更新日:2023年11月16日
屋根や外壁など、建物に使用する「金属」というと「トタン」や「ブリキ」を想像する方も多いことでしょう。
「ガルバリウム鋼板」という金属も、屋根や外壁材としてだけでなく、私たちの身の周りでたくさん使われている金属の一つです。
例えば、自動販売機の金属部分やガードレールにも利用されているのです。
ここではガルバリウム鋼板をはじめとする金属屋根についてサクッとご説明します(^▽^)/
鋼板の特徴
「ブリキ」は、鉄の表面に「スズ(錫)メッキ」を施したものです!
スズは体内に入ってもすぐに排出されてしまうため、安全性が高いと言われていることから、食品の缶詰容器にも使われています。
また、「ブリキのおもちゃ」のイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかもしれません。
ブリキは、雨樋などで多く使われてきましたが、耐久性が低いという点があります(>_<)
柔らかいスズでメッキしているため、傷がつきやすく、一度傷がついて鋼板がむき出しになると、そこから一気に錆びてしまいます。
「トタン」は、鉄の表面に「亜鉛メッキ」を施したものです(^▽^)/
安価で施工期間も短いことから爆発的に普及しましたが、屋根材では「瓦」だけでなく「スレート」、外壁では「モルタル」や「窯業(ようぎょう)サイディング」も出てきたため一時的な流行にとどまりました。
トタンは、水分に触れることにより、メッキ成分の減少が起こります(-_-;)
メッキ成分が減少すると錆が進行してしまうため、塗装によるメンテナンスが必要になります。
「錆びやすい」というイメージがありますが、こまめにきちんとメンテナンスを行うことで15~20年の耐用年数があるとも言われているんですよ(^^)v
ガルバリウムは何が違うの?
ガルバリウム鋼板も、トタンやブリキと同じ「鉄」で、「メッキ」を施したものですが、施す「メッキ」の成分によって「鉄」の寿命が大きく変わります。
ガルバリウム鋼板は「ガルバ」や「GL鋼板」という言い方が多いです。
JIS規格で「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」と呼ばれ、表面に55%のアルミ、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成されています。
亜鉛の「防食作用」とアルミニウムの「耐食性」により、長期にわたり錆を防ぐとされています(*^-^*)
ただし、あくまで表面にメッキをしているため、傷がついたり耐久性を損ねる要因が生じた場合は、その部分から錆が生じ、腐食の進行を加速させてしまう可能性が大きくなります(>_<)
状況により耐久性が大幅に低下する可能性もあるということを覚えておく必要があります。
※「メッキ」とは・・金属または非金属の表面を他の金属の薄膜で覆うこと。金属の場合は変色や腐食を防ぐために、錆や変色に強い金属の薄い膜をかぶせる意味
ガルバリウム鋼板使用のメリット・デメリット
メリット
1.錆びに強く、長期耐久性に優れている:トタンと同様に亜鉛メッキ鋼板の「犠牲防食機能」と、アルミメッキ鋼板の「不動態皮膜(保護作用)」により長期耐久性を合わせ持つため、トタンは耐用年数が5~10年程度のところ、ガルバリウム鋼板は、10年~20年と長寿命化しています!
2.耐震性に有利:ガルバリウム鋼板は非常に薄い板(1~3mm)のため、軽くて丈夫です。
地震の際、ガルバリウム鋼板は家屋の構造への負担を軽減し、瓦などに比べ地震の揺れに強いです。
そのため、重ね葺きや外壁の重ね張りなど、全体の重量が増えるような工事に向いています。
軽量であれば、今までと同じ構造にした場合、簡素な構造で耐震性を確保でき、より安全なお住まいになるんですね(^_-)-☆
3.スタイリッシュなデザイン:ガルバリウム鋼板は、カラーバリエーションも幅広く、単色で施工することも多く基本的にはどの色を選んでもシャープでスタイリッシュな印象を与えます。
好みもありますので、なかには無機質で「トタンの倉庫みたい」と感じる方もいるかもしれません。
デメリット
1.遮熱性・断熱性が低い:金属のため、ガルバリウム鋼板自体に断熱性能はありません(>_<)
そのため、一般的に屋根材の下や屋根裏に断熱材を使用します。
2.防音性が低い:金属のため、雨の日には「雨音がうるさい」と感じるかもしれません。
3.犠牲防食・不動態皮膜をもってしても錆びるときは錆びる:ガルバリウム鋼板の特徴にもありますが、表面のメッキが剥がれるような要因があれば一気に錆びてしまいます。
また、塩害に弱いため海岸地域でのご使用にはお勧めできません。
製造しているメーカーでは年に数回の水洗いによるメンテナンスを推奨しています。
ガルバリウム鋼板に最適なカバー工法
カバー工法とは、既存の屋根や外壁の上から重ねて施工する工法です。
軽量のガルバリウム鋼板に最適な工法です。
カバー工法は、既存の屋根や外壁を剥がして処分する費用や工事期間を抑えることができます。
アスベスト含有の屋根の場合は、屋根材を剥がす際にアスベストが飛散する危険性や処分費用が通常より高額になるため、そのまま上から新しい屋根材を被せる屋根カバー工法はおすすめです(*^^)v
進化したガルバリウムをご紹介
2014年には、従来のガルバリウムに2%のマグネシウムを加えた「エスジーエル(SGL)」が登場しました。
錆にも強く、遮音・遮熱効果にも優れ、それにより、金属建材の保証年数がさらに伸びました。
塩害にも強くなったことで保証地域も拡大しました。
現在ではほとんどの金属屋根メーカーがSGLを採用しています(^▽^)/
まとめ
ガルバリウム鋼板は1972年にアメリカで開発され、商用として生産されはじめたのは1982年と、35年以上の歴史があります。
1990年代から板金で用いる素材はトタンからガルバリウム鋼板へシフトしました。
耐用年数は20年以上とあっても、メンテナンスは必要です。
10年を目処にガルバリウム専用の塗膜補修もお勧めです。
また、傷や錆を見つけた場合はすぐ補修しましょう。
私達、街の屋根やさんでは、点検・お見積りは無料で承っております。お気軽にお問合せください。
記事内に記載されている金額は2023年11月16日時点での費用となります。
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