東広島市 劣化したコンクリート天井を中性化する工事を行いました
更新日：2022年7月11日
前回、コンクリート天井の鉄筋が剝き出しになって、コンクリート天井自体が落ちてくるのではという不安な中、お問い合わせ頂いたお客様の現地調査にお伺いしました。
その時の様子はこちらから
➡「東広島市 陸屋根（ろくやね）の現地調査。天井から鉄筋が剥き出し」
今回はあまり聞きなれない工法で、コンクリート天井の劣化を抑える工事について
ご紹介していきたいと思います。。
コンクリート天井がすでに浮いている箇所をはつり落としていくので、
まずは、養生の為にシートを床に準備します。ちなみに、シートの下には
コンクリートが落下しても床が傷まないようにコンパネ（畳の大きさほどの木の板）を
敷いて衝撃にも準備しております。
ハンマーである程度剝がせそうな箇所からゆっくりと斫っていきます。
何度も繰り返して、ある程度の状態までコンクリート天井が斫れたら
次に打診棒という専用の金棒で叩きながら打診検査を行い、、鉄筋から外れているコンクリート部分を探していきます。
表面上はコンクリート天井が剝がれていないように見えても、数年すると状態が悪化することがあるので、しっかりと危ない箇所を発見し、工具でしっかりと斫っていきます。
基本的には鉄筋より上面側は斫らないように、劣化しているコンクリート天井のみ落としていきました。
通常のコンクリートにおける鉄筋の爆裂は、この後に鉄筋のサビを落として防錆処理を行い、モルタルで埋戻していく方法ですが、
今回はこちらの部屋が使用していない事と建物自体がかなり年数が経っているので、
今後も他の箇所からの鉄筋爆裂がおこる可能性があります。
よって、今回は別の工法を使用しました。
※鉄筋爆裂・・・鉄筋コンクリート内部に亀裂等により、水分が入る事で鉄筋が錆びて内部からコンクリートを破壊する現象のこと。
「中性化抑制工法」と呼ばれるものを選びました。
通常、コンクリートはアルカリ性で保たれているので、鉄筋自体が錆びる事はありません。
ただ、ヒビが入ったりすることでコンクリートに含まれる成分が中性に傾く「中性化」と呼ばれる状態になり、
その状態が進むことで鉄筋自体が錆びてしまい、爆裂状態を引き起こすことに繋がるのです。
では、次から具体的な作業内容をご紹介します。
まず鉄筋のサビをブラシで丁寧に落としていきます。
次に専用の
①塗布型防錆材を使用して鉄筋を保護します。
通常であれば、乾燥後に樹脂製のモルタルやポリマーセメントモルタルにて埋戻し成形していきますが、今回は先程の理由により行いません。
②アルカリ性付与材にてコンクリートの脆弱面を強化し、耐水性と同時にアルカリ性を付与し、脆弱層をより強くします
こちらは乾燥するとコンクリートと同じような色味になるので、外観こそは成形されていないのですが、
鉄筋の錆びた感じもなくなるので、あまり違和感はありません。
以上で、コンクリート天井の中性化抑制工事は終了です！
住居区としてではないですが、今回のように倉庫・納屋としてコンクリート天井があるお家は多いと思います。
ただ、
その場所で生活している訳ではないので、どうしても後回しになってしまいがちです。
状況が酷くなると解体せざるを得ない事にもなるので、ご心配なお客様は一度ご相談下さい。
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