現場調査では著しい劣化は見られず！

今回ご依頼いただいたのは、センスの良いモダンな平屋でした。

まだ建てられてからそれほど経年していないのもあり、外壁全体にはやや色あせが見られたものの、塗膜の浮きや剥がれはない状態です。

ただし、目地部分に充填されているコーキングは、変色・肉やせ・ひび割れといった劣化症状が確認されました。コーキングは紫外線や雨水の影響を受けやすく、外壁より早く劣化することが多い部分です。

このまま放置すると、目地の隙間から雨水が侵入し、外壁内部の防水紙や下地を傷める恐れがあります。

また、軒天やシャッターボックス、雨樋などの付帯部にも色あせが見られたため、これらも塗装によるメンテナンスを行うことに。

全体的に大きな破損はありませんでしたが、劣化が進む前に保護塗装を行うベストタイミングと判断しました。

木目調の美しさを守る「クリア塗装」とは？

今回お客様にご提案したのは「クリア塗装」です。

クリア塗装とは、その名の通り顔料を含まない無色透明の塗料を使って仕上げる塗装方法のこと。マニキュアや車の洗浄時に塗る「トップコート」をイメージするとわかりやすいかもしれません。

既存の色や柄を塗りつぶすことなく、自然な風合いを保ちながら外壁を保護できるのがクリア塗装の大きな特徴です。

また、クリア塗装は一般的な色付きの塗料と違い、粉を吹くようなチョーキング（白化）現象が起きにくいのも魅力です。そのため、塗装後の光沢を長く維持できます。

ただし注意点として、外壁が著しく劣化している場合には使用できないという点があります。クリア塗料は透明であるため、下地の状態をそのまま反映してしまうためです。

マニキュアの場合はガタガタの状態、車の場合は汚れが残った状態を想像してみてください。元の状態が整っていないのに、その上にトップコートを塗ってもきれいには仕上がりませんよね。それと同じ原理です。

今回のように、色あせはあるものの表面の劣化が少ない状態であれば、クリア塗装に最も適したタイミングといえます。

ひび割れたコーキングはすべて打ち替えで補修しました

まずは高圧洗浄で、家全体の細かい汚れを落としていきます。

高圧洗浄を終えたら、外壁の目地コーキングの打ち替えです。

サイディングの目地部分は、外壁材の動きに追従して雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。しかし紫外線や温度変化の影響を受けやすく、10年前後で劣化してしまうこともあります。

今回は、劣化した古いコーキングをすべて撤去し、新しい変成シリコン系のコーキング材を充填しました。

変成シリコン系のコーキング材は上から塗装を行うことができるため、クリア塗料とも相性が良いのが特徴です。

また、窓まわりなどカッターを入れにくい部分は、防水紙を傷つけないよう「増し打ち」で対応しました。これにより、防水機能をしっかりと回復させることができました。

外壁にはエスケー化研「プレミアムUVクリヤーSi」を採用！

いよいよメインとなる外壁のクリア塗装です。

今回使用した塗料は、エスケー化研の「プレミアムUVクリヤーSi」。アクリルシリコン樹脂をベースとした高耐候型のクリア塗料で、紫外線吸収効果・光酸化抑制効果を持つ「トリプルガード機能」が特徴です。

この塗料は、12～15年の耐用年数が期待できるほか、防かび・防藻・低汚染性にも優れており、美観と耐久性の両立を実現します。

施工はメーカー推奨の2回塗り工程

クリア塗装は2工程に分けて進めていきます。

1回目の塗装後はしっかり乾燥時間を設けることが大切です。その後、2回目を重ね塗りすることで均一で強固な塗膜を形成します。

仕上がり後はツヤのある透明感が生まれ、木目の質感をより引き立てる上品な外観になりました。

軒天や雨樋、スリムダクトなどの付帯部も塗装を実施

外壁とともに、建物を支える付帯部分の塗装も行いました。

軒天には外壁と同じクリア塗料を使用し、2回塗りで仕上げています。軒天は湿気がこもりやすくカビが発生しやすい箇所ですが、使用した塗料は防カビ性能に優れているため、長期間きれいな状態を保てます。

雨樋やエアコンスリムダクトには、外壁との一体感を意識した濃色の塗料を採用しました。これにより、全体のトーンを整えつつ、細部まで丁寧に美しく仕上げることができました。

塗装完了後は、どの部分もツヤのある落ち着いた印象に。建物全体が新築のような清潔感を取り戻しました。

続いて、シャッターボックスや基礎水切りなど鉄部の塗装です。

鉄部は雨や酸素によってサビが発生しやすく、放置すると穴あきや強度低下を招くこともあります。

そのため、まずサンドペーパーでのケレン処理を行い、古い塗膜や汚れを落として表面を整えました。その後、サビ止め塗料による下塗りを行い、上塗りを2回重ねる「3回塗り」で仕上げています。

この工程により、塗料の密着力が高まり、長期的にサビを防ぐ強い塗膜を形成します。

最終的に外壁と同系色の仕上げとすることで、建物全体に統一感が生まれました。鉄部特有の光沢感も蘇り、上品で引き締まった印象になっています。

これで、今回の平屋の外壁補修の工事は全て完了です！

まとめ｜お気に入りの外観を守るなら早めのクリア塗装がおすすめ

今回のように、外壁の色や柄を気に入っている場合は、無色透明のクリア塗装が最適です。

ただし、下地の劣化が進むと施工が難しくなるため、クリア塗装を行う場合は早めにメンテナンスしたほうが良いでしょう。

街の屋根やさん名古屋南店では、外壁や屋根の点検・お見積りを無料で行っています。外観の色あせやコーキングのひび割れが気になってきたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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