茨城町 和型瓦屋根を調査！棟瓦の葺き土に根付いた草木は取直しが必要
更新日：2025年5月20日
屋根は、和型の釉薬瓦屋根です。
屋根瓦そのものはとても長く持つので、見た感じでは特段悪くないようですよね。
けど、瓦屋根のチェックポイントは、屋根をびっしり覆う桟瓦（さんがわら）だけではありません。
屋根の一番てっぺんにある棟を大棟（おおむね）といいます。
大棟の途中で、冠瓦の色が違うのがわかりますよね。これは、前の持ち主様が震災かなにかの折に修理されたようです。
また、大きくゆがんでいるのもわかります(>_<)
写真右側の化粧棟の根元から、草木が生い茂っていました。そこそこ大きく育っています。おそらく、根っこは相応に伸びているでしょう( ；∀；)
ちなみに、化粧棟は、降り棟（くだりむね）ともいい、主に飾りを目的に取り付けられた棟です。写真左側の棟は、風切り丸瓦といいます。
棟のウンチクはともかく、なぜ棟部分で植物が成長するのでしょうか？
こちらは、他現場で棟を解体した時の写真ですが、土のようなものが見えますよね。
実は、この土は『葺き土（ふきつち）』といい、棟の土台なんです。
昔の住まいは、葺き土が棟の土台に使用されていたので、草木が育つ環境が整っているんですよ。
他の化粧棟でも、草木が生えていました（ ; ; ）
化粧棟は、棟の下部の漆喰スペースが狭く、メンテナンスしずらい部分なんです。草木を取り除くだけでなく、一度取り壊して造り直す『棟瓦取り直し』を行ったほうがよいでしょう。
棟瓦の調査では、漆喰の脱落も多数見つかりました。
漆喰は、棟の下部に詰めて『葺き土』の流出を防いだり、棟どうしの接続部ではすき間を埋めて雨漏りの浸入を防いでいるんです。
【漆喰の脱落に注意しましょう】
漆喰の脱落は、棟瓦のズレや地震時の落下のほか、すき間からの雨水の浸入による雨漏りにつながります。
『屋根の上の小石のようなものがある』場合、漆喰が脱落している可能性が大です。トラブルを回避するためにも、早めに屋根を点検しましょうね。
漆喰の脱落は、棟瓦のズレや地震時の落下のほか、すき間からの雨水の浸入による雨漏りにつながります。
『屋根の上の小石のようなものがある』場合、漆喰が脱落している可能性が大です。トラブルを回避するためにも、早めに屋根を点検しましょうね。
また、大棟の下部には、コーキングが充填されていました><
棟瓦のズレ防止？それとも雨漏り対策？でしょうか？？
コーキングを充填した理由は不明ですが、実は屋根瓦は、水分や湿気を外に逃すために適度にすき間をあけているんです。
すき間をコーキングで埋めると、水分や湿気の逃げ場がなくなって雨漏りの原因に・・・
このコーキングもいただけないので、少なくとも棟瓦取り直しが必要です。
漆喰詰め直し
棟瓦取り直し
棟の状態を見るかぎり、お客様がこれから長く住むには『棟瓦取り直し』が必要と判断しました。
ただ 大棟、化粧棟、風切り丸・・・と全てを修理するとなると、それなりの費用となります。
今回は中古住宅購入案件なので仕方ないものの、以前から住み続けているのであれば、『棟瓦取り直し』が必要となる前に、『漆喰詰め直し』といった補修をマメにやっておきましょう( ^ω^ )
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