電蝕とは電気化学的腐蝕の略称で、異なる金属の電位差が大きいと、金属が腐食しまう現象です。
今回のケースでは釉薬瓦に含まれている金属成分と、銅板の金属の電位差が大きい為、銅板が腐食してしまったという事です。

電蝕だけでなく、酸性雨や釉薬の成分が銅板を劣化させるとも言われていますが、詳しい原因は未だにはっきりと解明されていません。
銅板製の谷板金は穴が開きやすい為、腐食しにくいガルバリウム製や、ステンレス製の谷板金に張り替える事をおススメします！
▶電蝕で谷板金に穴が開いてしまった合志市の現場

まずはテープを貼る所を拭き取ります。

目に見えない埃やゴミが残っていると、防水テープを貼ってもすぐに剥がれてしまう為、拭き掃除を行ってテープを貼る箇所を整えておきます。
穴が開いた箇所の周辺は板金の強度も落ちているので、力を入れすぎないように気を付けて作業しました。

穴が開いている所に防水ブチルテープを貼り、周囲にコーキングを打ちました。
防水ブチルテープは防水性が高く、ある程度耐久性もある為、こういった簡易補修に良く使用されます。

水下側にはコーキングを打っていませんが、これは雨水の出口を作っておく為です。
水下側もコーキングを打ってしまうと、雨水が内部に入った際の出口がなくなってしまい、かえって雨漏りしやすくなってしまうのです。

谷板金の穴あき補修が完了しました。
防水ブチルテープにはある程度の耐久性もある為、補修を行った箇所はこれで安心です。
但し、他の箇所にまた穴が開いてしまう可能性も高い為、その度に部分的な補修を行うか、新しい谷板金に張り替えるのも一つの選択肢です。
▶谷板金張り替え工事の施工事例