大雨が降った時にこちらの天井から雨が漏ったそうです。雨で天井板が濡れたせいか表面が浮いたようになってたり雨染みがあり壁にも雨水が伝った跡が残っています。

雨漏りした箇所の床です。雨水が染みこんで色が変わっています。まだ湿っていました。土壁にも雨水の染みこんだ形跡があります。お客様はこのままでは建物の柱や梁が腐ってしまうと思い、急いで当店にご連絡いただきました。雨漏りは早期発見・早期対応が必須です。

屋根の上に上がって屋根調査開始です。築35年の住宅でセメント瓦（和型スレート）屋根です。雨漏り箇所の上はちょうど谷でした。谷は雨漏り事例の多い箇所で定期的な点検が必要です。

谷の水下部に沢山のゴミが溜まって詰まっています。谷は屋根面と屋根面がぶつかる部分であり、雨水が集まって大量の水が流れる為、瓦の下には谷板金を敷いています。

ゴミが溜まった周辺の瓦を剥がして状況を確認します。屋根の施工をするとき野地板の上に防水紙（アスファルトルーフィング）を隙間ができないよう全面に張り詰めた上に谷板金をのせますが、こちらでは谷板金の下には防水紙が貼られておらず、防水紙で隠れて見えないはずの野地板が見えています。

周辺の瓦をもう少し剥がしてみます。雨水の流れる経路を遮断したゴミで雨水は逃げ道がなくなって横にむかって流れ谷板金と防水紙の間の野地板の見えていたところから雨水が屋内に侵入しています。その証拠に雨水の流れてところだけゴミが濡れてまだ湿っていました。また防水紙にも雨染みが確認できます。今回の雨漏りの原因が特定できました。

雨水の流れの妨げにならないように、溜まっていたゴミをキレイに掃除します。谷板金の水下部分の加工の仕方が悪く、スムーズな排水がしにくい形状だった為、板金鋏で雨水の流れを考慮しながら切り直します。これで雨水の流れを邪魔する要因はなくなりました。