工事前の様子

ご相談があったのは、廿日市市にある２階建て木造住宅になります。
２階で雨漏りが発生し、天井クロスに雨染みが広がっています。

屋根裏に上がってみると、雨漏りの発生が確認できました！

屋根の上に上がってみました

廿日市市の現場は瓦屋根になります！

瓦屋根と聞くと「耐久性もあるし雨漏りしにくい？」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
確かに、瓦自体の耐久性は高いですが、メンテナンスフリーではないんです(T_T)

大棟と呼ばれる、瓦屋根の頂点部に劣化症状が見られました。

◆漆喰の劣化
棟瓦を固定している『漆喰』が劣化して、剥がれやひび割れが見られました。そこから、雨水が土台の土に染み込み、土の流出や瓦の固定が弱まったことによる棟瓦の歪みが見られました。
漆喰の耐用年数は20年程度で、目に見える劣化が見られなくても経年によるひび割れなどが発生してきます。

瓦自体に問題はなくても、それ以外の箇所には劣化が出てきますので、新築から20年程が経過し、一度も点検をされたことがないお家は専門業者による点検をおすすめいたします！！

既に雨漏りが発生しているため、棟瓦の取り直し工事をご提案させていただきました！

棟瓦取り直し工事とは？

棟瓦取り直し工事は、屋根の頂点部にある棟瓦のズレや漆喰の剥がれを補修する際に行います。
既存の棟瓦を撤去し、棟瓦を積み直していく工事です。

既存の大棟を撤去していきます。
今回は大棟で使用する瓦も新しくするので、既存の瓦は昇降機を使っておろします。

大棟の頂部に設置してある瓦を『冠瓦』と呼び、冠瓦の下には土が葺いてあります。

大棟を全て撤去した状態になります。

土の流出、雨水の浸入の形跡が見られました。
漆喰が劣化し、徐々に雨水が浸入してきたことが分かります。

南蛮漆喰を使った湿式工法！

棟瓦をまっすぐ設置するために糸（写真：ピンク色）を張っています！
その糸を目安に、のし瓦と呼ばれる瓦と土を設置していきます。

瓦屋根の棟は、のし瓦を積み上げる『棟積み』という作業で作られます。
棟積みという工程は、雨水浸入防止のために行われ、高く積み上げるには高度な技術が必要になります。

今回、瓦を固定するために接着剤の役割として土や漆喰を使い棟瓦を積み重ねており、『湿式工法』と呼ばれます。

黒い土のようなものは『シルクガード』と呼ばれる南蛮漆喰になります。南蛮漆喰は通常の漆喰より、耐久性や耐水性が高くなっています。

最後に冠瓦を載せて銅線で固定し、取り直し工事は完了です(*’ω’*)

漆喰は施工直後や柔らかいですが、時間をかけて硬化していきますよ！

屋根の上の状態は、普段は見えにくい箇所なので、雨漏りを予防するためにも定期的に点検・メンテナンスをしてお家の状態を知っていただけたらと思います。

【参考】
➡　傷んだ漆喰の詰め直し、棟瓦の取り直しで瓦屋根を健全に保つ
➡　4つのチェックポイントで 瓦屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろう