新築されてから30年間塗装をされてなかったのですが、塗膜の劣化は見られたものの、屋根材はガルバリウム鋼板製でしたので、目立つさびは見られませんでした。ただ、雪止めＬアングルが錆びていて錆び汁が素地についていました。このままではもらい錆で素地自体が錆びてしまう事は明白です。塗装は素地を頑丈にすることはできません。あくまでも素材の保護の役割ですので、サビてから塗装では強度を保てません。

下見を行って、雨樋が雪害により変形していました。幸い火災保険に加入をされていましたので、雨樋の全交換費用は火災保険にて補填されました。雨樋の交換には作業足場が必要となりますので、ついでに外壁塗装も行えばお得です。

この状態は、屋根に積もった雪が外壁（窯業系サイディング）に付いて水分が浸み込んで凍っての繰り返しで破壊されたものと考えられます。こちらは金属サイディングに張り替えました。

屋根板金の折り曲げた先はどうしても弱くなります。弱くなっている所から劣化が始まります。

洗浄作業の様子です。屋根の上は傾斜がありますので、濡れているとかなり滑ります。特殊な長靴を履いて、足元を確認しながら滑り落ちないように作業をします。気を抜いてしまうと命の危険にさらされてしまいますので、命がけの仕事といっても過言ではありません。

右：白いのが下塗り（錆止め）

塗装道具のローラーでは色が入らない所を刷毛で塗装します。専門用語でダメ込みといいます。この写真で重要なことが分かります。ダメ込みはローラー塗りの前にやります。写真で見ますと隙間以外の部分が塗装してあるのが解ると思いますが、中塗りのローラー作業の後にダメ込みをしております。この作業は上塗りのダメ込み作業です。ダメ込みは手間がかかりますので、上塗りのダメ込み作業をしない職人もいます。ここは大事なところです。

上塗りのダメ込み作業の後はローラーで仕上げていきます。一つ一つ丁寧に仕上げていきます。因みに弊社の屋根塗装は㎡あたり1,800円～となっております。

屋根塗装のみのご注文の際でお気を付けいただきたいのですが、破風や鼻隠し板金、軒樋は塗装致しません。それらを塗装するのであれば、ご注文時にご用命くださいませ。今回は雨樋の全交換ですので、軒樋を撤去した状態で塗装を先に行いました。ヤスリにて研磨してから塗装します。研磨作業の事を業界用語でケレンといいます。

ケレン作業で下地作りが出来ましたら、高耐候性シリコン弱溶剤のスーパーシリコンルーフで仕上げていきます。

奥様曰く、大金が出ていってしまいましたが、長年の悩みが解消され、これからは不安が無く過ごせるので思い切って良かった。とおっしゃっていただきました。