライマーです。
全体の下地を均し接着剤のような役割で防水塗料がしっかり密着できるようにしていきます。

今回使用する防水塗料は、オートンウレアックスHGです。

短時間で硬化し強靭な塗膜の層を作ることで、好評いただいています。
高耐久なオートンウレアックスHGの耐用年数は、ウレタン防水の10年を大きく超えた2倍の20年以上効果が続きます。

歩き回るベランダであってもその効果は続き、撥水性にも優れているのでかびや苔も寄せ付けません。
塗り立て直後の光沢が長く続き、ベランダを保護して守ります。

7.施工完了

モルタルの外壁は汚れが目立ち、黒い雨筋跡が残る状態でしたが、ジョリパッドでの施工で防水性も回復しキレイに仕上がりました。
ジョリパッドはデザインとカラーが豊富で、今回は落ち着いたピンクの外壁でイメージアップしました。

付帯部は濃い茶色で仕上げ、ピンクの外壁とのコントラストもアクセントとしてとても映えています。

今回は、屋根はシリコン系塗料で塗装、外壁はジョリパッドフレッシュで塗装、付帯部塗装、ベランダ防水工事はオートンウレアックスHG
での施工をおこないました。

総工費約86万円、施工期間約2週間でした。

そろそろうちも・・・
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