枚方市 築45年の塩焼瓦屋根からカラーベストへの葺き替え～前編～
更新日：2025年12月18日
塩焼き瓦（しおやきがわら）とは、瓦を焼く最終段階で窯の中に食塩を投げ入れ、化学反応によって表面に赤褐色のガラス状皮膜を形成させた瓦のことです。
主な特徴は以下の通りです：
- 独特の赤褐色: 投入された塩が熱で分解され、粘土成分と反応して「珪酸ナトリウム」の膜を作ることで、独特の光沢と小豆色のような赤い色に仕上がります。
- 高い耐久性: 表面がガラス質でコーティングされるため吸水率が非常に低く、水分が凍って瓦が割れる「凍害」に強いため、かつては寒冷地でも重宝されました。
- 三州瓦の伝統: 大正末期から昭和初期にかけて愛知県の三州地方で技術が確立され、三州瓦を代表する製品として普及しました。
現在では、製造工程の難しさや環境への配慮（焼成時に発生するガスの問題など）から生産量は激減しており、非常に希少な瓦となっています。新築で使われることは少なくなりましたが、古民家の修繕などで見られる伝統的な屋根材の一つです。
この工法を湿式工法といいます。最近ではこの温式工法は少なく乾式工法という工法が一般的です。乾式というのは桟木によって瓦を固定するという工法です。
建築における乾式工法（かんしきこうほう）とは、水（モルタル、漆喰、コンクリートなど）を使用せずに、工場で加工されたパネルや金具、木材などを現場で組み立てる施工方法のことです。
特に屋根瓦の文脈では、以下の特徴があります：
屋根における乾式工法の主な仕組み
従来の「湿式工法」が土や漆喰を積んで瓦を固定するのに対し、乾式工法では専用の防水シート（乾式面戸シート）、補強金具、木材（垂木）、ビスなどを用いて瓦を固定します。
メリット
- 軽量化と耐震性の向上: 水分を含んだ重い土や漆喰を使わないため、屋根全体の重量を大幅に軽減でき、地震時の建物の揺れを抑えられます。
- 工期の短縮: 塗った材料の乾燥待ち（養生期間）が必要なく、天候にも左右されにくいため、短期間で施工を完了できます。
- 安定した品質: 職人の熟練度によって仕上がりが左右されにくく、一定の施工品質を保ちやすいのが特徴です。
デメリット
- コスト: 湿式工法に比べ、専用の部材（金具やシート）の材料費がかかるため、初期費用が高くなる傾向があります。
- デザインの制限: 漆喰による伝統的な「重厚感」や「風合い」に比べると、見た目がシンプルな仕上がりになります。
現在、日本では住宅の耐震性への意識が高まっているため、2025年時点でも新築や瓦屋根のリフォーム（棟の積み直しなど）において、この乾式工法が主流の選択肢となっています。
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