雨漏りしている瓦屋根住宅の点検

室内の雨漏り状況を確認すると、ほぼ全ての部屋に雨漏りしており、かなりの広範囲に雨染みが広がっていました。
天井裏を見るとこちらも雨染みが広がっており、棟瓦（むねかわら）の下部から外の光が漏れるほどの隙間が開いていました。
雨漏り原因は一箇所だけでなく複数箇所あると見られました。
【参考】詳しい現地調査の様子はこちら

部分補修工事のご依頼をいただきました

点検の結果瓦屋根全体が老朽化しており、棟瓦周辺の漆喰の劣化やあちこちに瓦のズレが見られ、雨樋も一部外れている箇所がありました。
最低限の部分補修と全体的な工事の2パターンの見積りをご提出し、お客様のご希望により今回は部分補修を行うことになりました。
・隅棟の取り直し
・ズレた平瓦の部分補修
・軒樋交換

棟瓦取り直し工事

今回は「強化棟工法（きょうかむねこうほう）」という施工方法で棟瓦取り直し工事を行いました。
従来の棟（むね）の施工方法に比べて、耐震性や耐風性を向上させた施工技術です。
屋根棟内部に「棟補強金物（むねほきょうかなもの）」や「芯材（しんざい）」を使用し、瓦を下地にしっかり固定することで地震や台風などによる棟瓦のズレや脱落を防ぎます。

既存の棟を撤去

まず、既存の棟を解体して撤去します。
下地の劣化部分（葺き土・漆喰・木材など）を取り除き、きれいに清掃します。
下地が弱っている場合は、そのまま棟補強金物を取り付けても固定力が強化されないため、下地の状態をしっかりと点検します。

棟補強金物、芯材の取り付け

冠瓦の取り付け

詰めた漆喰の上に「冠瓦（かんむりかわら）」と呼ばれる瓦を被せ、取り付けます。
冠瓦は止水パッキン付ビスで留め、芯材に固定しました。
ビスにパッキンが付いているため穴の隙間から雨水が浸入せず、防水性を確保できます。
今回はのし瓦を使用せず棟に直接冠瓦を被せるため、高さが出ず、風の影響を受けにくくなります。
また、棟全体の重量が軽減されて地震時の建物への負担を減らし、耐震性の向上につながります。
▶瓦屋根を更に軽く！棟瓦の乾式工法で住宅の耐震性を向上

棟の取り直し工事が完了しました

雨漏りしていた棟の取り直し工事が完了しました！
今回は「強化棟工法」による棟瓦の取り直し工事を施工し、耐震性と耐風性を向上させることができました。
長年メンテナンスを行っていない瓦屋根は地震や台風などの被害を受けやすいです。
巨大地震が近いと言われている昨今、地震に備えるためにはお住まいの耐震性を高めることが重要です。
当店では棟取り直し工事だけでなく瓦屋根の様々な施工実績が多数ありますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
【参考】高石市にて強化棟工法で棟瓦積み替えを行った現場
▶早めの棟瓦の修理で自然災害・悪徳業者による不安を完全払拭！

平瓦の一部葺き替え工事

あちこちに平瓦のズレがあり、雨漏りの原因となっていました。
雨が入り続けていたことで屋根下地も劣化しているため、一部葺き替え工事を行います。

既存の瓦の撤去、下地補修

瓦を撤去すると下地の桟木（さんぎ）が劣化してボロボロになり、防水紙も破れていました。
桟木が劣化して瓦がしっかりと固定されなくなり、ズレる原因となっていたため新しい桟木を取り付けました。
また、防水紙も破れて雨漏りの原因となっていたため、新しく敷設して屋根下地の補修を行いました。

瓦の取り付け

瓦の一部葺き替えが完了しました

瓦の一部葺き替え工事が完了しました！

風の影響を受けやすい隅棟周辺の大きくズレていた瓦も葺き替え、綺麗に仕上がりました。
ビスで固定しているため、今後は風の影響を受けてもズレにくくなります。
重たい瓦の落下の心配もなくなり、お客様にはとても安心していただけました！
▶重くて硬い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要

外れていた雨樋も補修を行います。

一部交換を行い、排水機能が復活しました！
雨樋に不具合が起こった場合、状態によっては部分交換が可能です。
しかし、不具合が広範囲に及ぶ場合や劣化が著しい場合は部分交換では対応できないこともあります。
雨樋の不具合や破損を放置すると住宅の外壁や基礎部分がダメージを受ける可能性があるため、早めに修理を行ってくださいね。
▶雨樋の修理・交換お任せください！