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新居浜市で柱から屋根板までシロアリにやられた神輿庫の菊間瓦を葺き直し事例。大屋根はラバーロックでズレ防止へ
新居浜市 屋根材(瓦)
【工事のきっかけ】
「建物の柱から屋根板にかけてシロアリにやられているから修繕をお願いしたい」と大工さんより依頼が
ありました。現場は新居浜市の祭りに使う神輿を保管している倉庫の「落ち屋根」という1段低い部分。
既にシロアリによって柱と屋根板が腐り、瓦が落ちて植物が屋根から伸びている状態。
この部分を柱、屋根板から交換するので、瓦を葺き直しする依頼と大屋根側のコーキングによる補強をお願いされ
お見積り提出後実施致しました。
基本情報
- 施工内容:屋根材(瓦)
- 施工期間:撤去1日、復旧2日、補強2日(計5日)
- 築年数:50年以上
- 使用材料:菊間瓦不足分(地瓦、一文字袖、角)、レボゼロルーフィング、シルガード、コーキング、桟木、ステン釘、ステンビス、棟木、棟金具、軒先プラスチック面戸
みなさんこんにちは。
街の屋根やさん新居浜中央店の合田です。
今回は大工さんから葺戻しの依頼です。
屋根板、柱の一部が白アリによる腐食を起こしているため
木材交換を実施するためです。
現場はお祭りの神輿を保管してある神社の倉庫です。
白アリ被害があるのは下の落ち屋根部分です。
落ち屋根はメインの大屋根より低い部分を言います。
特徴は棟違いと異なり、大屋根と屋根面が全て独立していることです。
瓦から植物が突き出ています。
落ち屋根部分の室内です。
室内から植物は伸びていませんでした。
部屋の隅部分にシロアリによって腐食が進んでいる部分
がありました。
屋根上は袖瓦が落ちています。
植物が突き出て地瓦がズレています。
シロアリ被害は母屋まで浸食しているので
モルタル撤去してのやり直しが必要です。
大工さんも大がかりです。
壁際には雨押え板金がありません。
袖が被っているので雨はほぼ入らないが、修繕では漆喰で対応します。
大屋根はシロアリ被害はありませんでした。
屋根上では枝、枯葉、泥が蓄積してます。
樋も同様です。
神社は山部分の高いところなので周りは植物が生えて
いるので定期的な掃除も必要ですね。
後はのしが1枚欠落して落ちかけていました。
このあたりは沢山サルがいて屋根などにもよく登っているそうです。
以上で現場確認を終わります。
落ち屋根部分のモルタルを取り除け、屋根板交換をするため
落ち屋根部分を全面葺き直します。
室内は天井板がないのでそのまま土が落ちるのでブルーシートで
養生していきます。
瓦を置く屋根足場を設置しておきます。
瓦を取り除けていきます。
棟から土がたんまりあります。
瓦を取り除けていきます。
棟から土がたんまりあります。
棟は瓦と土を交互に除けるので時間が掛かってしまいます。
棟の取り除けが終わりました。
地瓦を1枚もので葺けるギリギリで終わらせているので
実際スペースが広いです。棟と地瓦の重なりが少なくなり
吹降りで雨が浸みやすくなります。
1段プラスでマゴをいれた方がいいですね。
マゴは棟や壁際の加工が必要な瓦のことです。
*言い方はそれぞれあると思います。
地瓦を取り除けます。
面積は少ないので瓦はすぐ除けれましたが
土がめっちゃ多いです。
土を取り除けていくと杉皮が出てきます。
杉皮上にある板は杉板を抑えるための板です。
シロアリでやられている部分ですね。
ここだけ板の色が全然違います
杉皮を除ける前にほうきで細かな土を掃除していきます。
杉板を取り除けました。
軒先の瓦座が落下止になってます。
屋根板上を掃除していきます。
ブルーシートで養生して完了です。
次は大工さんが屋根板や母屋の交換を行い、私たちが
復旧していきます。
ルーフィングを貼っています。
使用しているのは高分子ルーフィングのレボゼロです。
ゴムではなく樹脂で出来ています。性能はゴムアスと同等の防水力が
あります。
ルーフィングを下から貼るときにチョークで線を引きます。
これは垂木の位置を標しています。
瓦の縦割りをに合わせて桟木を打ちます。
桟木の釘をしっかり効かすために、先程ルーフィングに記した
チョーク線上(垂木上)に打ちます。
薄いバラ板に打ち込むよりも効きがいいです。
後は、天井板を貼らない場合は釘の貫通が見えないように垂木に合わせて
打つことも大事です。
横割りの墨打ちをしています。
瓦の効き幅に合わせて縦に隅を打っていきます。
使用している桟木は水抜き出来る構造になっていますが
レボゼロルーフィングにある突起によって桟木とルーフィングに
隙間ができ水に排出効率を上げています。
縦桟も不要です。
撤去前の土葺き後方から、桟打ち工法での地伏せに変えます。
桟打ち工法は、先程打った桟木に瓦を引っ掛けて瓦を釘で止めます。
土葺きだった頃の菊間瓦は釘穴が無いので、ドリルで穴を開けながら釘打ちします。
軒先はプラスチック面戸を入れます。
プラスチック面戸をすることで、和型の隙間部分から
雀や蝙蝠の侵入、住み着きを防ぎます。
また風の吹き込みも防ぎます。
サイドにL釘も打ちます。
これも強風などによる風の吹き上げ防止で打ちます。
壁際は瓦を加工して合わせます。
今回は葺戻しなので、元々加工はされています。
壁際は、瓦の下に捨て板金、瓦の上に雨押え板金を取り付けます。
雨が入らないようにと、入っても板金上を流れるようにする役割です。
雨押えは板金じゃなく、漆喰とかで覆う場合もあります。
地伏せが葺きあがってきました。
和型は左から右、下から上へ葺いていきます。
マゴ(棟際の加工瓦)際まで葺けました。
加工の準備をします。
協力棟をするときはマゴを施工する前に
棟金具を取り付けます。
金具は屋根板に固定するので、マゴの瓦を取り付ける前に
実施して、マゴ部分の瓦を葺きます。
以上で地伏せ復旧が終わりです。
棟金具と、棟木を取り付けた後に
鬼瓦を銅線固定します。屋根の棟芯に鬼瓦の中心を合わせます。
大幅の紐を取り付けます。
紐は棟の一番下の瓦の幅に合わせます。
鬼の高さによって棟の段数は変わります。
また棟に積んでいるのし瓦系の瓦
が鬼瓦より幅が広がると不格好になります。
段数と鬼の幅を考慮しながら棟を積まないといけません。
シルガード(漆喰)を詰めていきます。
今回は足の広い福林鬼瓦なので、一番下の瓦は肩紐大面を使用します。
瓦の左側に付いている紐部分が隣の瓦に被さるので仕上がりが綺麗に見えます。
大面瓦の紐部分の外側を幅合わせの紐に合わすように施工します。
向かい合う肩紐大面同士を銅線で結びます。
今回は漆喰の下も地瓦が1段分受けがあります。
2段目ののし瓦を付くためにシルガードを加えて施工していきます。
のし瓦同士の継手にコーキングしてズレ防止を行います。
のし瓦を付き終わったら最後に平雁振を取り付けていきます。
平雁振はビスで固定して復旧完了です。
雨押えは板金の代わりに漆喰を詰めて防水処理を実施します。
以上で落ち屋根部分の葺戻しが完了です。
シロアリの被害はあっという間に広がります。
見つけたらすぐ対策していきましょう。
大屋根のコーキング補強の前に樋や
瓦に敷き詰められた枯葉や枝を取り除けます。
枝や枯葉が絡まり過ぎたり
日が当たらないのでブロアで吹かしても
湿った枯葉や土は瓦や樋にへばりついて中々取れません。
何とか取りのけ出来ました。
コーキング補強は瓦の肩にコーキングを塗布して瓦同士を
接着させます。
作業方法は容易で瓦を除けずに作業が出来ます。
メリットは
・葺き直しよりは安価
・作業時間も短い
など上げられます。
デメリットは
・施工跡が目立つ(気にしないなら問題なし)
・施工を間違えると雨漏りがひどくなる。
・訪問業者が高額で提案する
・下の土ごとズレには効果がない。
今回神社は参拝客が多いので
倉庫入り口側は瓦の中に、裏側は表面にコーキングします。
コーキング補強も終わりました。
山にあるこの神社はサルが屋根に登っています。
ここの作業は計5日間ありましたがとにかくサルが多かったです。
瓦に悪戯するかは分かりませんが、樋を使って屋根に上がるので
周りの建物も樋がヤラレテいる建物もありました。
少しでも補強になればいいです。
後は秋祭り前に終わってよかったです。
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