更新日:2023年02月16日
コロニアル屋根とは、薄型化粧スレートの1つです。「コロニアル」は「カラーベスト」や「薄型化粧スレート(瓦)」などと呼ばれることもあります。いずれの呼び方も、同じ屋根材を意味する目的で使われています。「コロニアル」という名称は、現在では一般名称としても広まっています。ここでは、コロニアル屋根について詳しく、サクッと解説します。
コロニアル・スレート・カラーベストは同じ?
「コロニアル」は、住宅で最も使用されている屋根材です。もしかすると「スレート」で検索しても同じような説明がある!とお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。現在普及している屋根材は、大きく分けて「瓦屋根」「スレート屋根」「金属屋根」があります。天然スレートは一般の住宅にはあまり使用されません。「スレート」とは、セメントを主成分に繊維質材料を混ぜ込んで成型した厚さ5~6mmもので「化粧スレート(人工のもの)」を指します。コロニアルはスレート屋根材のうち、ケイミュー株式会社が販売する「カラーベストシリーズのコロニアル」という商品名です。
コロニアルの歴史をサックと解説
~歴史を遡ってみると・・トラクターなどで有名な「株式会社クボタ」の住宅建材部門から始まっているんです~
●1957年:米国ジョンズ・マンビル社と技術提携した「久保田鉄工株式会社(1990年株式会社クボタへ社名変更)」は、同年11月、不燃建材カラーベストの製造・販売を目的とする「久保田建材工業株式会社」を設立しました。
●1960年11月:製造を開始し、1961年に「コロニアル」という商品名で発売されました。当初はカラーベスト・シングル(壁材)とコロニアル(屋根材)の販売は9対1の割合でしたが、1970年代以降コロニアルの販売も軌道に乗り始めました。
●2003年12月:松下電工(現・パナソニック電工)と屋根材・外壁材事業の統合新会社「クボタ松下電工外装株式会社」を設立しました。
●2010年10月:現在の「ケイミュー株式会社(Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd.)」へ社名変更しました。
コロニアル(スレート)とアスベスト
コロニアル(スレート)はセメントと繊維状の原料を混ぜて製造する屋根材ですが、かつて、この繊維状の原料に健康被害の原因となるアスベスト(石綿)が使用されていました。アスベストの繊維は髪の毛の5000分の1程で非常に細く、肉眼では見ることができない極めて細い繊維からなっています。そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、肺に吸入された場合、肺胞に沈着しやすい特徴があります。吸い込んだ石綿の一部は異物として痰(たん)に混ざり体外へ排出されます。しかし、石綿繊維は丈夫で変化しにくい性質のため、肺の組織内に長く滞留することになります。この体内に滞留した石綿が要因となって、肺の線維化やがんの一種である肺ガン、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。アスベストについては、段階的に規制が強化され、2006年にアスベスト含有率が0.1%を超える製品の製造、輸入、使用などが禁止され、2012年には含有製品が完全に製造禁止となりました。現在販売されているコロニアル(スレート)は、セメント・けい砂を原料として、石綿以外の繊維(パルプ)で補強して製造されています。
【参考:ケイミュー株式会社HPに「石綿に関する見解書」にて、「法規制を受ける屋根材と受けない屋根材」の一覧があり、商品名と製造期間・石綿含有率が確認出来ます】
コロニアル(スレート)屋根のメンテナンス
コロニアル(スレート材)の耐用年数は25年~30年程といわれています。メンテナンス方法は「塗装」「カバー工法」「葺き替え」があります。
●アスベスト含有屋根材の場合
既存のアスベスト含有コロニアル材を葺き替えする場合、屋根材を解体/撤去する必要があります。作業や運搬に伴いアスベストが飛散しないようにするため、通常よりも費用は高額になり、期間もかかります。メンテナンス方法としておすすめは、既存の屋根を新しい屋根材で重ねて覆う「屋根カバー工法」をおすすめします。新しく重ね葺きする屋根の重量が掛かるため、躯体への負担も踏まえ、軽量で耐久性のある「金属屋根材」でのカバー工法が主流となっています。
●塗装
コロニアル(スレート)屋根は表面が塗装されており、屋根の色あせは塗装が傷んでいるサインとなります。また、経年等により水はけが悪くなることでコケやカビが生えてしまいます。この状態のまま放置してしまうと、さらに水はけが悪くなり雨漏りにつながる可能性が高いです。その場合は、色あせよりも早めの対処が必要です。屋根の状態により塗装が出来ない場合もありますので、私達、街の屋根やさんでは最善・最適なメンテナンス方法をご提案します。
「塗装」は、美観の維持だけでなく健全な塗膜を再生し、防水性能の維持にもなります。そのためにも、10年に一度を目安に塗装でのメンテナンスがおすすめです。併せて「棟板金」のメンテナンスを行われるのもおすすめです。棟板金の下地の「貫板(ぬきいた)」には、これまで木材が使用されていることが多く、経年劣化や水分による腐食もあり、定期的な交換が必要でした。樹脂製の貫板を使用することで、水分による腐食の心配も無く、耐久性も高いため安心が長く続きます。そうすることで次のメンテナンスまでの期間を延ばすことも可能です。
●屋根葺き替え
<コロニアル➡金属屋根(スーパーガルテクト)に葺き替え>
既存のコロニアルを撤去し、野地板を増し張り(重ね張り)や張り替えにより新しくします。
野地板の上に防水紙を敷き、その上に屋根材を設置して棟板金を取り付けて完成です。
まとめ
・コロニアルは薄型化粧スレート材のうち、ケイミュー株式会社が販売するカラーベストシリーズのコロニアルという商品名を指しますが、現在はコロニアルが一般名称として広まっています。
・アスベスト含有屋根か否かは、建築年で確認される方法が多く紹介されています。
・コロニアル屋根のメンテナンス方法は、塗装・屋根カバー工法・塗装があります。屋根の状態により、行えるメンテナンス方法が異なります。
記事内に記載されている金額は2023年02月16日時点での費用となります。
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