瓦屋根の防水紙(トントン葺き)劣化による雨漏りの原因と対策
更新日:2025年10月26日
瓦屋根は日本の伝統的な屋根構造のひとつであり、その重厚感と耐久性の高さから多くの住宅で採用されています。
しかし、瓦自体は「防水材」ではなく「雨水を流すための部材」です。
実際に雨水を防いでいるのは、瓦の下に敷かれた防水紙(ルーフィング)です。
特にトントン葺き(杉皮・紙・フェルトなどを多層に葺いた古い防水構法)は、昭和期以前の住宅によく使われており、築40年以上経過している住宅では劣化が進行しているケースが非常に多く見られます。

今回、袖ヶ浦市蔵波で行った屋根点検にて、
室内の雨漏りをきっかけに調査を実施しました。
以下の写真は実際の現場の様子です。
室内の天井板には、雨染みと木材の黒ずみが確認されました。
長期間にわたる雨水の侵入により、野地板が湿気を吸収し腐食が始まっていることが見受けられます。
木部が変色している場合、単なる結露ではなく、屋根内部まで雨水が達している可能性が高いです。
このような症状を放置すると、構造材が劣化し、耐震性能にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

次に屋根の外側を確認すると、
瓦のズレ・割れ・棟瓦の歪みなど、複数の劣化が見られました。
棟部(屋根の頂上部分)は特に経年劣化が激しく、漆喰の剥がれや棟瓦のズレが確認できました。
これにより、雨水が内部の防水層に直接触れるようになり、防水紙への浸水が発生していると考えられます。
瓦の見た目はまだしっかりしているようでも、内部では防水紙が完全に機能を失っているケースが多くあります。
瓦屋根の防水性能は、瓦+防水紙+野地板の3層構造で成り立っており、どれか1つでも欠けると雨漏りリスクが一気に高まります。
古い瓦屋根で使われている防水紙の多くは「トントン葺き」と呼ばれる構法です。これは、杉皮やクラフト紙、アスファルトフェルトなどを何層にも重ねた防水層で、かつては一般的な方法でした。
しかし、現在の防水紙(改質アスファルトルーフィングやゴムアスファルトルーフィング)と比べると、耐久年数が大幅に短く、経年劣化により以下のような問題を引き起こします。
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紙素材が湿気を吸って破れる
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アスファルトが乾燥して硬化・ひび割れを起こす
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釘穴部分から水が浸入する
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野地板との密着性が低下し、浮き上がる
これらの劣化は外からは確認できないため、室内に雨染みが出て初めて気づくことが多いのです。
トントン葺きが劣化したまま放置するとどうなるか
防水紙が劣化し、防水機能を失うと、次のような被害が進行します。
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野地板の腐食・カビの発生
湿気を含んだ野地板は腐朽菌が繁殖しやすく、構造的な強度が低下します。
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垂木・梁への雨水侵入
雨漏りが長期間続くと、構造体の腐食やシロアリ被害を誘発します。
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断熱材の湿気吸収によるカビ臭や結露の悪化
室内環境にも影響を及ぼし、健康被害のリスクが高まります。
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瓦の固定力低下による台風被害
下地が弱ると、瓦を固定している釘や銅線が抜けやすくなり、強風で瓦が飛散する危険性があります。
袖ヶ浦市蔵波の現場でも見られたように、防水紙(トントン葺き)の劣化は、室内雨漏りや構造劣化の直接的な原因となります。
見た目の瓦がしっかりしていても、内部が傷んでいるケースは少なくありません。
防水紙が寿命を迎える前に、専門業者による点検・メンテナンスを行うことが何よりの防水対策です。
街の屋根やさんでは、無料調査・見積りを承っております。
瓦屋根の雨漏りや老朽化でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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