M様宅は築15年の瓦屋根住宅で、これまで屋根のメンテナンスはされたことがないそうです。
屋根漆喰の寿命が15～20年ということを考えると、漆喰に問題が出てくる時期であると言えます。
屋根に上って漆喰の点検を行いました。

実際に漆喰が剥がれ、内部の葺き土が見えている所もありました。
漆喰が剥がれて葺き土が流出してしまうと、瓦の固定力が下がって棟瓦が歪んだり、瓦が外れる原因になります。
【参考】重くて硬い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要

鬼巻き漆喰（鬼瓦と棟の隙間を埋めている漆喰）も部分的に剥がれ落ちている箇所がありました。
M様が「屋根から欠片が落ちてきた」とおっしゃっていたのも、このように欠け落ちた漆喰だったようです。
高い所から落ちてきた漆喰でお怪我をする危険もありますし、早めの補修が必要です。

谷板金の脇に詰めている漆喰も、剥がれて葺き土が見えています。
谷板金はその名の通り、屋根がぶつかり合う谷部分に取り付けられている雨樋です。
大量の雨水が流れる場所ですので、漆喰が剥がれた所から雨水が侵入し、雨漏りの原因になります。
【参考】屋根で最も雨漏りしやすい部分「谷板金」の修理方法

調査を行ったところ、漆喰は劣化しているものの、瓦自体の状態は良好でした。
漆喰の劣化を放置して瓦にもズレや脱落がある場合、棟瓦の取り直しなどが必要になります。
しかし、今回は漆喰の劣化に気付いてすぐにお問合せいただいたため、瓦自体の交換や棟取り直しは必要なく、漆喰の詰め直しだけで解決できる状態でした。
M様には漆喰詰め直し工事をご提案し、工事のご依頼をいただきました。

まずは、劣化した漆喰を丁寧に撤去していきました。
この作業を「メクリ」と呼びます。瓦を傷つけないよう、丁寧に漆喰を剥がしていきます。
中からは瓦を固定していた葺き土が出てくるため、ブラシなどで綺麗に取り除いて清掃します。

メクリ作業が完了したら、新しい漆喰を詰めていきます。
漆喰詰め直しには高度な技術と経験が必要で、漆喰の粘度や天候条件なども考慮しながら進めていきます。
漆喰は薄すぎると耐久性が低下し、厚すぎると雨漏りを誘発する原因になるため、適切な量を見極めて作業を行う必要があります。
今回使用した「なんばん漆喰」は特殊なシリコンや防水剤が含まれているため、耐久性や防水性に優れている漆喰です。

漆喰の劣化を放置すると、瓦のズレや雨漏りなど大きな被害の原因になります。
早めに点検・メンテナンスを行うことで、大規模な修理を防いでコストの削減にもつながります。
【参考】季節別・築年数別知っておくべき住まいのメンテナンスサイクル完全版
街の屋根やさん堺店では、今回ご紹介した漆喰詰め直し工事はもちろん、棟瓦の取り直しも豊富な施工実績があります。
屋根の漆喰で不安箇所やご心配がある方は、街の屋根やさん堺店までお気軽にご相談くださいね。
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