更新日:2023年02月16日
「防水シート」というと、人によっていろいろな防水シートをイメージするのではないでしょうか。育児や介護をご存じのかたは、お布団に使用する防水シート(シーツ)が頭に浮かぶかもれませんね。どのような用途であっても目的は同じです。『水分を侵入させないため』に使用するのです!今回は屋根工事で使用する「防水シート」についてサクッとご説明します。
屋根の防水シートはどこにある?
「防水シート」は、屋根や外壁など屋外だけでなく、屋内の水回りの床にも使われています。建物に使用する防水シートは「防水紙」や「ルーフィング(シート)」と呼ばれることが多いです。防水シートは、 屋根の下に敷かれているため普段は目にすることがありません。もう少し具体的に言うと・・屋根の下地(野地板)の上に敷き、その上に瓦などの屋根材が設置されます。新築時や建て替えの際には、しっかり防水工事を行いますが、どうしても経年による劣化が発生します。防水性を維持するためには定期的なメンテナンスや補修が必要になります。
屋根に使用する防水シートの種類
防水シートには、沢山の種類があります。最終的に雨漏りを防いでくれるとても重要な建材ですが、防水シートにこだわる方は、あまり多くないのが現状です。もし、今後メンテナンスをお考えになる場合は、安全、快適にお過ごしいただくためにも出来る限り「高品質」のものをお選びいただくことをおすすめいたします。
<アスファルトルーフィング>
アスファルト含浸紙に良質なアスファルトを浸透・被覆し、表面に鉱物質粉粒を付着させ、特殊合成樹脂で着色しています。低価格で、最もポピュラーな防水シートです。タッカー(ホッチキスのようなもの)で留めていくので、防水シートシートに無数の穴ができることになります。耐用年数は短く10年程度といわれています。
<改質(ゴム)アスファルトルーフィング>
アスファルトの他に合成ゴムや合成樹脂を加えたもので、耐久性が高いのが特徴です。ゴムを混ぜ合わせているため、ゴムアスファルトルーフィングとも呼ばれます。品質の高い改質アスファルトの効果により、釘穴をしっかりシールして雨水の浸入を防ぎます。ゴムによる伸縮性があるため、釘やタッカーによって生じる穴からの漏水を防ぐことができます。温度変化にも強く、幅広い地域で力を発揮します。
最近では、裏側が粘着タイプや遮熱、透湿性能を持った防水シートもあります。また、「高分子系ルーフィング」という、改質(ゴム)アスファルトルーフィングよりも「軽量」なシートもあります。原料は、アスファルトの代わりに特殊樹脂などが使われています。
防水シートの固定方法
・タッカー留め
「ステープル(コの字型をした針)」を「タッカー」で打ち付けます。これにより野地板と防水シートをしっかり固定します。アスファルトルーフィングはタッカー留めのものしかありませんが、改質アスファルトルーフィングはタッカー留め/粘着式どちらもあります。
・粘着タイプ
防水シートの片面(野地板と接する面)に粘着力があるため、そのまま貼り付けることが出来ます。タッカー留めとは違い、穴が開かないので防水性が高いです。
防水紙と雨漏りの関係
防水シートが経年劣化により破れてしまっている状態です。これでは雨や湿気を防ぐことが出来ません。そのため、小屋裏に雨水が浸入し室内の天井や壁に染みやカビが発生してしまいました。防水シートに問題がなければ、たとえ屋根材(瓦やスレート)にヒビが入ってしまったり、強風で棟板金が浮いてしまったという場合でも、直ちに雨漏りに発展するということはありません。防水シートは、内部への雨漏りを防いでくれる「最後の砦」なのです。
ルーフィングシートを敷く際のポイント
①重ねて敷く
軒先(のきさき)から棟(むね)➡「下から頂上に向かって」敷いていきます。この時、10cm以上の十分な重ね代を確保して敷いていくことにより防水性能がアップします。また、屋根の形により、最適な敷き方(向き・順番など)をすることが大切です。
②雨仕舞い部分を強化
屋根の「谷部」や「棟」、「外壁と下屋根の取合い部」で雨漏りはよく発生します。これらの部分は「雨仕舞い」上における弱点であり、防水シートを二重、三重にたり、外壁に立ち上げたりする処置が重要となります。
③粘着タイプならタッカー不要
裏面が粘着シールになっているタイプがおすすめです。タッカー等の穴を開けずに施工ができるため、水分が浸入するリスクを大幅に回避できます。表面には、軽くて強度の高い繊維の不織布が使われています。
・まとめ
防水シートの耐用年数は、種類や環境にも因りますが概ね20年といわれています。せっかく耐用年数の長い屋根材でリフォームされるのであれば、是非、防水シートなど見えないけれど重要な部分も高性能なものをお薦めします。性能により価格も異なります。最近は、ご自身で事前にお調べになってからお問い合わせくださるお客様が増えています。これを機に、屋根材だけでなく、防水シートにも興味を持っていただければと思います。是非、経験豊富な私達、街の屋根やさんへお気軽にご相談ください。
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