屋根の葺き替え工事ではまず瓦の捲り、撤去作業からスタートします。

職人の間では「捲り」と呼ばれる作業です。

この作業は初日で最も職人の人数を要し、大変な作業になります。

ただ瓦を捲る作業ですが、注意することとして瓦を捲ると土が大量に出てきます。屋根の下地です。

屋根の劣化では下地も共に劣化しています。

踏む場所によっては屋根裏に足が抜けてしまうことがあります。

気をつけて作業する必要があります。

瓦を捲るとだけと言っても、瓦を降ろさなくてはいけません。

職人が連携を取り、手渡しでテンポ良くリレーしていきます。

瓦をすべて撤去すれば、次の作業は瓦の下にある土の撤去です。

塵取りなどを使い手作業で土を土嚢袋に入れていきます。

土の量は家々によって異なります。
屋根を葺いた時の瓦職人により瓦の下に積む土の量が違います。

土が取ると下地のトントン葺きが出てきました。

昔はこの木をスライスしたものを防水紙として使用していました。

土をすべて撤去して、清掃しました。
これで屋根の捲り作業が完了です。

ここから新しく下地造りです。胴縁を打ち込んでいきます。

胴縁は既存の屋根の下地にビス留めしていきます。

胴縁が棟まで突き抜けているのは後から棟でカットします。

胴縁が張り終わると、構造用合板12㎜を野地板として張っていきます。

構造用合板は胴縁にビスで打ち込んでいきます。

軒先から棟まで構造用合板をはり棟で合板をカットして合わせていきます。

新しく構造用合板で野地板で下地ができました。

改質ルーフィング（防水シート）を軒先から張っていきます。

防水シートはロールになっているので転がしながら敷いていきます。

防水シートにラインが入っていますが、これは防水シートの重ねるラインです。メーカーが100㎜を最低でも重ねるラインとして指定しています。

軒先から棟にかけて防水シートが張り終えると最後に棟でフタをするように被せます。
防水シートはタッカーで留められます。

軒先に唐草を取り付けていきます。

入隅、出隅はカットして折り曲げ取り付けます。

唐草はビス止めしていきます。

ケラバ部分の水切りです。ここにも板金を被せていきます。

屋根材を葺いていきます。
使用している屋根材は立平（ガルバリウム鋼板）です。

軒先から棟までが1枚になっています。工場でカットしてきています。
片側はビス留めされて、片側ははめ込むようになっています。

軒先は折り曲げます。

棟も折り曲げています。

貫板を棟に取り付けます。
棟板金を取り付ける際の下地になります。

棟板金取付完了。
立平の葺き替え工事が完了しました。