屋根の状態を点検調査

調査時の屋根は、棟部分の板金がすでに飛散して、貫板がむき出しになっていました。

長年の風雨にさらされて木材が劣化しており、そのままでは雨水が浸み込みやすい状態です。

職人も危険性を感じるほどで、早急な対応の必要性を強く感じた現場です。

立ち上がりのある箇所には、僅かな窪みがあり、既存のままでは雨水が滞留しやすい形状でした。

この箇所（窪み）は屋根カバー工法において特に注意が必要で、適切な排水勾配を確保することが耐久性の鍵になります。

実際の状態を細かく確認し、職人も慎重に採寸を進めていました。

屋根全体としては４寸の勾配（約21.8度）があるため、横葺き材との相性は良い状態でした。

現状の板金には塗膜の剥がれやサビが見られ、本来の保護機能が弱まっているのが分かります。

ここでは野地板を追加してから下葺きを施工する流れを想定し、作業計画を立てていきます。

下屋根の雨押え部分でも劣化が進んでおり、外壁との取り合いが不安定になっていました。

雨押えは雨仕舞いの要となる部位のため、外壁仕上げの工程との兼ね合いも考える必要があります。

こうした細かな部分を念入りに確認することで、工事後の安心感につながります。

長尺横葺きのカラー鉄板を用いた屋根カバー工法

工事ではガルバリウム鋼板を使用していきます。

まず露出していた貫板部分を新しく組み直してから棟の形状を整えていきました。

劣化が著しかった箇所も、しっかりと固定し直すことで強度が蘇り、仕上がりは見違えるほどです。

職人は新旧の取り合いがきれいに収まるよう微調整をしながら作業を進めていました。

雨水が溜まりやすかった窪地は、カバー工法で新たな勾配をつけることで改善しました。

下地材の組み方を工夫し、水の流れを妨げない自然な勾配を確保したうえで板金を敷設しています。

これにより、排水性が向上し、雨漏りの不安が大きく軽減されました。

仕上げの横葺き材にはブラウン色を採用し、落ち着いた印象の屋根に生まれ変わりました。

長尺材を使用することで継ぎ目を減らし、耐候性を高めています。

板金の重なり部分や固定方法にも気を配り、見た目だけでなく機能面でも安定した屋根へと整いました。

雨押え部分は外壁との取り合いが非常に重要で、雨水の侵入口になりやすい箇所です。

今回は外壁仕上げの前に雨押え部分の取り付けを行い、しっかり固定しました。

完了後は職人が細部をチェックし、屋根裏への水の回り込みを防ぐ形状になっているか最終確認を行っています。

完工

既存の屋根を残したまま仕上げる長尺横葺きガルバリウム鋼板のカバー工法（工事）が無事に竣工です。

点検時に、既存板金の劣化が見られたため、安全性を確保しながら仕上がりの品質にもこだわりました。

工事では、既存屋根の状態を踏まえながら「耐久性・コスト・仕上がり」のバランスを考えたカバー工法で屋根全体を強化しています。

お客様にも「これで安心して過ごせる」と喜んでいただけ、職人にとっても嬉しい現場となりました。

横浜市金沢区で同じように屋根の劣化が気になる方は、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。