まずは現場調査！屋上防水や排水ドレンの劣化を確認しました

まずはオフィスの天井をチェックしました。

雨漏りによる壁の変色や仕上げ材が剥がれ落ちている状況が確認できます。誰が見ても「雨漏りしている」とわかる状態です。

さらに、天井裏もチェックしてみたところ鉄骨を覆っている耐火被覆が、激しく変色していました。こちらも雨漏りが原因です。

屋上では、防水層の表面に多くのひび割れと色あせが見られ、防水機能はほとんど失われていました。排水ドレン（金属製の排水口）には腐食や詰まりも発生しており、勾配不良も生じている様子！一部に水たまりができている箇所も確認されました。

雨漏り原因の特定は断定が困難

今回の建物は、これまでに複数の業者が修理を行ってきた経緯があり、防水層が部分的に重なっていたり材料の種類が混在していたりする箇所がありました。

それに加えて、建物の老朽化や屋上の現況など、雨漏りの原因は複数の要因が混ざって発生しているようです。

じつは雨漏り修理のご依頼時、こうした複雑な状況は珍しくありません。

「ここに穴が空いているから、これが雨漏りの原因ですね」とわかりやすく説明できれば良いのですが、今回の現場のようにさまざまな要因が重なり合い、雨漏り原因を特定できないことも多いのです。

完全な原因特定が難しいことから、今回のご依頼では「これ以上の被害を防ぐこと」を優先し、現状でベストな工事をご提案しました。その内容が、次の2つです。

• 天井内で発生している雨水を一度集めて外部に排出する「導水システム」の構築
• 屋上防水の一部をやり替え、排水機能を回復させるウレタン塗膜防水工事。

室内天井・壁の一部を解体して導水工事を準備

まずは、雨漏りの発生している事務所内の天井と壁の一部を解体します。

天井材の奥には鉄骨構造や配管が張り巡らされており、そこから雨水が伝って広い範囲に染み出していることが分かりました。

このため、まずは天井内に「雨水を集める仕組み」をつくり、建物外部へ安全に排出できるようにします。

「雨水を集める仕組み」は、非常にシンプルな構造です。

まず雨漏りの水を受けるための板金製の箱状部材を新たに設置します。さらに、そこへ雨水が流れ込むように複数の樋を取り付け、壁を貫通させた配管を通じて外部へと排水できるようにしています。

ゴールが建物外にある「流しそうめん」や「ピタゴラ装置」などをイメージするとわかりやすいかもしれないですね！

この導水システムによって、雨水が天井内に滞留することなく外部に排出されるため、被害の拡大を防止できます。

下がり天井の新設とクロス仕上げで室内を復旧

導水システムの設置が完了した後は、解体していた天井と壁を復旧していきます。導水部材を設けた箇所は、もとの高さよりも低い位置に天井を設けなくてはなりません。

まず木材で新しい下地を組み、その上に断熱材のスタイロフォームを敷設。その後、壁の下地材を入れていき、最後にクロスを貼ります。

また、導水設備のすぐ近くに天井点検口を増設することで、今後の点検や清掃をスムーズに行えるようにしました。

これで、屋根裏の導水工事は完了です。以前の傷みがまったく分からないほどきれいな状態に戻りました。

屋上の排水を促すために「改修用ドレン」を設置

内装工事と並行して、屋上防水の状態も再確認しました。

屋上は改修用ドレンを設置して排水機能を回復させる工事を行います。

改修用ドレンとは、既存の排水口に被せるように装着する専用部材で、既設ドレンの交換が難しい場合に使用されます。柔軟な鉛製プレートとホースが一体化しており、既存のドレンに差し込んで上から密着させることで、新しい排水経路を確保できる便利なアイテムです!

まず、古いドレン金物や周辺の部材を撤去し、ホース部分を差し込んで固定。その後、ハンマーで軽く叩いて形状をなじませ、接着剤でしっかり密着させます。

この処置により、腐食していた排水部の防水性能を回復させ、雨水がスムーズに流れる状態を取り戻しました。

ウレタン塗膜防水でさらに屋上の防水性をアップ！

改修用ドレンの設置後は、屋上防水の一部補修を行いました。

使用したのは、ウレタン塗膜防水工法です。

まず、防水を施す箇所にプライマー（下塗り）を塗布し、下地と防水材の密着を高めます。その上から液体状のウレタン防水材を2回塗り重ね、適切な塗膜厚を確保。

乾燥後、表面にはトップコートを塗布して紫外線や汚れから防水層を保護します。

ウレタン塗膜防水は継ぎ目のない仕上がりが特徴で、複雑な形状の屋上にも対応できる柔軟性を持っています。

今回のような改修工事では、耐久性とメンテナンス性の両立が期待できる工法です。

これで、屋上の防水補修工事も完了しました！

導水と防水工事で古い建物の雨漏りを確実に抑制

導水処理は応急的な手段ではありますが、天井裏や構造体を壊さずに被害拡大を防げるメリットがあります。

また、屋上防水や排水ドレンのメンテナンスを並行して行うことで、再発リスクを大幅に軽減できます。

街の屋根やさん名古屋南店では、古い建物の雨漏りにも柔軟な対応が可能です！「長年雨漏りが止まらない」「屋上の劣化が気になる」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

現地調査・お見積りはすべて無料で行っております。

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