室内から調査を行ったところ、天井の広範囲に雨染みが広がり、天井板は腐食してたわんでいました。
雨水が天井裏に長期間浸入し、木材が水分を吸って膨張・劣化してしまったことが原因と見られます。
このまま放置すると天井板が落下したり、カビやダニ・シロアリの発生など被害が拡大する可能性があります。

雨漏りしている箇所の上の屋根を点検すると「取り合い部」と呼ばれる、屋根と外壁の間から雨漏りしているようでした。
以前お住まいだった方がブルーシートをかけて応急処置をされていたようですが、劣化してボロボロになっていました。

トタン屋根も経年劣化で錆びが進行していました。
手で触れるだけで赤茶色の粉が付くほどでした。
腐食して端がボロボロになっており、こういった箇所からも雨水が浸入しやすいです。
▶トタン屋根とは？種類やメリット・デメリットと修理・メンテナンスを解説！

外壁の波鉄板にも広範囲にわたって錆びが広がっています。
この状態で雨が外壁を伝うと内部に浸入しやすくなり、建物全体の劣化を早めてしまう恐れがあります。
しっかりと雨漏りを止めるためには張り替え工事がおすすめです。

既存のトタン屋根の上から、新しいGL鋼板製の波板を前面に被せて固定していきます。
GL鋼板は耐久性・防錆性に優れ、長期間の使用にも安心の部材です。
作業中は腐食した既存の屋根を踏み抜かないように、足場板を使用して安全を確保しました。

GL鋼板の固定には傘付ステンレスビスを使用しています。
錆びに強いステンレス素材で、屋外でも長く安心して使用できます。
雨水が溜まらないように波板の山部分に打ち込み、しっかりと固定しました。

特に屋根と壁のつなぎ目・窓の周りなど雨が溜まりやすい部分に行います。
板金（薄い金属の板）を折り曲げて雨がスムーズに流れるようにしたり、隙間ができないようにピッタリと取り付けたりなどします。
こうした雨仕舞いがきちんとされていないと、少しの雨でも建物内部に浸入して雨漏りの原因や構造体の劣化に繋がってしまいます。
目立たない部分ですが、家を長持ちさせるためにはとても重要な箇所です。
▶雨漏りをさせないために、雨水を積極的に誘導して排水させる雨仕舞い

全体の工事が完了し、ブルーシートに頼らなくても安心してお使いただける納戸に生まれ変わりました。
屋根・外壁ともにGL鋼板波板でしっかりとカバーし、水切り板金で雨水の浸入経路を断ちました。
お客様にも「これで安心して使用できます」とご満足いただけました。
▶雨漏り修理・雨漏り改修工事は街の屋根やさんへ