Ｙ様邸の雨漏りは階段室で起こっており、そのちょうど上には塔屋がありました。
雨が降るといつも雨漏りするわけではなく、大雨や強風を伴う雨の日に雨漏りするという事でした。
▶雨漏り修理・雨漏り改修工事は街の屋根やさんへ

まずは既存の屋根の上に木下地を組んでいきます。

屋根の形状を傾斜の付いた片流れ屋根に変えていく為に、下地を組む際には勾配が取れるようにしました。
写真向かって左が高く、向かって右を低くする事で片流れ屋根の下地となり、雨水が左から右へと流れていくようにしました。
▶あなたの屋根はどの形状（シェイプ）

勾配を付けて組んだ木下地の上に、野地板（のじいた）を張りました。

野地板には下地構造合板というJIS規格をクリアした強度の高い合板を使用しました。
向かって左が１３５ｍｍ、右が３０ｍｍの下地高さにして勾配を付ける事で片流れ屋根の形状の下地になりました。
▶台風・雨漏りに弱い!?片流れ屋根の特徴とメンテナンス方法

野地板の上にルーフィング（防水シート）を敷きました。
万が一、雨水が屋根内に侵入した場合も、このルーフィングが最後の砦となり建物内への流入を防ぎます。屋根の防水を担っているのは、実は屋根材ではなくルーフィングとも言えます。
その為、ルーフィングにはできるだけ高性能な商品を使用するのがおススメです。
今回は高い防水性と伸縮性、温度変化にも強いゴムアスファルトルーフィングを使用しました。
▶雨漏りを防止する屋根の防水紙の重要性と お薦めの「アスファルトルーフィング」をご紹介

最後に各所にコーキングを打って完了です！

通常のシリコンコーキングは塗料を弾いてしまう為、外壁には今後塗り替え工事を行う事を考慮し、『変成シリコンコーキング』を使用しました。
▶屋根工事と雨漏り補修に必要なシーリングやコーキングの種類と使用法

外壁と水切り板金の境目のコーキングです。
外壁に伝ってきた雨水は、コーキングがある事で水切り・屋根鋼板へと流れていきます。

外壁と水切り板金のエンド（端）のコーキングは切れが起きやすい部分である為、入念の充填しました。
細かい作業ですが、水切り板金の裏側にもコーキングを打ち、密着性と防水性を高めています。また、水切り板金を留めるビス頭にもコーキングを打って抜けにくくしておきました。