常陸太田市 穴があいた軒天は部分修理で大丈夫？破損原因の追究も必要
更新日：2025年7月17日
さっそく現地に伺ったところ、たしかに大きな穴があいています。
破損箇所は、特に家の角の部分に集中して見られました。築25年以上が経っているとのことで、軒天自体にも劣化があるとはいえ、なぜその箇所だけ…？
軒天材が剥がれて、長方形に穴があいた部分から内部を覗いてみると、くっきりした雨染みと、黒カビが広がっていました。
長年にわたり湿気がこもり、雨水が侵入していた証しです(>_<｡)
軒天が果たす役割
美観を整える：屋根裏の構造材を隠し、建物全体の外観をすっきりと美しく見せる役割があります。
防火性能の確保：防火素材を使用することで延焼を防ぎ、火災時の被害拡大を抑える効果もあります。換気と湿気対策：換気口を設けることで、屋根裏の湿気を効率的に排出し、結露や木材腐食を防ぎます。
雨風や害虫の侵入防止：風雨や小動物、虫などが屋根裏に入り込むのを防ぎ、建物の耐久性を保つ効果も果たしています。
続いて、屋根の状況を確認しました。築25年を超えたスレート屋根は、防水性が全体的に低下していました。
スレート屋根は定期的に塗り直し、表面を保護しなければなりませんが、こちらの屋根は広い範囲で塗膜が剥がれています。
端部を中心に、基材のセメントが露出しており、水を吸い込みやすい状態です。これが雨水を招き入れる一因になっていました(°-°；)
さらに棟板金をチェックすると、あちこちで釘抜けや釘浮きが発生し、固定力がかなり弱くなっていることが分かりました。
棟板金の継ぎ目部分も隙間が見られ、雨が吹き込む可能性が高まっていました。
調査結果から軒天の破損につながった原因は、屋根全体の防水性の低下と、棟板金の劣化による雨水の侵入と考えられます。
雨はまず屋根から侵入し、構造体を伝って軒先の軒天の裏側へと流れ込みます。
そして長期間湿気がこもることで、カビの発生と木材の腐食を進行させ、結果として穴があくほどにまで悪化したのです( ;ㅿ; )
このように雨水が屋根から回り込んでいる場合、軒天だけをきれいに張り替えても、残念ながら解決にはなりません。
表面を整えるだけでは、内部へ入り込む雨水を防ぐことはできず、再び軒天が傷む結果になってしまいます。
だからこそ、「破損の根本原因を見つけてから修理する」が大切になってきます。
屋根の塗装の劣化や棟板金の不具合など、原因部分を先に改善することで、軒天の張り替えも安心して長く維持できるようになりますよ。
常陸太田市のお客様には、まずスレート屋根の防水性回復を目的としたメンテナンス、棟板金の交換、そして必要に応じた屋根カバー工法など、選択肢をご説明しました。
ただし、素地のセメントの露出やひび割れなどは塗装のメンテナンスでは修復できず、築25年以上が過ぎている状況を考えると、部分的な修理よりも、屋根カバーなどの全体的なメンテナンスを一度に行う方が、コストパフォーマンスはいいかもしれませんね。
軒天の張り替え自体は部分的な工事で可能ですが、これらの対策を先に講じることで、再発リスクを最小限に抑えることができるとお伝えしました。
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