長生村の雨漏り|スーパーガルテクトで屋根カバー工法を行いました!
【お問い合わせのきっかけ】
ビフォーアフター
基本情報
- 使用材料:IG工業:スーパーガルテクト(シェイドブラウン) アイカ工業:セラール(メラミン不燃化粧板)FAN929ZMD
- 保証年数:屋根カバー:10年、目地シーリング:3年
【点検の様子】
夏の台風の影響でしょうか、セカンドハウスに雨漏りが発生したという事でした。確認するだけで3箇所、室内に雨水が侵入し天井に雨染みを作っているとのことでした。台風の影響によっての場合、一番考えられるのは屋根か外壁に何か飛来物が当たり、破損させたという可能性が妥当です。
ではM様邸はどうでしょう?一度雨漏り発生時点で火災保険の申請をしたようです。専門業者に見てもらったところ、火災保険の該当項目に当てはまらないと返答があったようです。ご存知の方も増えつつありますが、台風等の自然災害による住宅の破損は火災保険・共済保険の補償対象になる可能性があります。加入条件により補償金額の下限・上限はありますので確認は必要ですが、保険の申請をしても保険料が上がるわけでもなく、無駄にはなりません。
しかし、今回なぜ補償の対象にならないと判断されたのでしょう?見ていきましょう。
まずは被害状況です。室内天井に雨漏りのせいで剥がれが見られます。雨漏りを起こしてからそれ程時間が経っていないようで剥がれ程度で済んでいますが、このまま放置をするとたちまち腐食し、黒染みに進行してしまいます。
室内で雨漏りをしているしていないの判断は、天井材の染みや、木材の濡れ具合、湿気のこもり具合と様々な事で気付くことが出来ますが、外部でも顕著に表れる箇所があります。
それは軒天です。軒天は通常住宅の野地板・垂木等の構造材を隠して美観をよくする為、不燃材を使う事で延焼を防ぐ為に軒天が取り付けられています。近年の住宅は更にシャープな外観にするために軒天を取り付けない住宅も増えてきていますが、外観の耐久性向上のためにも軒天を取り付けた方が良いと言われています。
軒天は吹き付ける雨によって傷みやすいと言われていますが、普段の雨では当たりにくい場所です。この軒天に雨染みがある場合、経年劣化も考えられますが雨漏りの可能性が考えられます。特に集中的に雨染みがある場合は、要注意です。屋根から雨漏りが起こっている場合、雨水が屋根から侵入し、雨水が軒天の方に流れることによって染みが出来ます。長期間に渡っている場合は軒天が腐食し剥がれていることが多々あります。
内部に戻りましょう。屋根からの雨漏り確認は小屋裏が一番早く簡単です。小屋裏点検口が無い場合は、確認のしようがないので点検口作成をさせて頂きます。小屋裏に雨染みがある場合まず100%屋根からの雨漏りが発生しています。
さらにM様邸は断熱材も腐食し剥がれています。雨漏りは住宅の劣化だけでなく、更に住宅の機能にも及びますので、どれだけ早く補修をする必要があるかわかりますよね。
ちなみにですが、野地板に多数の釘が突き出ています。屋根工事の際に屋根材設置の釘止めは垂木に向かって打ち付けます。垂木の場所確認をしていないとこのように釘が無数に出て、見栄えも悪く固定力も低くなります。
行ったり来たりですが屋根に戻ります。小屋裏の雨染みから雨漏りをしている場所に目星をつけて点検を行います。スレート屋根は一度塗装工事をしているようです。塗装後しばらく経過しているようで塗膜の色褪せが進んでいますが、メンテナンスは定期的に行っているようです。
ではなぜメンテナンスで屋根材が傷んでいるわけでもないのに雨漏りが起きてしまったのでしょう?
今回の雨漏りの原因、塗装が問題です。上写真を見てもらうとわかりますが、屋根材同士がびっちりとくっついてしまっています。塗装をした時に縁切りをしなかったのか、縁切りが甘かったのか屋根材と屋根材の間に塗料が入り込んでしまっています。スレート屋根の塗装の際に注意したいのがこの縁切り作業です。
縁切り作業・タスペーサー設置を怠ると、屋根材がくっつき雨水の流れを妨げてしまいます。雨水が屋根材の内部に溜まることで毛細管現象が発生し、内部に雨水が染み込むように雨漏りが起きてしまいます。
屋根全体を見てみても縁切りがしっかり行われていないようですので、どこから雨漏りが起きてもおかしくはありません。水切り等の役物もしっかりと塗られているので雨水がどこから流れるのか悩んでしまいますね。
雨漏りは断定できていますが、散水検査を実施して確定します。
すぐに雨漏りがおきました。釘穴からも染み出していますので防水紙の劣化も重なっていますね。縁切り作業が甘いことにより雨漏りを起こした場合、これは火災保険の適用ではなく施工不良です。施工業者に補修をお願いするのが通常ですが、施工業者が見つからないというのは少なくありません。今回もそうですが、自己負担での補修を行うしかありません。
いずれ雨漏り発生につながる住宅の劣化も見ていきましょう。ケラバ・破風板にあたる部分は今の住宅は鋼板の場合もありますが、昔の住宅は木材が大半です。塗装で表面保護はしているものの、木材の呼吸によって塗装が剥がれやすく耐久力は乏しいです。木材が腐食すると落下し、隙間ができ吹付の雨で漏水を起こしてしまいます。塗装施工やシーリング施工で隙間を埋めることも可能ですが、長期的なメンテナンスフリーを考えると板金でカバーするのが一番いいでしょう。
こちらは雨樋です。台風とは関係なく外れていたようですので、こちらも火災保険の対象になりません。這樋は軒樋に接続させ、軒樋の固定も強く補修し直します。
雨樋を設置していない住宅もありますが、雨樋があることによって、正しい場所への排水、地盤の沈下防止、落水の音の抑制と、雨樋があるにはしっかりと訣があります。壊れてしまったら元に戻すように努力をしていきましょう。
【屋根カバー工法】
スレートの屋根工事には葺き替え工事かカバー工法があります。葺き替え工事は既存の屋根材を撤去、必要に応じて野地板の補強工事、そして防水紙と屋根の新設を行います。築年数がかなり経過している、野地板が酷く腐食している場合に葺き替え工事はとても有効的です。
一方、カバー工法は既存の屋根材の上から防水紙、屋根材と重ねていきます。屋根の上に屋根を乗せますので重量も多少重くなってしまいますが、既存屋根材の撤去も必要ない為、工期も短縮、また費用も撤去費用分抑えることが出来ます。
まずは棟板金を撤去し、防水紙を張り付ける準備をします。防水紙は軒から棟に向かって10㎝以上重ねながら張り付けていきます。今回は遅延型粘着式ルーフィングのタディスセルフ使用です。貼り直しは可能ですが、時間を置くことによって下地にビッチリ張り付いていきます。
防水紙を張りつけ後は雨漏りを防ぐことが出来ますが、防水紙が傷むことを防がなければいけませんので屋根材の取付を急ぎます。続いては役物、軒先にはスターター、ケラバには水切りの設置をしていきます。役物も屋根材も釘ではなく、ビスでねじ込んで固定していきます。
屋根材の設置です。使用したIG工業のスーパーガルテクトは金属材と断熱材を一体化にした軽量金属屋根材です。色褪せしにくく錆びにくい超耐久ガルバリウム鋼板を使用していますので、沿岸地域にも強い素材になりました。熱を伝えにくい断熱材と、湿気の被害を受けにくいアルミライナー紙によって、屋根材が内からも外からも傷みにくい構造になっています。メーカー保証では穴あき25年、塗膜・赤錆に15年です。Sシェイドブラウンはブラックよりも柔らかい印象でどの住宅にも合わせやすい色をしています。
水切り部分にはコーキングで防水施工を施し、雨水が入らない構造にしています。
また、破風板も合わせて板金でカバーすることによって屋根全体が長期的にメンテナンスフリーとなりました。15~20年後には塗装が必要となるかもしれませんが、スレート屋根よりも高耐久ですのでしばらく手をかける必要はないかと思います。
1箇所外れてしまっていた這樋も綺麗に繋ぎ軒樋に接続、針金で固定し屋根工事は完了です。
【雨漏り再発・散水検査】
雨漏りが止まったことを確認してから内装工事に進もうかと思いましたが、雨漏りが再発してしまいました。今度は屋根からではなく外壁からです。今度は足場を仮設し、散水検査を再度行っていきます。
外壁からの雨漏りで考えられるのは、サッシ廻り、霧除けなどの取り合い、モルタルであれば構造クラック、サイディングであれば目地のシーリングの劣化です。
全体的に散水検査を行い原因を特定していきます。
サッシと霧除けの間に防水テープが張られていますが、少し疑問にも感じます。サッシに雨が吹き込まないように霧除けが取り付けられます。雨水が上から降ってきているのに霧除けの真下からサッシに雨水が入り込むのはまず考えられません。それでもこの冊子から雨漏りが発生しているならば、考えられるのは霧除けのシーリング部分であって、防水テープの場所ではないのではないかという事です。但し霧除けから内側を伝い、雨水がサッシの上部に溜まることがあれば話は別です。可能性は低いのですが捨てきることも出来ませんので調査を続行します。
外壁の目地は防水の役割です。パネルを1㎜を開けることもなく張り付けるのは不可能です。あえて隙間を設けてシーリングで防水施工をするのがパネル工法です。シーリングの寿命は5年前後と大変早く劣化してしまいます。そして目地の劣化を放置すると雨漏りが発生してしまいます。しっかりしているように見えても亀裂があれば十分漏水を起こしてしまいますので、定期的な点検が必要です。
散水検査で目地・窓際どちらからも雨漏りが起きていますのでシーリング補修をしていきます。
【コーキング補修】
目地のシーリングは劣化したコーキングを撤去するかしないかで耐久性が大きく変わってきます。可能な限り既存のコーキングを剥がし、カッターでそぎ落として綺麗にします。
マスキングテープで周りを養生してコーキングを打設していきます。奥まで押し込むようにヘラで綺麗に押していき完全に乾く前にマスキングテープを剥がし終了です。
目地のコーキングは打替えました。また霧除け周辺の取り合いもコーキング補修のためにマスキングテープで養生をしていきます。
霧除けやシャッターボックスのような付属物と外壁との間に隙間がある場合は、鉄部の腐食の方が遅く気付かないうちに内部に漏水していたという場合もありますので、十分ご注意ください。
左写真が施工前の亀裂が入っている状態です。右写真がコーキング補修後です。塗装を同時にすることで、目地も綺麗に隠れますが目地の打替だけでも充分住宅の為になります。
【塗装補修工事】
雨漏りが完全に止まったことを確認してから塗装です。まずは軒天。軒天はベニヤやケイカル板を使用していて、水への耐久性は決して高くありません。高圧洗浄などはせずに、表面の掃除をして2回塗りを行います。軒天は小屋裏への通気をするための場所でもあるので、通気を妨げないよう軒天にあった塗料を使用します。軒天専用塗料が世間に出回っているのはこのような軒天の役割を潰さないようになんですね。
室内も染みが出来てしまった天井の塗装です。周りを汚さないように養生をしてから綺麗に塗り直していきます。お住いの場合は換気をして匂いが籠らないように施工をしていきます。
【キッチンパネル取替工事】
続いてはキッチンのパネル工事です。タイルはガス代の下にまで入っていますので、まずはガス代を外し、タイルを斫り撤去していきます。下地の凹凸感を処理してフラットにしてからパネルを張り付けていきます。キッチン周りの火元に使うものは全て不燃材です。
お客様と打ち合わせで決めたパネルを張り付ける場所に合わせてカットをし、両面テープとボンドで綺麗に張り付けていきます。使用したのはアイカの不燃材化粧板「セラール」です。
全面しっかりと張り付け、剥がれることが無いようにしっかりと固定します。また継ぎ目部分にはシーリング工事を行い、水が入り込む隙間を開けません。使用したパネルは石目調のFAN929ZMDです。高い意匠性を持つセラールは擦り傷・衝撃・曲げ強さに強く、耐水・耐熱性に優れている為、多彩な用途で使用することが可能です。
以上で工事が完了になります。
記事内に記載されている金額は2018年12月12日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。
【工事完了後】
スーパーガルテクトでの屋根カバー工法完工です。赤錆・塗膜保証が15年、穴あき保証は25年の高耐久ガルバリウム鋼板です。軽く、錆びにくい屋根材の為沿岸地域での活躍も多くなっていきそうです。また断熱性鋼板に断熱材を取り付けることによって更に、住宅が快適になるかと思います。施工保証は10年です。
目地のコーキング打替、取り合い増し打ち補修工事完工です。コーキングの寿命を考えると5年前後、塗装工事よりも定期的に行う必要性があります。塗装とメンテナンスサイクルを合わせるために高耐久なシーリングも取り扱っておりますのでご相談ください。通常のコーキングでの目地打替えは施工保証3年です。
目地のコーキング打替、取り合い増し打ち補修工事完工です。コーキングの寿命を考えると5年前後、塗装工事よりも定期的に行う必要性があります。塗装とメンテナンスサイクルを合わせるために高耐久なシーリングも取り扱っておりますのでご相談ください。通常のコーキングでの目地打替えは施工保証3年です。
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