棟板金が剥がれてしまったお宅の点検と原因・メンテナンス方法をご紹介｜街の屋根やさん
更新日：2025年12月06日
点検を行ったところ、屋根の隅棟（すみむね）部分で棟板金が完全に外れて飛散している箇所が確認できました。
棟板金は屋根材の継ぎ目を覆い、雨水の侵入を防ぐ重要な部材です。
そのため、このように剥がれてしまうと内部に雨水が回り込み、屋根内部の木材を早く劣化させる可能性があります。
また、飛散した板金は二次被害を引き起こす危険もあります。
ご近所の建物や通行人に当たるリスクもあるため、早急な対応が必要です。
棟板金の下地として取り付けられているのが 貫板（ぬきいた） と呼ばれる木材です。
この貫板が劣化すると釘が効かなくなり、強風などで簡単に棟板金が浮いたり剥がれたりしてしまいます。
写真のように、貫板がひび割れたり腐食したりしている場合、固定力はほぼ残っていません。
棟板金 飛散の多くは、実は内部の貫板の劣化が原因となっています。
劣化したままでは補修しても再度浮きや飛散を起こす可能性が高いため、貫板ごと交換することが必要です。
他の位置の隅棟を確認すると、こちらも棟板金が浮き、内部の貫板が露出している状態でした。
このように板金が浮いてしまうと、隙間から風が入り込みやすくなり、台風や強風時に一気に剥がれてしまいます。
さらに、隙間から雨が侵入しやすくなり、屋根材の下地や構造材の腐食につながる危険があります。
棟板金の浮きは、棟板金の飛散の予兆といえるため、早めのメンテナンスが重要です。
屋根の一番高い部分である大棟（おおむね）を確認すると、こちらも棟板金が浮き、隙間があいている状態でした。
特に強風や、台風が通過した後などは注意が必要です。「最近強風があった」「屋根から音がした」という場合は、早めの点検をおすすめします。
最後に確認した棟部分では、棟板金を固定している釘が大きく浮いてしまっていました。
釘が浮いてしまう原因には以下のようなものがあります。
・長年の熱膨張・収縮による釘の浮き
・貫板の劣化
・過去の施工不良
・強風や台風による衝撃
棟板金の釘が浮いている状態を放置すると、今回のように棟板金の飛散につながる恐れがあるため、補修は早めに行う必要があります。
当店では、釘よりも抜けにくいビス（ねじ）を使用し、さらに木製貫板ではなく耐久性の高い樹脂製貫板に交換する施工をおすすめしています。
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