洋瓦屋根の特徴と美しさ

洋瓦は曲線が織りなす立体感が魅力で、和瓦より軽量なタイプも多く、洋風住宅には特に人気のある屋根材です。

耐久性も高く、正しくメンテナンスを行えば長期間にわたり美観を維持できます。

しかし、瓦そのものは丈夫でも、棟部に使われる漆喰（しっくい）や棟土はどうしても経年変化を受けやすい素材です。

そのため、洋瓦の点検では瓦自体よりも棟周辺の状態確認が重要になります。

屋根全体は美しく見えても、棟部で劣化が進んでいるケースは少なくありません。

漆喰が剥がれ棟土が露出している状態を確認

点検を進めると、棟部の漆喰が大きく剥がれ落ち、中の棟土が露出している箇所が確認できました。

漆喰は棟瓦を固定し、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を持ちます。

しかし、年数が経つと乾燥や振動により徐々にひび割れ、最終的には剥離してしまうことがあります。

漆喰がなくなると、内部の棟土が直接雨にさらされ、雨水を吸い込みやすくなります。

吸水と乾燥を繰り返すと棟土が崩れやすくなり、結果的に瓦の固定力が弱まってしまうのです。

このような状態では、漆喰の詰め直しが必要なタイミングといえます。

棟瓦のずれが発生し、固定力が低下している状態

別の場所では、棟瓦にずれが生じていました。

瓦は重なり合って配置されますが、棟部は漆喰と棟土で支えられているため、内部が弱るとこのように瓦が動きはじめます。

強風時に揺れたり、長年の地震による振動でもずれは進行するため、放置すると大きな隙間が生まれ、雨漏りを引き起こす危険が高まります。

瓦がずれはじめている場合、単なる漆喰の補修だけでなく、棟瓦の取り直し工事を検討する必要があります。

取り直しとは、棟瓦を一度すべて取り外し、棟の構造を改善したうえで積み直す工事のことです。

棟土が流出し大きな隙間が発生している危険な状態

さらに詳細に見ると、棟土が大きく流れ出し、屋根材の下地が見えてしまうほどの隙間が生じていました。

このような状態は雨水が屋根内部に直接入り込むため、雨漏りのリスクが非常に高い危険サインです。

棟土が失われると、瓦を固定する力が完全に不足し、瓦の脱落へつながることもあります。

ここまで進行している場合は、漆喰の詰め直しだけでは改善できず、棟瓦の取り直しが必要です。

特に台風や地震の多い地域では、早急な補修が求められます。

劣化状況に応じて漆喰 詰め直しや棟瓦の取り直しで適切にメンテナンス

最後に、棟部の補修方法について解説します。

漆喰が軽度のひび割れや剥離を起こしている場合は、漆喰の詰め直しが効果的です。

古い漆喰を取り除き、新しい漆喰を塗り直すことで防水性と固定力を取り戻すことができます。

しかし、棟土が流出している、瓦がずれている、棟全体が不安定になっている場合は、棟瓦の取り直し工事が最適です。

棟の構造を一新し、強風や地震に強い状態へ再構築できます。

わたしたち街の屋根やさんでは、状態に合わせて最適な工法をご提案しています。
早めの点検と適切なメンテナンスで、洋瓦屋根はさらに長く安心して使い続けることができます(*^_^*)