古い日本瓦を撤去。その下には大量の土が

土

伝統的な日本家屋の屋根には、土がたくさん載せられていました。旧来の工法では、瓦を留めるのに釘はあまり使用されていないことも多く、土は接着剤の役目をしていました。断熱や防火の効果もあります。土をふんだんに使い、重量をかけて建物の部材どうしをしっかり固定させるこで、建物が頑丈になり、地震にも強くなるとされてきました。中にはコストや手間を省く目的で、土を少ししか使わない業者もいましたが、この屋根を見れば、こちらのお宅を手掛けられた大工さんや屋根職人さんの誠実なお仕事ぶりがうかがえます。
屋根に厚く盛られた土が、しっかりと暮らしを守ってきたのです。

古い屋根材を取り除き、きれいに掃除していきます

葺き替えに当たり、古い屋根材を撤去します。土だけでなく、杉皮などが長い年月この家を守ってきてくれていましたが、かなりの重量がかかっていました。古い屋根材を撤去したあと屋根面をきれいに張替えます。
新しい屋根板に下葺き材を貼り、桟を打ち、瓦を釘止めしていきます。

掃除をし、シートをかけ養生します

廃材を撤去した後はきれいに掃除をして、付着している土やごみを取り除きます。
そして、シートをかけ、雨に濡れないよう養生します。

この後、現代のガイドライン工法に則り、防災瓦を施工しました。

完工

日本建築の落ち着いた趣を保ったまま、軽く災害に強い屋根に変わりました。
防災瓦は色落ちしないので、塗り替えの心配もなく、美しいお住まいで安心して長くお過ごしいただけます。