更新日:2022年04月05日
漆喰(しっくい)というと、壁に使われているイメージをお持ちの方も多いかもしれません。漆喰は、日本特有の建築素材です。漆喰は、石灰石に水を加えてできた水酸化カルシウムを主原料に、布海苔(ふのり)や苆(すさ:わら・麻・紙などを細かく切ったもの)、粘土などを混ぜて水で練って作られます。今回は、屋根に使われる漆喰について簡単に解説します。
屋根に使われる漆喰(しっくい)は、瓦と瓦の隙間を埋めるコーキング剤のような役割をしており、雨風が入り込むの防ぎ雨漏りを防止しています。また、瓦を葺く際「葺き土(ふきつち)」を敷きますが、漆喰により葺き土を雨から守る役割をしています。
漆喰の劣化メンテナンスサイン
漆喰が剥がれてきてもすぐに雨漏りが発生するわけではありませんが、棟部分の漆喰が剥がれてきた場合は、
棟がズレる原因になります。その状態のままの状態で長く放置した場合、地震や台風などのきっかけで棟瓦が崩れてしまう恐れがあります。漆喰の寿命は、環境などにより多少異なりますが
約20年です。劣化が進んでくると、強風や地震などで建物が揺れた場合でもヒビが入りやすくなります。ヒビ割れなどの劣化が更に進行してくると、徐々にポロポロと剥がれてきます。
瓦の寿命は50年以上と長寿命のものが多いため、瓦よりも先に寿命を迎えてしまう漆喰や瓦の下葺き材である
防水紙をメンテナンスする必要があります。20年(ごと)を目安に棟部分のメンテナンスを。雨漏りが発生した場合は、その部分の瓦を葺き直しして、新しい防水紙を敷くという方法があります。大掛かりな工事が必要になる前に定期的なメンテナンスをおすすめします。
南蛮漆喰シルガードとは?
棟瓦は、
土台を棟土(葺き土)で作られ、
表面に漆喰を施し、雨水等の浸入を防いでいました。
南蛮漆喰(シルガード)は内部の
土台から外側まで使用することが出来ます。撥水性があり、水分の吸水率もこれまでの漆喰に比べ低減していますので強度と耐久性が抜群なことから、近年では漆喰に替わり
南蛮漆喰が
主流になっています。
私たち街の屋根やさんで使用することが多い
南蛮漆喰の
シルガードは、黒を使用する割合が多いです。製造されている
馬場商店さんの製品仕様では
シルガードの「
黒」には、顔料として「
カーボン」が含まれており、それ以外「白」との違いはそれぞれ「価格」の差だけでした。「黒」は、時間と共に徐々に白華して白くなります。
●参考価格・・棟部分の修繕方法は、劣化状態により異なります
・漆喰の劣化が
比較的軽微な場合は、棟瓦はそのままで、劣化した漆喰を詰め直す『
漆喰詰め直し工事』となります。劣化が軽微な段階にお手入れすれば、メンテナンス費用が抑えられおすすめです。
・瓦のズレ、漆喰が殆ど無くなってしまっているなど重症な場合は『
棟瓦取り直し工事』が必要です。既存の棟部瓦を一旦取りはずし、土台から作り直す方法です。1m/11,000円(税抜き)~※棟の段数や、棟の位置により変わります。いずれも、足場が必要になりますので、ほかのメンテナンスも一緒に行われると足場の有効活用になります。