S様は「植え込み周辺の鉄筋も見えているのが気になる」と仰っていました。
確かに鉄筋がむき出しになっている露筋（ろきん）状態になっています。
恐らく水やりなどでモルタルに水がかかり、内部まで浸透して鉄骨が錆びつき、モルタルが剥がれる「爆裂」が起きたと考えられます。
基礎がこのように露筋している場合は危険ですが、こちらは植え込みですので特に大きな問題はありません。

S様に「モルタルが剥がれているのは基礎ではないので建物の強度には影響ありません」とお伝えすると、少し安心されたご様子でした。
しかし、S様はお住まいを非常に大切にされており、このままでは見た目も悪いため、露筋部の補修をご希望されていました。
お客様には露筋している鉄筋にモルタル補修工事をご提案し、工事のご依頼をいただきました。

まずは鉄筋周辺の浮いているモルタルを剥がし、鉄筋をむき出しにさせました。
中途半端に浮いているモルタルは剥がしてしまわないと、施工後に浮いてしまう原因になります。

保護のモルタルには「セルタル」と呼ばれる混入材を混ぜています。
モルタルだけを直接塗ると、剥がれやひび割れが起きやすくなりますが、セルタルを混ぜる事で、モルタルの接着性・防水性・耐薬品性・耐摩耗性・耐久性を向上させる事ができます。

露筋していた鉄筋は錆びも発生していた為、錆び落としと錆止め塗装を行った上、モルタルを塗って補修しました。
鉄筋の露筋は土の減少も原因になっていたと考えられる為、土も少し増やしてモルタル補修を行った所が見えないようにしました。
施工中にS様とイメージの相違があったものの、手直しを行って「イメージ通りになりました！ありがとうございます」と仕上がりにもご満足いただけました。