「最近、屋根の表面がめくれてきた」「塗装を勧められたが大丈夫？」
このようなご相談をいただくケースの多くが、ニチハ パミールに関するものです。

千葉市花見川区でも、築10〜20年の住宅でこのパミールが多く使用されており、放置すると雨漏りに直結する危険な屋根材として知られています。
本記事では、屋根専門業者である街の屋根やさんが、パミールの実態とその対処法を写真付きで詳しく解説します。

ニチハ パミールとは

ニチハ パミールは、1996年〜2008年頃まで販売されていたスレート系屋根材です。
見た目は従来のカラーベスト（コロニアル）と似ていますが、製造工程の違いにより構造上の弱点を抱えています。

パミールはセメントを主原料とした繊維混合材を圧縮成形して作られています。
しかし、この製法では層状に積み重なった繊維が剥離しやすく、吸水によって膨張・分解するという欠点があります。

このため、築10年前後で「ミルフィーユ状にめくれる」現象が多発。
塗装によるメンテナンスが不可能なほど劣化が進むケースも珍しくありません。

パミールの代表的な劣化症状

1. 層間剥離（めくれ）

最も多いのが、屋根材の表層がペラペラとめくれ上がる層間剥離です。
この状態では塗装をしても下地がボロボロで密着せず、すぐに再劣化します。

表面が波打っているように見える場合は要注意。
内部まで水分が侵入しており、次第に崩れ落ちていく危険があります。

2. 塗膜の剥離・白化

パミールは吸水性が高いため、表面の塗膜が早期に劣化します。
結果として白っぽくなったり、苔・藻が大量に発生します。
塗膜が失われると内部の層が水を吸い込み、剥離や割れが加速します。

屋根全体の反り・うねり

雨漏りの発生

層間剥離が進むと屋根材が雨を弾く機能を失い、隙間から雨水が侵入します。
内部が白く膨張している場合、すでに雨漏りリスクが非常に高い状態です。

放置すれば、野地板や断熱材まで腐食が進み、天井からの漏水や構造材の腐朽に至ることもあります。

パミールが問題視される理由

1. 塗装でのメンテナンスが不可能
   　層状に剥がれるため、塗装してもすぐに再剥離します。

2. 屋根材自体が脆弱
   　上から歩くと簡単に割れることがあり、修理時にも破損リスクが高いです。

3. メーカー保証の対象外
   　既に製造が終了しており、メーカー保証も受けられません。

4. 雨漏りリスクの高さ
   　層間の隙間から水が入り込み、構造体を痛める原因となります。

これらの理由から、塗装による延命ではなく「屋根カバー工法」や「葺き替え工事」が最適とされています。

劣化したパミールの対処法

1. 屋根カバー工法（重ね葺き）

既存のパミールの上に防水シートと新しい金属屋根材を施工する方法です。
廃材処理が不要で、工期が短く費用も抑えられるのが特徴です。
おすすめの屋根材は次の通りです。

・アイジー工業「スーパーガルテクト」
・ニチハ「横暖ルーフ」
・稲垣商事「ヒランビー」

これらは軽量・高耐久・断熱性が高いため、パミールからのリフォームに最適です。

2. 屋根葺き替え工法

劣化が著しい場合は、既存屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に葺き替えます。
構造体の状態を確認できるため、雨漏り被害がある場合には特に有効です。
ただし、廃材処理費が発生するため、コストはやや高くなります。

ニチハ パミールは、表面のめくれ・層間剥離・反りといった深刻な劣化を起こす問題屋根材です。
塗装では根本解決できず、カバー工法や葺き替えが唯一の改善策です。

花見川区をはじめ、千葉市内で同様の症状にお困りの方は、
ぜひ街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。

早期発見・早期対応が、建物を守る最大のポイントです。