更新日:2023年11月16日
「瓦」が付く屋根材というと・・「和瓦」のイメージですが、スレート材は「薄型化粧スレート瓦」、ガルバリウム鋼板などは「金属瓦」というように、実は、屋根材はすべて「瓦」と呼ばれているんです!(^▽^)/
ここでは、粘土瓦から防災瓦までをサクッと解説いたします。
瓦の種類【粘土瓦】
粘土瓦は、天然の粘土を瓦の形に成形し高温で焼いて作られます!
日本瓦・和瓦・いぶし瓦・陶器瓦などと呼ばれることもあります(*^-^*)
現在使われている瓦は陶器瓦が主流です。
釉薬(ゆうやく/うわぐすり)をかけて焼くか、そのまま焼くかで2種類に分かれます。
●釉薬(ゆうやく)瓦・・・陶器瓦(とうきがわら)
釉薬(ゆうやく)瓦は、成形した粘土を乾燥させた後、釉薬(ガラス質の粉末)をかけて焼き上げます。
陶器と同じ仕上げになるため、陶器瓦(とうきがわら)とも呼ばれています。
釉薬によって瓦にさまざまな色とツヤを出すことが可能です!
そのため、和瓦だけでなく洋風の建物にも合う洋瓦もありバリエーションが豊富です(^^♪
<メンテナンス> 耐用年数:50~60年以上(*_*)
耐水性・耐久性にすぐれており、多少の色褪せはあるかもしれませんが割れない限り陶器瓦自体のメンテナンスは不要です(^▽^)/
但し、漆喰(しっくい)や下地部分の防水紙の耐用年数は約20年といわれています(いずれも種類や環境により異なります)ので、定期的なメンテナンスが必要です(>_<)
また、谷樋にある板金部分も劣化等により雨漏りの原因になる可能性が高いため、併せてメンテナンスが必要です!
●無釉薬瓦・・・いぶし瓦、素焼き瓦(釉薬を塗らずに焼き上げた瓦)
【いぶし瓦】 焼き上げ後、いぶして仕上げることで表面に炭素膜が形成され、渋い銀色の色味になります(*^-^*)
<メンテナンス> 耐用年数は30~50年ほど。
経年により、表面の炭素膜が剥がれることで耐水性も落ちてきます(-_-;)
耐用年数で葺き替えが必要。陶器瓦と同様に漆喰(しっくい)や下地部分の防水紙の定期的なメンテナンスが必要です。
【素焼き瓦】焼いた時の自然な風合いがそのまま生かされ、赤っぽい色になります。
<メンテナンス> 耐用年数は、40~50年ほど。
耐用年数で葺き替えが必要。
陶器瓦と同様に漆喰(しっくい)や下地部分の防水紙の定期的なメンテナンスが必要です。
瓦の種類【セメント瓦、コンクリート瓦(モニエル瓦)】
セメント瓦とコンクリート(モニエル)瓦は主成分が「セメント」であるため、見た目もよく似ています。
見分ける方法は「小口(瓦の切り口)」が平らなものがセメント瓦(左写真)です。
●セメント瓦
セメントを主成分として成形し塗装した瓦です!
色や形のバリエーションが豊富(^^♪
気温の変化に強く、耐火性にも優れています。
●乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)
コンクリートでできた瓦です!
型に起こして製造されるため、ほぼ同じサイズに仕上がり焼ムラも殆どありません(*^^)v
形や色のバリエーションが豊富でデザイン性に優れています。
さらに防水性・断熱性・耐震性も優れています(*^-^*)
コンクリートに着色セメントを塗り、さらにクリヤー塗料で表面が保護されています。
スラリー層と呼ばれる着色セメントには塗料が密着しにくく塗装方法を誤るとすぐに塗膜が剥がれてしまいます。
<メンテナンス> 耐用年数は30年ほど。耐用年数で葺き替えが必要。
粘土瓦同様のメンテナンス方法に加え、瓦の割れ補修や屋根塗装も必要になります。
塗装は、定期的(10年~15年に一度)なメンテナンスが必要です(^▽^)/。
防水性能を塗料に頼っている部分もあり、瓦自体に防水性がないため、塗料が剥げてしまうと瓦が割れたり雨漏りにつながる恐れがあります(-_-;)
現在では、殆どが廃盤であり塗装時の注意点もありますので更に注意が必要です。
瓦の種類【ハイブリッド瓦】☚おすすめ
●ROOGA:ルーガ(樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦)
ルーガシリーズは「ケイミュー株式会社」のハイブリッド瓦です(^▽^)/
正式には「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」ということで、化粧スレートと同じセメントを主成分としているため、「薄型化粧スレート」に対し「厚型スレート」と呼ばれたり分類されることがあります。
【割れない】地震による衝撃、台風による飛来物でも割れにくく、強い衝撃が加わった際にも、素材の粘り強さにより衝撃や荷重を吸収します。
もし欠けても繊維素材により破片の飛散を防ぐ構造となっています。
このルーガの強さは、厳しい試験で実証されています(^^♪
【ズレない】一枚一枚の屋根材を専用のクギでしっかり固定する独自の工法で、強風や地震の強い揺れによる屋根材の飛散や落下、ズレも防ぎます。
【軽い】素材内の無数の気泡により、一般的な陶器(平板)瓦の半分以下の軽さです。
さらに、ルーガの施工法は、厚型の屋根材では一般的な「湿式工法」ではなく、ルーガ独自の「乾式工法」により軽さを追求しました。※乾式工法とは、屋根が重くなる要因の一つである「南蛮漆喰やモルタル」を使用しない工法
【色褪せにくい】長期間にわたって美しさをキープし続ける無機系塗膜「グラッサコート」により、紫外線による色褪せに非常に強く、メーカーのテストでは30年経過してもほとんど色褪せしませんでした(*_*)
瓦の種類【防災瓦】☚おすすめ
現在、製造されている瓦の95%以上が防災瓦で、さまざまな瓦メーカーから発売されています♪(´▽`)
軽さにこだわっている製品も数多く存在します!
瓦屋根➡瓦への屋根葺き替えをお考えの場合は、防災瓦がおすすめです。
最近では、デザインもJ形、F形、M形、S形と各種ラインナップされています。
【ズレない】防災瓦は一枚一枚を釘やビスで固定し、さらに瓦同士を咬み合わせる方法でロックしているため耐風・耐震に非常にすぐれています(^^♪
縦にも横にも瓦が動きにくく、大型台風による瓦の飛散や地震による瓦のズレ、落下などが起こりにくくなっています。
【軽量化】一般的な瓦は1㎡あたり約43kgです!
それに対し防災瓦は1割程度軽く約39kg程となります(製品によっても差があります)。
お家1軒分の40坪の屋根として計算すると・・軽自動車1台弱:約600kg程度の軽量化が可能です。
建物の造りが同じなら、屋根は軽い方が地震時に揺れにくいです。
<メンテナンス> 耐用年数は30年以上。陶器と同じ素材ですので、衝撃により割れることがあります。
メンテナンスとしては、割れやヒビ等の補修と漆喰補修が必要です。
<デメリット> 最新の防災瓦は、瓦そのものが高価であるだけではなく、施工方法にも特徴があり、設置に関する初期コストが上がってしまいます。
オーバーラップロックでがっちり固定しているため、飛来物等が当たり破損した場合等のメンテナンスが少々大変かもしれません(-_-;)
●CERAM-Fシリーズ 新東株式会社 三州瓦 F型 1㎡あたりの重量:42~44㎏
凹凸があるので雨風に強く、高い防水性能がある瓦です。
施工時に下の瓦のロックアームが上の瓦のオーバーラップロック部をがっちり固定します。
咬み合わせ構造で風・地震に強いです。
●ウルトラ3S瓦シリーズ 株式会社シバオ 石州瓦 J型 1㎡あたりの重量:42㎏
水返し部の高さが高くなっていることが特徴です。
瓦における最も大切な場所の一つで雨水を最終的に瓦裏面や屋根の野地面に浸入させる為の防水壁のことです。
風とともに吹き上がってくる雨水の瓦の裏側への浸入を防ぎ、雨漏りの起こりにくい屋根を作ります(^▽^)/
●セラマウント 三州野安株式会社 三州瓦 M型 1㎡あたりの重量:34.8㎏ ☚軽量
二つの山が特徴的なフォルム。
独自の技術や発想で、逆水防止機能にも磨きをかけ、耐震性・耐風性・軽量化を実現しました!(従来同ブランド品と比べ、10%の軽量化)
まとめ
瓦は「和瓦」だけでなく、化粧スレートや金属などの屋根材も「瓦」と呼ばれます。
現在、製造されている瓦の95%以上は防災瓦で色やデザインが豊富になってきています(^^♪
防災瓦は、スレート屋根や金属屋根に比べると、和瓦と同じぐらいの重量があるため、瓦屋根からの葺き替えにおすすめです。
瓦以外の屋根からの葺き替えは、耐震性の観点から難しいです(>_<)
その場合は、ハイブリッド瓦か金属・スレート屋根がおすすめです。
令和2年9月に「新築の屋根瓦について、全固定を義務化とする方針を固めた」という記事が掲載されました(*_*)
まだ正式決定前のため、時期や詳細については未定ですが、「台風や地震で住宅の屋根瓦が落下しないよう、新築時は瓦を1枚ずつ全て固定することを義務化する」というものです。
2018年に関西を襲った台風や、昨年2019年に千葉県・房総半島を襲った台風で、屋根・瓦が飛散するなどの被害を多く出したことが背景にあるようです。
今後ますます防災瓦が注目されることでしょう(^▽^)/
記事内に記載されている金額は2023年11月16日時点での費用となります。
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