「外壁・屋根」の状態を点検調査

外壁の幕板の表面は、塗膜が剥がれ、内部の素材が露出している状態でした。

雨水が入り込むと劣化が早まります。

幕板の上端は特に雨水が当たりやすく、塗膜が最初に剥がれる箇所です。

サイディングに反りが見られました。

シーリングで補修できる幅は、凡そ8mm～最大12mm程度です。

現状は、まだシーリング補修で対応可能な段階でした。

ですが、別の箇所のサイディングも反りがあり、写真（左）と比べると隙間が広くなっています。

早めの補修が望ましい状態です。

サッシ周りのシール（シーリング）は小さな穴が見られ、放置すると広がる可能性があります。

この機会にしっかりと補修することをおすすめします。

外壁材の継ぎ目のシールは、表面が痩せて切れ始めており、交換が必要な状態です。

打ち替え工事で対応することになります。

屋根の表面にはオレンジ色の苔が見られました。
屋根材は苔（こけ）が生えやすい性質がありますが、素材自体はまだしっかりしています。

高圧洗浄と適した下塗り材を用いれば、塗装工事は可能です。
他にも、雨樋の内部には枯れた蔓が詰まっていました。

工事時では雨樋（あまどい）の清掃作業も併せて行いました。

下地処理

高圧洗浄

まずは高圧洗浄で付着した汚れを落とします。

塗料の密着性にも関わるので、塗装工事を行う前に欠かせない重要な作業です。

シーリング処理

次に、既存のシールを撤去しました。

撤去した箇所に、プライマー（接着剤）を塗布していきます。

シール材（シーリング材）を隙間にたっぷりと充填し、その後、外壁に沿って均していきます。

以前はシールが露出していましたが、今回は塗装を行うことで塗膜の中に収まります。

外壁材のコーナー部分には、もともとLアングルが取り付けられていましたが、隙間にもシールを充填していきます。

塗装後に隙間が残らないよう、しっかりと埋めることを心がけます。

また、幕板と外壁の隙間にもシールを打つことで、雨水の浸入を防ぎ、幕板の劣化防止にもつながります。

パーフェクトトップを用いた外壁塗り替え工事

次に下塗りを行います。
塗装工程はどれも欠かせませんが、下塗りは上塗り材をしっかり定着させるために特に重要です。

下塗り材を誤ると、剥がれや浮きが生じ、劣化が早まります。
続いて中塗りです。

上塗り材の1回目の塗布で、仕上げの色を整えていきます。
上塗りは1回では十分に仕上がらず、色ムラを防ぐためにも必ず2回以上塗布する必要があります。

仕上げの上塗りとして、上塗り材の2回目を塗布しました。

1回目と2回目では色の仕上がりに明確な違いが現れます。

2階部分にはND-320を使用しました。

白の中でも発色が良く、仕上がりが美しい色です。

サーモアイＳiを用いた屋根塗り替え工事

棟板金の赤い色は、錆止め塗装の着色です。

わかりやすくする為に赤色を採用しました。

これから屋根面の塗装を行います。

屋根がグレーに見えるのは、屋根用の下塗り材を塗布しているためです。

既存屋根の劣化状況に応じて、適切な下塗り材を選ぶことが重要です。

中塗りと上塗りを繰り返し、ムラなく仕上げていきます。

今回、使用したサーモアイSiは、遮熱機能を備えた2液弱溶剤シリコン塗料で、耐候性が高く、屋根材の寿命延長にも効果的です。

色はクールブラウンです。

付帯部塗り替え工事

幕板は塗膜の劣化が進んでいるため、全体を丁寧に扱います。

塗装後に剥がれやすくならないよう、慎重な作業が求められます。

幕板にはファインSiを使用しました。
耐用年数の長い塗料を外壁に使っても、付帯部が先に劣化してしまっては意味がありません。

外壁の耐用年数にできるだけ合わせて、付帯部の塗料も選定する必要があります。
付帯部はシリコン塗料で統一しています。

写真（右）の赤く塗られている部分は雨戸で、錆止めを塗布した状態です。
これから中塗りと上塗りを行って仕上げます。

中塗りを行っている様子です。

新しい外壁の色に合わせ、こげ茶色で塗装しています。

こちらもファインSiを使用しており、鼻隠し板や雨樋も同じ塗料で統一しました。

艶のある美しい仕上がりとなっています。

完工

工事は無事に竣工しました。

建物に艶が出て、清潔感のある上品な仕上がりになりました。
この度は数ある施工店の中から当社をお選びいただき、誠にありがとうございました。

ご自宅の「外周・付帯部・開口部・屋根」をすべて実測させていただいた分、完成した際の喜びもひとしおでした。
次回は定期点検でお会いできることを楽しみにしております。

改めまして、ご利用いただきありがとうございました。