現地調査の様子

工務店さんの定期点検で塗装が出来ないという指摘を受けたそうです。

実際に現地に行って確認してみるとニチハというメーカーのパミールという商品が使われておりました。

こちらのパミールという商品は1990年代後半から2000年代頃まで製造された化粧スレート屋根材の一つです。

年数が経過すると表面の割れや欠け、そして層間剥離という症状が出てきます。

この層間剥離という症状が厄介で表面が綺麗な状態でもスレート基材の内部から剥離が始まるので塗装をしても不具合が出てきてしまうという問題があります。

こちらのパミールはノンアスベスト屋根材というアスベストの使用が禁止された頃に作られたものです。
ノンアスベスト屋根材の先駆け商品として世に出ましたが、トラブルの抱えた屋根材となりました。

このような形で層間剥離が起こり中のセメント素材の部分が露出しております。

このような状態では表面塗装をしたとしても長持ちはしません。
また剥離も起こるのでメンテナンス方法としては屋根の葺き替え工事もしくはカバー工法工事が適切となります。

屋根材の提案

カバー工法工事をするにあたり使用する屋根材の提案をしました。

今回はアイジー工業さんのスーパーガルテクトという屋根材を提案しました。

こちらは軽量でかつ断熱材が一体化された屋根材となっております。

新築で多い断熱材の付いていない鋼板のみの屋根だと雨音が気になったりまた暑さが気になる事があります。

そういった心配がある方も多いのでガルテクトはとてもおすすめです。

写真の様に断熱材がついておりますので、断熱性能にも期待ができます。

屋根重ね葺き（カバー工法）工事開始

工事が始まりました。

カバー工法工事では、まず既設の屋根に取り付けてある棟板金を取り外します。

写真は取り外した状態です。

その後には屋根の先端、または軒先部分に唐草という部材を取り付けます。

次に防水シート（ルーフィング）を全面に貼っていきます。

屋根や外壁では全ての雨を仕上げ材（一次防水）で防ぐことは困難なので2次防水として防水シートを貼る必要があります。

この防水シートですがグレードがあります。

長く屋根をもたせる場合にはこちらの防水シートのグレードにも注意が必要です。

ルーフィングが貼り終わりましたら屋根材を葺いていきます。

軒先、屋根の先端側から順に貼っていき屋根の形状に合わせて部材をカットしながら取り付けていきます。

取り付けの際はビスで固定をするのですが、このビスの固定する間隔も仕様でも決まっておりますので基準内に収まっているかも確認していきながら進めていきます。

屋根がほぼほぼ葺きあがりました。
あとは棟という部分の納めとなります。

棟部分には棟包みという板金を取り付けていきます。

棟包みを取り付ける為には下地となる貫板の取付を行います。

貫板には一般的に木材が使われますが、街の屋根やさん岐阜店では樹脂製の貫板を使用します。
木材と違い腐食する心配がありませんので是非こちらのタイプをおすすめ致します。

貫板の取付が終わりましたら、棟包みを取り付けます。

無事に屋根カバー工法工事が完了しました。
新築の様にきれいに仕上がりました

お施主様にも見て頂き大変感動して頂きました。

色は緑色でちぢみ塗装という特殊な塗装がされており
少しキラキラとして一般的な塗装の仕上がりとは違う雰囲気があり高級感があります。