築2年と比較的新しい住宅にもかかわらず外壁のステンレス製フードに目立つ錆びが見えるとのことで、現地調査を行いました。

2階トイレ外部に設けられた丸型の換気ガラリに茶色い錆びが浮き出ています。
外壁（窯業系サイディング）にはわずかな錆びが見える程度で、構造材への影響は見られませんでした。

浄化槽のブロアー（送風機）が停止することで、浄化槽から処理薬品（酸性成分など）が適切に中和されないまま排水管を通ってそのまま外部に排気されていたようです。
さらにトイレの使用がなかったため、排水管内の封水トラップ（水のフタ）が乾燥していました。
浄化槽内の空気が外へ流れるようになってしまい、含まれていた薬品成分がガラリに長期間触れたことで錆びを発生させていました。

多くの場合は住宅の外・地中に設置されています。
内部では微生物や薬剤を使って水を浄化し、処理後の排水やガスを外へ放出します。
浄化槽にはブロアー（送風機）があり、空気を送り込んで微生物を活性化させ、排気も促します。
未入居中や電源停止などでこの機器が止まると、処理が不十分となってしまいます。
そのため、長期間留守にする場合でもブロアー電源は切らないことが推奨されています。
参照：大阪府「浄化槽を適正にお使いいただくために」

新しいガラリを取り付けました。
内部にコーキングを充填して押し込み、しっかりと固定させてあります。
見た目にとても綺麗になり、お客様には「綺麗に錆びも取り除いていただきありがとうございました！」とお喜びいただけました。

住宅は定期的に手入れをしていないと、思わぬところから劣化が進んでしまうものです。
特に人が住んでいない期間が続くと、トイレや排水管の封水が蒸発して悪臭や空気の逆流、さらには設備の腐食などの原因になります。
また、空気がこもることで湿気やカビの発生リスクも高まります。
そのため、未入居でも定期的に水を流したり、窓を開けて空気の入れ替えを行ったりすることが大切です。
ちょっとしたひと手間がお住まいを長持ちさせる大きなポイントになります。