可児市より、リビング天井に現れた雨染みについてご相談をいただき、街の屋根やさんが屋根の葺きなおし工事を行った事例をご紹介します。見た目には問題がなさそうでも、内部では雨水が入り込んでいるケースは少なくありません。今回の現場でも、ドローン調査では異常が確認できなかったものの、実際に屋根へ上がるとS瓦の重ね不足が原因で釘穴が露出し、雨水が侵入している状態でした。葺き替えまでは不要と判断し、既存瓦を活かす葺きなおし工事でしっかりと改善を目指しました。

現地調査の様子

ドローンから確認した屋根全体

ドローンで上空から確認したところ、屋根全体の形状や瓦の並びに大きな乱れは見受けられませんでした。太陽光パネルも安定した状態で設置されており、一見すると築年数の割に良好な状態に見えます。しかし、ドローンでは細部の隙間までは確認できないため、より精密な調査が必要だと判断しました。

室内に現れた雨染み

リビングの天井には、丸く広がるような雨染みがはっきりと確認できました。天井材の表面にまで染み出てくるということは、内部にある断熱材も湿気を含んでいる可能性があり、早めの対処が不可欠な状況です。このまま放置するとカビが広がる恐れもあるため、お客様も早急な修理をご希望されていました。

S瓦の重ね不足と釘穴の露出

屋根へ上がって細部を確認すると、S瓦の重ねが浅く、本来隠れるはずの釘穴が露出している部分がありました。釘穴は雨水侵入の大きな原因となるため、これは見過ごせない状態です。瓦自体はまだ使用できるため、適切に並び替えて下地を整える葺きなおし工事が最適だと判断しました。

工事の様子

既存瓦の撤去と下地の確認

まずは既存のS瓦を一旦全て取り外し、下地の状態を丁寧に確認しました。写真のように、防水紙は経年で傷みが進んでおり、部分的に劣化が目立ちます。瓦の撤去作業は慎重に進め、再利用する瓦を割らないよう職人が声を掛け合いながら進行しました。この段階で屋根全体のクセも把握でき、後の工事に活かせる大切な工程となります。

新しい防水紙（ルーフィング）の敷設

下地が整ったら、新しい防水紙を隙間なく敷き込みます。今回使用した防水紙は耐久性と防水性能に優れたものを採用し、重ね幅を均等に取りながら丁寧に施工しました。古い防水紙とは比べ物にならないほど強度が高いため、雨水が侵入しにくい層がしっかり確立されます。ここは屋根の寿命を左右する重要な工程のため、職人も特に集中して作業を進めました。

瓦桟（かわらさん）の設置と高さ調整

防水紙の上には瓦を引っ掛けるための瓦桟を新しく設置します。高さを一定に保つため、細かな調整を繰り返しながら丁寧に取り付けました。写真でも桟木が均一に並んでいる様子が確認でき、瓦を美しく並べるための土台が整ったことがよく分かります。この工程が正しく行われていないと瓦のズレにつながるため、慎重さが求められる作業です。

S瓦の再施工と仕上げ

再利用するS瓦は、割れや欠けがないか一枚ずつ確認しながら並べていきます。均等な重なりを確保し、以前露出していた釘穴がしっかり隠れるよう調整しながら施工を進めました。数が多い瓦も、こうして整然と並べ直すことで屋根全体が美しくよみがえります。仕上げ段階では、職人同士が仕上がりを確認し合い、お客様が安心して暮らせるよう細部まで気を配りました。

まとめ

今回の工事では、瓦を再利用しつつ屋根の構造を整えることで、無駄な費用を抑えながら雨漏りの原因をしっかり解消できました。お客様からは天井の雨染みもこれで安心できるとお喜びの声をいただき、私たちとしても嬉しさの残る現場となりました。屋根は外から見てもわかりにくい部分が多く、気付かないうちに傷みが進むことも珍しくありません。同じようなお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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