石巻市小船越の築21年、陶器平板瓦の屋根のお宅です。
外から見る限り、瓦が1枚だけ破損している状況でしたが、建物の中を見せていただくと、天井が大きくたわみ、かなりの水を吸っていることが分かります。
瓦が割れてからだいぶ年数が経過し、長い時間をかけて浸水してしまったようです。

瓦が割れてから、長い時間をかけて浸水してしまったようです。
割れた瓦の周辺の下を調べてみると、侵入した雨水で、広範囲にわたって瓦桟が腐食していました。そのため、他の瓦も瓦桟への釘固定が利かなくなり、ズレ落ちる状況にありました。
このような状態から、下地からの葺き直しが必要と判断し、お客様へご提案しました。

早速工事に取り掛かります。
まずは既存の瓦と雪止金具を一旦解体しますが、後からまた戻すので丁寧に扱います。瓦を解体したら、腐食した瓦桟を撤去します。

既存の瓦桟の撤去が終わったら、屋根を清掃します。防水シートはそのまま残し、その上から新しい防水シート（改質アスファルトルーフィング）を張ります。

新しい改質アスファルトルーフィングを張っていきます。雨の侵入を防ぐために上下100mm以上、左右200mm以上重ねて貼ります。

新しいルーフィングを貼った上から、防腐処理を施した新品の瓦桟を、釘打ち機を使って野地板に釘留めします。軒と平行になるように瓦の働き寸法に合わせて間隔を取ります。

軒先から順に、新しく取り付けた瓦桟に既存の瓦を引っ掛けてステンレス釘で固定します。
ステンレス釘は、鉄釘のように錆びて瓦割れの原因になる心配はありません。

先ほど外した雪止金具も瓦と一緒に固定します。

葺き直し工事が完了しました！

今回の現場では、たった1枚の瓦の破損から年月が経ってしまったことで大きな損傷になってしまいました。

早く割れに気づいていれば瓦数枚の交換で済んだかもしれません。 

このような事態を防ぐためにも、定期的な点検をお勧めいたします！