こんにちは、「街の屋根やさん」です。

築年数が経ち、屋根の傷みが気になってきたとき、どんなリフォーム方法を思い浮かべますか？

「塗装だけではもう限界かも…」 「でも、屋根を全部取り替える『葺き替え（ふきかえ）』は費用が高そう…」

そんなお悩みを抱えている方に、ぜひ知っていただきたいのが「屋根カバー工法（重ね葺き）」という選択肢です。

近年、屋根リフォームの主流になりつつある人気の工法ですが、どんな屋根にもできるわけではありませんし、メリットだけでなくデメリットも存在します。

「こんなはずじゃなかった！」と後悔しないためには、工事の特徴を正しく理解しておくことが大切です。

今回は、屋根カバー工法の仕組みから、知っておくべきメリット・デメリットまで、専門業者の視点で分かりやすく解説していきます。

屋根リフォームをご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも「屋根カバー工法（重ね葺き）」とは？

屋根カバー工法とは、その名の通り、今ある古い屋根の上に、新しい防水シート（ルーフィング）と、新しい屋根材を重ねて被せる工法です。「重ね葺き（かさねぶき）」とも呼ばれます。

これまでの大規模な屋根リフォームといえば、古い屋根をすべて解体して新しくする「葺き替え」が一般的でした。

しかし、カバー工法は「古い屋根をほぼそのまま残す」点が最大の特徴です。

既存の屋根を土台として利用し、その上からすっぽりと新しい屋根で覆ってしまうイメージです。 屋根が二重構造になることで、防水性能が確実に向上し、お家を雨漏りから守ることができます。

主に、スレート屋根や金属屋根のメンテナンスとして採用されることが多い工法です。

なぜ人気？カバー工法の3つの大きなメリット

では、なぜ今、屋根カバー工法が選ばれているのでしょうか。 主なメリットは以下の3点です。

① 葺き替えよりも費用を抑えられる 最大のメリットはコストパフォーマンスの良さです。 葺き替え工事では、古い屋根材を解体・撤去するための費用と、それを廃棄するための処分費用がかかります。 カバー工法ではこれらの費用がほとんどかからないため、総額を安く抑えることができます。

② 工事期間が短い 解体作業が不要な分、工事期間を短縮できます。 一般的な住宅であれば、実質5日〜1週間程度で完了することも多く、日常生活への影響を最小限に抑えられます。 また、工事中に雨が降っても、古い屋根が残っているため雨漏りの心配が少ないのも利点です。

③ 断熱性・遮音性がアップする 屋根が二重構造になることで、空気の層ができます。 これにより、夏場の暑さや冬場の寒さを和らげる「断熱効果」や、雨音が室内に響くのを抑える「遮音効果」の向上が期待できます。

ここが注意！知っておくべきカバー工法のデメリット

良いことずくめに見える屋根カバー工法ですが、デメリットや注意点もあります。 これらを理解した上で選択することが重要です。

① 屋根が重くなる（耐震性への影響） 既存の屋根の上に新しい屋根を載せるため、当然その分だけ屋根全体の重量が増します。 建物の上部が重くなると、地震の際の揺れが大きくなるため、耐震性の観点からは若干不利になります。 そのため、カバー工法で使用する新しい屋根材は、ガルバリウム鋼板などの「非常に軽い金属屋根材」に限定されるのが一般的です。

② 下地の劣化がひどい場合は施工できない カバー工法は、既存の屋根を新しい屋根の土台として利用します。 そのため、既存の屋根の下地（野地板など）が雨漏りなどで腐食してボロボロになっている場合は、新しい屋根を固定できないため施工できません。 その場合は、下地からやり直す「葺き替え」が必要になります。

③ 将来の解体費用が高くなる 将来的に家を解体することになった場合、屋根材が二重になっているため、その分の解体・処分費用が割高になる可能性があります。

カバー工法に適した屋根、適さない屋根

カバー工法は万能ではありません。 向き不向きがありますので、ご自宅の屋根がどちらに当てはまるか確認してみましょう。

【カバー工法に適した屋根】

• スレート屋根（コロニアル、カラーベスト） 最もカバー工法に適しています。特に2000年代初頭以前に製造されたスレートにはアスベストが含まれている可能性があり、解体すると高額な処分費がかかるため、それらを封じ込めるカバー工法は非常に有効です。

• トタンなどの金属屋根 サビが進行して穴が開く前であれば、カバー工法が可能です。

【カバー工法に適さない屋根】

• 日本瓦・セメント瓦などの瓦屋根 瓦自体に厚みがあり、凹凸が激しいため、その上に新しい屋根を載せることができません。瓦屋根のリフォームは「葺き替え」か「瓦の補修・積み直し」になります。

• すでにひどい雨漏りをしている屋根 前述の通り、下地が腐っている可能性が高いため、カバー工法ではなく葺き替えを推奨します。

信頼できる業者を選んで、後悔のないリフォームを

屋根カバー工法は、メリットの多い工法ですが、ご自宅の屋根の状態を正しく診断した上で行う必要があります。

劣化が激しいのに無理にカバー工法を勧めてきたり、逆に十分カバー工法で対応できるのに高額な葺き替えばかりを提案してくる業者には注意が必要です。

失敗しないためには、施工実績が豊富で、点検時に屋根の状態（特に下地の傷み具合）をしっかり確認してくれる業者を選びましょう。

私たち「街の屋根やさん」は、全国で数多くの屋根リフォームを手掛けてきました。 お客様のお住まい一軒一軒の状態に合わせて、「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の中から、最も適切なプランをご提案します。

無理な工事は一切おすすめしませんので、ご安心ください('◇')ゞ

まとめ

今回は、人気の屋根カバー工法について解説しました。

カバー工法は、「費用を抑えたい」「工期を短くしたい」という方にとって非常に魅力的な選択肢です。 特にスレート屋根のメンテナンス時期を迎えている方にはおすすめです。

しかし、屋根の状態によっては適さない場合もあるため、まずは専門家による診断が不可欠です。

私たち街の屋根やさんでは、無料点検・お見積もりを承っております。屋根のリフォームをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。 あなたのお家にぴったりの方法を一緒に見つけましょう(*^_^*)