外壁の状態を点検調査

築年数が進んでいることもあり、建物全体で劣化が確認できる状況でした。
窯業系サイディング同士の継ぎ目に充填されているコーキング材は、サイディングから剥がれ、弾力が失われて硬化している状態です。

剥がれた部分に生じた隙間から雨水が入り込むと、イディングサの割れや欠けを招きます。

さらに、サイディングを固定している釘の周囲では、細かなひび割れが見られました。

釘を打ち込む際には金槌で叩くため、その衝撃でサイディングにわずかなダメージが生じます。
新築時には目立ちませんが、時間の経過とともにそのダメージが表面化し、ひび割れとして現れることがあります。

軒天・破風板・鼻隠し板・ドーマー部分の外側はモルタルで仕上げられており、表面には塗装による模様が施されています。
時間の経過とともに塗膜が劣化すると、防水性が低下し、塗膜自体が雨水を吸い込むようになります。

その影響が下地のモルタルに及ぶと、ひび割れが発生しやすくなります。
雨水を含んだモルタルは脆くなるため、現状のままではひび割れが進行する可能性があります。

建材を健全に保つためにも、塗膜を新しく整えて防水性を回復させることが欠かせません。

エスケープレミアムシリコンを用いた外壁塗装工事

足場を架設して高圧洗浄

外壁塗装を行う際は、２階部分などの手が届かない箇所にも作業が及ぶため、まず足場を設置して作業できる環境を整えます。

外壁には長年の汚れが付着しており、そのままでは塗料が密着しにくいため、高圧洗浄機を使ってしっかりと洗い流します。

雨樋や霧除け庇など、外壁に取り付けられている各所もあわせて洗浄し、全体を清潔な状態に整えてから塗装工程へ進みます。

シーリング処理

窯業系サイディングの住宅では、サッシまわりやサイディング同士の継ぎ目にコーキングが施されています。

塗装に入る前に、先にこれらの部分の補修を済ませておく必要があります。

まずは既存のコーキングを撤去する作業からです。

サイディング同士の継ぎ目についてはコーキング打ち替え作業が基本となり、今回の横浜市戸塚区下倉田町Ｗ様邸では、合計147.4m分の打ち替えを実施しました。

コーキングの打ち替えは、古いコーキング材を取り除き、新しい材料へ入れ替える工程です。

まず既存のコーキング材をしっかり撤去したら、その後にプライマーと呼ばれる密着剤を塗布します。

準備が整ったら、新しいコーキング材を継ぎ目に充填し、コテで平滑に整えていきます。

最後にマスキングテープを外すことで、真っ直ぐで美しい仕上がりとなります。

打ち替えの作業に加えて、建物の状態によっては新たにコーキング材を充填するケースもあります。

たとえば、窯業系サイディングのコーナー部分に縦方向の割れが見られる場合は、塗装に入る前にコーキングを施します。

この処理を行わずに塗膜を乗せてしまうと、縦割れとともに塗膜まで裂けてしまう恐れがあります。

あらかじめコーキング材を充填しておくことで、こうした裂けのリスクを抑えることが可能です。

モルタル部分には亀裂が確認されたため、その箇所にコーキング材を充填し、均しながら馴染ませていきます。

亀裂の縁をあえてカットしているのは、溝をつくることでコーキング材を確実に行き渡らせるためです。

縁をカットすることで、厚みと幅をしっかり確保でき、補修後の強度と密着性を高めることができます。

外壁の「下塗り」作業

コーキングの工程が完了すると、次は塗装作業へ進みます。

あらかじめ色分けが必要な部分や、塗装する箇所としない箇所が混在する部分には養生を施し、作業しやすい状態に整えます。

準備が整ったら、まず下塗りを行います。

今回の工事では、上塗りにエスケー化研のプレミアムシリコンを使用するため、専用の下塗り材である「水性SDサーフエポプレミアム」を採用しました。

この下塗り材をしっかりと塗布することで、上塗りの密着性を高め、仕上がりの品質を安定させることができます。

外壁の「中塗り・上塗り」作業

外壁には、まずエスケー化研の水性SDサーフエポプレミアムを塗布し、白色がしっかり確認できる状態になるまで重ね塗りを行い、乾燥させます。
その後、エスケープレミアムシリコン（SR-132）を使用して中塗り上塗りを行います。

中塗りの際には、下塗りの白色が見えなくなるまで丁寧に塗り込みます。
中塗りが乾燥したことを確認してから、同じエスケープレミアムシリコン（SR-132）を用いて上塗りを行い、仕上げていきます。

これにより、色ムラのない美しい外壁に仕上がります。

付帯部の塗装工事

ケレン作業

外壁に取り付けられている付帯部も塗装を行います。

基礎水切りやフードなどの鉄部については、塗装前にケレン作業を行い、表面を荒らして下地を整えます。

ケレンを行うことで、塗料の密着性が向上し、仕上がりの耐久性を高めることができます。

今回の横浜市戸塚区下倉田町Ｗ様邸では、鉄製の付帯部として基礎水切り、フード、軒下換気口、雨戸、戸袋などを塗装しました。

付帯部の「下塗り」作業

ケレン作業が完了した後は、鉄部の下塗りを行います。

鉄部には錆の発生を防ぐため、錆び止め塗料を使用することが重要です。

横浜市戸塚区下倉田町Ｗ様邸では、付帯部の上塗りに日本ペイントのファインSiを使用するため、専用の錆び止め下塗りとして同じく日本ペイントのハイポンファインプライマーⅡを塗布しました。

これにより、上塗りの密着性を高め、長期間にわたり美しい仕上がりを維持することができます。

付帯部の「中塗り」作業

ハイポンファインプライマーⅡは「黒さび色・グレー・赤さび色・ホワイト」の4色が用意されています。

塗装する対象や、中塗り・上塗りに使用するファインSiの色に応じて、最適な色を選んで塗布出来ます。

プライマーの乾燥を確認した後、ファインSiを用いた中塗り作業です。

これにより、塗膜の仕上がりが安定し、色ムラのない美しい外観を実現できます。

付帯部の「上塗り」作業

中塗りで塗布したファインSiが十分に乾燥したことを確認した後、同じ塗料材を使用して上塗りを行います。

一般的に、アルミ製の部材は塗膜が剥がれやすいため、塗装を控えるケースが多くです。

そのため、近年の建物では窓まわりのアルミサッシは既存の色を使用することが一般的です。

横浜市戸塚区下倉田町Ｗ様邸のアルミサッシはブラックでしたので、付帯部もアルミサッシの色に合わせ、ファインSiのブラックで仕上げました。

完工

エスケー化研のエスケープレミアムシリコン（SR-132）を使用した外壁塗装により、横浜市戸塚区下倉田町Ｗ様邸の外観が印象的に生まれ変わりました。

以前は塗膜の劣化もあり、色がやや褪せた印象でしたが、今回の塗装により艶やかさが増し、全体としてすっきりとした雰囲気になっています。

窓まわりのサッシがブラックであったことから、付帯部もブラックで統一したことで、さらに引き締まった印象を与える仕上がりとなりました。

このたびは施工をお任せいただき、誠にありがとうございました。