劣化した屋根の点検調査

Y様邸の屋根は、半切妻屋根という形状で、棟の両端を斜めにカットし、流れをつけたデザインになっています。

そして、お客様から事前に伺っていた通り、庭に落ちていた屋根材の破片を確認しました。

屋根はコロニアルで、破片の表面には傷や雨染みが見られます。

しかし、これだけでは屋根全体の状態は判断できないため、すぐに屋根に上がって確認しました。

屋根の表面は経年による劣化で、雨染みが出来ており、ザラついた様子が確認できます。
また、一部では屋根材が欠けている箇所も見られました。

コロニアルは、セメントと繊維質を主な材料とし、練り混ぜた生地を薄い板状に成形・加圧して作られた屋根材です。
そのため非常に薄く、割れやすい特徴があります。

コロニアル自体には防水性はありませんが、塗装によって耐久を高めることが可能です。

屋根の重なり部分には、本来、隙間が必要であり、この隙間は、屋根内部に入り込んだ雨水を外へ排出する役割を果たしています。

しかし、確認したところ、屋根の重なり部分に隙間がほとんど無く、塗装の際に十分な縁切りが行われなかった可能性があります。

これによって、室内の天井や壁には雨染みができており、すでに雨漏りが起きている状態でした。

欠けや雨漏りが見られるコロニアル屋根は、葺き替え工事か屋根カバー工事のいずれかが必要です。

スーパーガルテクトを用いた屋根カバー工法

既存の「棟板金」を撤去

さっそく屋根カバー工法（工事）を進めていきます。

この施工は、まず既存の棟板金を取り外し、下地の調整を行ったうえで、防水紙（ルーフィング）と新しい屋根材を重ねて設置する作業になります。

棟板金を取り外したところ、木製の貫板が腐食しているのが確認できました。

木製の貫板は、プラスチック樹脂製に比べて雨水を吸いやすく、腐食しやすいという特徴があります。

防水紙（ルーフィング）を敷設

棟板金を取り外した後、防水紙（ルーフィング）の敷設を行います。

今回、使用した防水紙は「タディスセルフ」です。

粘着性があり、敷設してから約2～3時間で屋根にしっかり密着します。

通常の防水紙は屋根の上で転がしながら敷き、釘で野地板に固定しますが、タディスセルフは粘着性があるため、穴を開けずに設置できるのが特徴です。

屋根材「スーパーガルテクト」を設置

防水紙の上に、新しい屋根材を設置していきます。
今回は「スーパーガルテクト（シェイドブラウン）」を使用しました。

ガルバリウム鋼板は非常に軽量な屋根材です。
施工は軒先から順に進め、基本的に外壁の真上に設置します。

ジョイント部分をしっかり嵌合させながら、スーパーガルテクトを順に葺き上げていきます。

新規の「貫板と棟板金」を設置

貫板を設置して、上から棟板金を取り付けていきます。

貫板にはプラスチック樹脂製の「タフモック」を使用しました。

プラスチック製のため、雨水による腐食の心配がありません。

その上から棟板金を重ね、しっかりと固定していきます。

完工

川崎市川崎区Y様邸でのスーパーガルテクト（Sシェイドブラウン）を用いた屋根カバー工事が無事に完了しました。

雨漏りしていたコロニアル屋根は、光沢の美しい屋根へと生まれ変わりました。

今後は、1か月点検、1年点検、隔年点検の際にお伺いします。

引き続きよろしくお願いします。