カーポートの屋根にはガラスネット入り塩ビ（塩化ビニール）波板が使用されていました。
安価で柔軟性があり加工しやすい塩ビにガラスネットを入れる事で強度を高めた資材ですが、耐用年数はあまり長くなく5年程度です。
一昔前はこの塩ビ製波板の使用が主流でしたが、現在は塩ビ製波板の約20倍の強度を持つポリカーボネート製波板が主流です。

強風を受けて波板が割れ、飛散しています。
長時間紫外線に晒されている塩ビ製波板は変質して固くなりやすく、少しの衝撃でも割れてしまいます。

波板の変色が起こっていました。
耐熱性が低いため、元のカラーは白でしたが茶色く変わっています。

波板の重なり部分を中心に黒ずみがあります。
黒い部分は隙間に溜まった汚れや、雨水が乾いた後の汚れです。
雨には細かい埃や塵が混じっているため、雨水が蒸発した後に汚れとして残ってしまいます。

波板の幅が足りず、フレーム（カーポート枠組み）の端まで届かず隙間が開いていました。
この隙間から雨が落ちてしまいますが端部分のため、お客様は雨漏りしているという認識はなかったそうです。

これまでに割れたり破損した箇所を部分的に補修してありました。トタン板やポリカーボネート製波板など違う資材を使用しているため、あまり美観性が良くありません。
トタン板には錆びが発生していました。

波板を固定しているビスは錆び・緩み・抜けがありました。使用しているビスも、箇所によってまちまちで統一されていません。
ビスが緩んだり抜けてしまうと波板の固定力が低下して、風を受けると破損したり飛散してしまいやすくなります。

壁面の波板は5年程前にポリカーボネート製波板に張り替えを行ったそうで、破損などなく綺麗な状態でした。
張り替えは行わずこのまま継続してご使用いただけそうですが、定期的に点検を行う事をおすすめします。

フレーム（カーポート枠組み）には破損や歪みなどの異常は見られませんでした。
補修を行う必要はなさそうです。

足場板を使用して作業を行います。
屋根に上がり作業を行うため、既存の波板が割れたり破損したりしない様に使用します。
職人さんが波板を踏み抜いて落下事故が起こる事を防いだり、作業をしやすくする目的もあります。

ポリカーボネート製波板を取り付けます。
カーポートに使用するためカラーはブロンズクリアを選びました。当店では人気のあるカラーで、ブラウンの色味が適度に紫外線の明るさを遮ってくれます。

ポリカーボネート製のフックで波板を固定します。
ポリカフックは通常19、21、23ｍｍの長さの物を使用する事が多いのですが、今回のカーポートのフレームは規格が古いタイプの物でフックの長さが合わず、急遽25ｍｍの物を調達して使用しました。
若干長さが合わないフックでも固定する事はできますが、適切なサイズの物を使用しないと固定力が低下したり、締め付けがきつくなりすぎて波板やフックが変形・破損してしまう原因になります。

住宅と隣接した箇所に穴を開け、竪樋を通します。
そのままでは貫通部分から雨水が落ちてきてしまうため、竪樋と穴の隙間にコーキングを打って水漏れが起こらない様にしました。
▶シーリングやコーキングの種類と使用方法

最後にブロワー（送風機）で施工中に出たゴミや埃を取り除いて綺麗に清掃します。

カーポート屋根の波板張り替え工事が完了しました!新しいポリカーボネート製波板になって美観性、防水性が復活しました。
適切な長さのポリカフックを使用して、固定力もアップしています。
お客様宅は車が2台停められる広いカーポートのため屋根の持つ印象が大きく、張り替えを行った事で住宅全体の雰囲気も明るくなりました。
当店では波板の施工事例がとても豊富にありますので、お困り事があればお気軽にご相談下さい！
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