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【お問い合わせのきっかけ】
調査にお伺いしたのはご紹介でご連絡をいただきました君津市北子安のT様邸です。クラックが発生しやすいモルタル外壁ですが、定期的な塗装メンテナンスをされているようで綺麗な状態でした。いつもメンテナンスをされている業者様がいらっしゃるそうですが、今回台風被害を受け屋根の補修はお願い出来ないということで私たち街の屋根やさんにご相談をいただきました。
修理のきっかけは2019年に発生した台風15号(令和元年房総半島台風)のようですが、その際屋根を見るとヒビが入っているように見え、続く台風で被害が拡大する前に屋根修理をと検討されていました。
早速問題の下屋を確認します。部分的に苔や藻の発生も見られますが、それと同時に塗膜の剥がれも起きているようです。現段階で雨漏り等は起きていないようですが、塗膜の剥がれは屋根材の劣化や雨漏りを引き起こす原因にもなりかねない為、気づいた時点での補修が大事です。
良く見ると下屋だけで計4箇所の塗膜の剥がれを確認しました。ただ剥がれても屋根の素地が見えていない為、前回の塗り替え時に塗膜が厚く形成されていた可能性もあります。厚膜な塗膜は密着性が悪く剥がれを起こしやすくなりますし、次回の塗り替えにも影響を及ぼします。またスレート屋根の場合縁切りをしても厚膜な塗膜が屋根材の重なりを埋めてしまう恐れがあり、これによって毛細管現象による雨漏りを引き起こす可能性も高くなってしまいます。
住宅全体の状態と予算にあわせてメンテナンス方法をご提案させて頂きますが、下屋は塗装以外のメンテナンスが必要な状態であると言えます。
続いて大屋根です。天窓(トップライト)が取り付けられておりましたのでこの機会に点検を実施しました。天窓を開けるとその下地木材には雨染みが確認できました。恐らく天窓周辺の防水が劣化してきており水が廻っている状態ですが、ポタポタというような判り易い雨漏りまで発展していない為、気づかれなかったのでしょう。
もちろんこちらも早めの補修が必要ですが、天窓となればその周辺の屋根材はまとめて剥がさなければなりません。また天窓自体も劣化していれば交換が必要となり費用も掛かってしまいますので、屋根全体の劣化と合わせて修繕のタイミングを決めることとしました。
天窓は10年ごとの点検、20年での交換が推奨されています。いざ雨漏りを起こし想定外の支出が発生しないよう、前もってメンテナンスを行うことが大切です。
大屋根の点検です。色褪せや若干の苔や藻の付着は見られますが、目立った破損等もなく雨漏りも起こしていないようです。こちらは下屋に見られた塗膜の剥がれ等を感じさせませんが、もしかすると施工時の乾燥時間に違いがあったかもしれません。大屋根は遮るものが無い為比較的乾燥しやすいのですが、日影になるような下屋はそれ以上に乾燥時間を取っておかないと十分に乾きません。結果、薄い膜を作る予定が乾いていない塗膜とくっつき厚膜になってしまったのかもしれません。
台風の影響か一部化粧スレートが外れずれている箇所が確認できましたが、他には特に問題有りませんでした。今後のメンテナンスとしては築年数に応じて決めていく必要があります。築15年程度であれば2回目の塗り替えも可能な時期ですが、築20年を超えていると屋根材と防水紙が寿命を迎え始めます。すると塗装を行っても屋根材の保護が出来ず雨漏りを起こしてしまう可能性がありますので、小屋裏や天窓の状態を確認しながら補修を検討していきましょう。
無料調査の結果、今回急いで補修すべき箇所として下屋の屋根カバー工法をご提案させていただきました。近隣住宅が近く飛散防止・安全対策に足場仮設が必要でしたが、別の工事で仮設する足場を利用できますので今回お見積りには加えておりません。損傷している部分の復旧工事といっても、実際化粧スレートは軒から棟まで重ねて施工している為、損傷箇所まで剥がして補修、その後また屋根材を葺き直す工程が必要となりますので、新規屋根材を被せる屋根カバー工法の方が効率的且つ今後の安心感も高いでしょう。
品番・品目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1階屋根工事 | 187,230 | ||||
新規屋根材 | 11.6 | ㎡ | 7,800 | 90,480 | スーパーガルテクト |
粘着式ルーフィング | 11.6 | ㎡ | 1,500 | 17,400 | |
軒先唐草 | 4.5 | ㎡ | 3,500 | 15,750 | |
棟板金 0.4m | 1 | 式 | 8,000 | ||
新規ケラバ | 3.5 | m | 4,000 | 14,000 | |
雨押え | 6.4 | m | 6,500 | 41,600 | |
すっかり施工方法として定着しつつある屋根カバー工法ですが、新規屋根材を残したまま新規屋根材を葺きますので撤去処分費用がほとんどなく工期も短く済みます。凹凸となる棟板金と貫板のみ撤去し早速役物と呼ばれる専用の板金を取り付けていきます。
今回使用する屋根材はアイジー工業のスーパーガルテクト(Sシェイドブラック)です。役物が非常に豊富なため複雑な屋根形状にも柔軟に対応できます。
役物とあわせて施工するのが防水紙・ルーフィングと呼ばれる下葺き材です。必ず軒先から上部に向かって重ねながら葺き、役物取り付け時のビス部には雨水浸入防止にシーリング材を打設します。防水紙はタッカーを使用する必要がない遅延接着型のタディスセルフを使用しました。施工直後は張り直しができますが、時間が経過するごとに屋根材にビッチリ張り付いていき雨水が入らない仕組みになっています。
また防水紙に空ける穴が少なくなるため、雨漏りリスクを軽減させる目的も叶えられます。
雨漏りを起こす可能性が高い外壁との取り合いも水切り板金を取り付けてから屋根材の本葺きを行います。横葺き屋根材は防水紙同様軒から嵌め合わせるように固定し、ビスで止めていきます。ビス部は重なる屋根材で隠れますのでその部分が劣化することもありません。また断熱材と一体になっていますので金属屋根材に感じやすい「うるさい・暑い・寒い」といったことを全てカバーした優れもの屋根材です。
スーパーガルテクトを屋根形状に合わせ加工しながら上部まで葺き、取り合い部分からの伝い雨が屋根内部に入らないよう、板金でカバーを行っていきます。取り合い部分の処理が十分でないと伝い雨が屋根内部に入り雨漏りを引き起こしてしまいますので、屋根材だけでなく細かな部分まで丁寧に施工していくことが重要です。
取り合い部分にマスキングテープで養生をし、外壁に似ている色のシーリング材で隙間を埋めてあげれば工事は完了です。
今回下屋の工事ということもあり、2階から1階の雨樋に雨水を流す這樋を一度取り外してからの施工を行いました。工事までにはいくつか修繕のパターンでお見積りを作成させて頂きましたが、当初不安を感じていた屋根カバー工法がこれほど綺麗に仕上がるとは思わず驚かれたようです。また市の助成金も利用出来たということで、台風被害が拡大する前に補修を行えてよかったと仰っていただきました。
今回T様には工事完了後に動画にて感想を伺いましたので、こちらもご覧ください。
次回天窓の劣化も合わせ大屋根のメンテナンスも必要となります。その際はまた是非私たち街の屋根やさんにお任せください。この度は大変お世話になりました、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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どのリフォームが最適?屋根リフォームの種類【街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。