更新日：2021年06月10日

　お客様より「屋根の葺き替えかカバー工法でメンテナンスを考えている」ということで、現地調査のご依頼をいただきました。お客様宅はスレート屋根で、築20年ほどとのことでした。一般的な化粧スレート（コロニアル）材の場合、耐用年数は約20年～30年といわれています。築10年～15年を目安に屋根の塗装で美観と表面の防水性維持のためのメンテナンスがおすすめです。

さっそく現地調査へ

　屋根を拝見したところ、屋根材がニチハの「パミール」でした。パミールは1996年から2008年にノンアスベスト屋根材として販売されたスレート屋根材です。パミールは抄造法（しょうぞうほう）という方法で製造されたスレート材（瓦）です。製造工程で、和紙を抄く（すく）ようにして重ねたものを固めています。この固めた部分の強度が足りず、端から剥がれてくる症状が「層間剥離（そうかんはくり）」です。剥離した部分に「雨水などが侵入し、乾燥する」ということを繰り返すと端がミルフィーユのように捲れたり、層の部分が浮いたりしてきます。施工後、10年程で症状が発生してくるというのがパミールの不具合です。屋根材自体の強度が落ちてくるのでクラックが入り割れることもあります。大きなかけらが落下する可能性もありますので危険です。ノンアスベスト屋根材は、別のメーカーでも同じように不具合が発生しています。その中で特に顕著な不具合が発生したのが「パミール」でした。

ご自宅の屋根材をご存じですか？

　 　自宅の屋根が、瓦やスレート（コロニアル）等ということはご存じでも、製品名はご存じないお客様も多いです。建築時の図面等をご確認されるのもおすすめです。もしパミールだった場合は、早めに点検をご依頼されることをおすすめします。点検時も、既に割れやすくなっている可能性が高く、状況を悪化させてしまう恐れもあり、最新の注意を払って屋根に上がる必要があります。そのため、屋根の専門家にご依頼されるのが安心です。私たち街の屋根やさんは、パミール屋根をはじめ、ノンアスベスト屋根材のリフォームも数多く対応させていただいております。まずは何でもご相談ください。

屋根カバー工法と屋根葺き替えどちらが良い？

　 　点検に伺ったお客様宅の屋根材がパミールであった場合、塗装でのリフォームは行えないということをご説明します。もし屋根塗装をする場合、下準備の高圧洗浄時点で、剥がれやクラックなどが悪化してしまう可能性があり危険です。また、もし層間剥離やクラックが軽い状態だったとしても、層間剥離により数年内に塗膜が剥がれ始めてしまいます。では、パミール屋根の場合、塗装がおすすめできない場合は、どのようなリフォームがおすすめなのでしょうか。実際は、屋根の（下地部分も含め）状態によります。屋根の層間剥離が初期の状態で、雨漏りやその他の不具合もない場合は、屋根カバー工法でのリフォームをおすすめします。層間剥離が進んでいたり、雨漏りが発生してる等、カバー工法が難しい場合は、屋根の葺き替え工事のご提案となります。葺き替え工事の場合は、屋根の下葺き材である「野地板」も手を加えられるため、一番安心なリフォーム方法となります。 　私たち、街の屋根やさんでは、新型コロナウィルスの予防対策として、現地調査の際は手指の消毒をはじめ、マスクの着用・ソーシャルディスタンスを取り、安全に配慮しております。ご理解の程、宜しくお願いいたします。