君津市で蔵の全面改修
更新日：2016年12月07日
君津市で敷地内に蔵を所有するお客様です。瓦屋根は一年前ほど前に弊社葺き替えました。屋根は綺麗になったので、思い切って全面改修しようというご相談です。蔵は年数が経過しても造りが頑丈ですので、まだまだ現役です。
外壁の漆喰は少々傷んでいまして塗り直しが必要な状態です。漆喰は断熱性を兼ねていますから蔵には必需品です。また漆喰は湿気を吸い込み、乾燥すると吐き出して湿度を調整してくれます。室内の湿度を一年中、安定したものにしてくれるのです。雨にも耐候性があり、和風の外壁などの壁によく使われます。蔵ということもあり壁は土壁なっています。厚みが約100ｍｍ以上あり、外気の温度を遮断してくれます。他の壁の作りですと、室内の温度や湿気を保てないでしょう。さすがに造りが違います。
弊社で先行しまして、基礎工事を最初に行いました。当時は基礎というよりも、土台の下に大きな石を並べてその上に建物を立てていました。蔵の重みで安定していましたが、今回は改修工事を行いました。より安定させるためにです。初めの土台が大きく作られているため、一般住宅の基礎よりも倍近く大きくなりました。
天井には現代ではあまり見られないアーチ形をしている梁が二本ならんでいました。貴重な梁です。二本ともほぼ等しく作られていて大変美しく見えます。古民家等で屋根裏を見ると大きな曲がった梁を見かけることもありますが、現在の住宅ではそこまで手間をかけることがなく、見せる造りが少なくなってきております。屋根が大きくなると上からの重みで歪みが生じるので、あえて逆に反る梁を使って荷重を分散させているのです。蔵などは元々、重工に施工されているため、この様な太く大きく反った梁が必要だったのでしょう。古い美しさを損なわない様に、これからリフォーム工事を進めて行きます。
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