更新日：2021年05月15日

本日は長生郡長南町長南にお住まいのお客様より、屋根メンテナンスのご依頼を承りました。
今年で築32年になるお住まいで、屋根の塗装が剥がれかけてきたので塗装をお願いしたい、とのことでした。以前にも塗装工事をされたことがあるとの事でしたが、その時の業者さんと連絡が取れなくなったとの事で、今回のご相談を承りました。いったいどのような状態になっているのか、さっそく調査に伺いました。

スレートの劣化により塗膜が剥がれていました

今回のお客様の屋根は化粧スレートを使用しています。
伺った通りすでにあちこちで塗膜が剥げてきている状態です。日の当たる南側の屋根はそうでもないのですが、陽の当たりにくい北側の屋根は顕著です。よく見ると経年で塗膜が劣化してしまって剥がれかけてきている、というよりスレートに定着しないまま短期間で浮いてきて剥がれてきているようでした。
お住まいは今年で築32年で今まで塗装メンテナンスは２度されていたそうです。10年おきに塗装メンテナンスをされているのだとしたら今回で3回目というタイミングでちょうどよいくらいなのですが、お話を伺うとどうも違うようで、最初のメンテナンスをされたのは築20年がすぎたころだったそうです。おそらくはその時点ですでにかなりスレート自体も劣化してきていたはずですが、そこを強引に塗装を行ったようです。そのためか、その５年後にもう塗膜が劣化して剥げてきてしまったとのことで再度塗装工事を行ったそうです。５年で塗膜が劣化して剥がれてしまう段階でスレートの寿命と判断し葺き替え工事を行うのがベストだったと思うのですが、その時もその塗装の上から重ね塗りを行ったそうです。

よくみると剥がれた塗膜の下から別の色の塗膜が覗いているのが分かります。スレートにまったく定着せずに浮いてしまって剥がれています。傷んだスレートの上から塗装する前に、ベスコロフィラーＨＧで下塗り処理をしておけば、5年程度でこのような状態にはならなかったのですが。塗装前の下処理がとても大事だというのはこれを見ても感じます。

さらによく見ますと、スレート板とスレート板の間に隙間が全くありません。塗装で埋まってしまっている状態です。本来であれば雨漏りを防ぐために縁切りといって、あえて隙間を作る作業をするのですが、まったくされていません。タスペーサーの設置も見られませんでした。

釘が抜けかけた状態で塗装されています

板金の方も見てみましょう。
釘の抜けかけが見られました。築年数の経った棟板金ではよく見られることですが、よく見ますと抜けかけままその上から塗装していたのが分かります。
本来は補修してから塗装を行うのですが、そのままの状態で上から塗装されたようです。他にも完全に抜けてしまっている個所も見られました。
このままでは雨漏りは時間の問題と言わざるを得ません。

お客様には撮影した写真をご覧いただきながら、屋根の現状をご説明いたしました。
スレートに関しては、状態が良くないことから、屋根葺き替え工事、もしくはガルバリウム鋼板による屋根カバー工法をご提案させていただきました。カバー工法は既存のスレートの撤去の必要がありませんので、工事費用も安く施工期間も葺き替えに比べて短くできるのが特徴です。スレートの塗装メンテナンスはやはり定期的に行ったほうが最終的にはリーズナブルに維持することができます。