屋根の外観です。
少し見た感じでは異常は見当たらないのですが、瓦屋根の場合は少しのズレが雨水の侵入に結びつきます。ですから、実際に瓦の状況を確かめる必要があります。
この屋根の確認作業は、作業者のレベルによって違います。仮に経験の浅い人が見ても、不具合を見つけられないこともあるので注意が必要です。

屋根の棟部分です。
上から見ると、棟瓦とその下の熨斗瓦のズレが良く分かります。
この部分は屋根の下からでは見えにくいため、発見が遅れがちになってしまう箇所。そのため、知らない間にダメージが積み重なってしまい、ひどい時には雨漏りにも繋がります。
しかし、今回は大きなアクシデントに繋がる前に発見出来ました。

まずはズレが生じていた棟部分の瓦を一旦撤去します。
瓦はしっかりと固定してあるので、一旦棟部分全体を外してみます。これにより、次の瓦工事がスムーズになると共に、新しい瓦の固定がより強力になります。
尚、瓦にズレが生じていたということは、他の部分にも同様の不具合が起きている可能性もあります。将来的に瓦のズレなどの不具合が起きない様にするためにも、一旦取り去って、再施工することは大切なのです。
また、屋根は高所作業となります。小さい物でも下に落としてしまったら、非常に大きな事故にも繋がるかも知れません。安全確保のためにも、工事は細心の注意が必要となります。

屋根の棟部分を見てみましょう。
瓦屋根の場合、棟の部分は生命線と言える部分です。と言うのも、屋根瓦は今の屋根材よりも重量があるため、突風などだけでなく地震からのダメージも受けやすいからです。
地震のエネルギーは建物の高い部分を揺らします。その結果、屋根の棟は振動の振幅が最も大きい箇所にもなり得るのです。
そのため、棟部分の漆喰にヒビが入ったり、瓦にズレが生じたりするのです。

古い瓦を一旦撤去し、棟の部分をきれいにした後で、再度熨斗瓦と棟瓦を葺いて積み直しをして行きます。
屋根瓦の工事は目で見るよりも非常に繊細な工事と言えます。と言うのも、通常の接着剤の様な弾性は漆喰には無く、一旦固まってしまったら補修が簡単では無いからです。また、弾性が無いことは工事が良くないと耐震性で問題が残り、状況によっては破損して落下することも。
細心の注意を払いながらの工事が必要になります。

棟の積み直し工事の様子です。
瓦を漆喰で打ちながら葺いて行きます。
漆喰は古くからある外装材で、非常に長持ちする材料と言えます。例えば、戦国時代に建てられた城などには漆喰が多様していますし、古い町並みに見られる土蔵などにも漆喰は良く使われています。
この様に、漆喰は優れた性質を持つ素材。歴史の建造物が証明していると言えるのです。

漆喰工事の様子です。
状況にもよりますが、屋根の端部などで不具合が起きることもあります。そのために漆喰を打つ方が良い場合も多いです。
ただし、ここで意外と大変なのが雨樋の工事。雨樋も劣化している場合があるため、無理な施工をすると雨樋の破損もあり得ます。
雨樋を大切にして、漆喰の施工を確実にするのが、熟練した職人のワザ…と言えるのです。

漆喰工事はこちらも参照してください。

屋根を空から撮影してみました。
今の屋根工事は仕上がりをドローンで写すことが可能で、お客様への報告の資料として出せる体制となっています。
昔であれば、この様な空撮は出来ませんでした。
しかし、今はドローンが使える様になり、この様な説得力のある写真を取ることも可能。非常に便利なアイテムとなっています。

屋根は勿論ですが、外壁や塗装のこともお任せ下さい！
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