屋根の頂部を覆う棟板金（むねばんきん）は、強風や雨水から住まいを守る大切な役割を担っています。
さらに換気棟（かんきむね）が備わっている屋根では、屋根裏の湿気や熱気を効率的に排出する機能も兼ね備えています。

今回、袖ケ浦市のぞみ野で大棟（おおむね）の棟板金と換気棟の接合部に剥がれが発生している現場を確認しました。
放置すると雨漏りや木材の劣化につながるため、棟板金と換気棟の交換工事を実施しました。

施工の様子とともに、屋根 換気棟のメリットやリフォームのポイントを詳しくご紹介します。

棟板金と換気棟の接合部に剥がれを確認

まず現地調査で確認できたのは、大棟の棟板金と換気棟の接合部に剥がれが発生している状態でした。

経年劣化や強風の影響で固定が緩むと、棟板金が浮き上がり、接合部に隙間が生じます。
このままでは雨水が浸入して雨漏りや内部の貫板の腐食を招く恐れがあります。

特に換気棟との接合部は構造が複雑なため、劣化が進行しやすい箇所です。
強風による飛散リスクもあるため、早急な補修・交換が必要となります。

棟板金の交換工事を実施｜既存の棟板金と換気棟を撤去

既存の棟板金と換気棟を撤去しました。
多くの場合、内部の木材が湿気や雨水で劣化しているケースも少なくありません。

そのまま新しい棟板金や換気棟を取り付けてしまうと、下地が劣化したままのため、再び浮きや剥がれが発生してしまう恐れがあります。
そのため、わたしたち街の屋根やさんでは、下地の貫板（ぬきいた）ごと交換することをおすすめしています。

特に近年は、樹脂製の貫板が主流になりつつあります。
木製の貫板はどうしても雨水や湿気の影響で腐食・変形しやすいですが、樹脂製の貫板は腐食せず耐久性に優れているのが大きな特長です。

また、防水性・耐候性が高いため長期間安定して棟板金を固定でき、再発防止に効果的な資材といえます。

換気棟とは？採用したのは「タニタ 棟まどS形」

今回採用したのは、タニタ「棟まどS形」という換気棟です。

換気棟とは、屋根の頂部に設置し、屋根裏にこもる湿気や熱気を効率的に外へ逃がす部材です。
特に近年の住宅は気密性が高いため、屋根裏に湿気がこもりやすく、結露やカビの原因となります。

換気棟を設置することで、
・屋根裏の湿気を排出して木材の腐食を防ぐ
・夏場の熱気を逃がして冷房効率を改善する
・屋根材や断熱材の寿命を延ばす

といった効果が得られます。

換気棟の導入は、雨漏り防止と室内環境改善の両面でメリットがあるリフォーム方法といえるでしょう。

換気棟を確実に固定する施工ポイント

新しい棟板金を取り付ける際には、パッキン付きビスを使用して内部の貫板へ固定します。

従来の釘止めでは経年とともに抜けやすく、強風で板金が浮くリスクがありました。
一方でビス止めは強度が高く、さらにパッキン付きであればビス穴からの雨水浸入を防げます。

このような施工ポイントを押さえることで、
・強風に耐える固定力
・雨仕舞いの確実性
が得られ、長期間安心できる屋根リフォームが実現します。

換気棟と棟板金の交換工事が完了

新しい換気棟と棟板金を設置し、工事が完了しました。

剥がれが発生していた接合部も美しく仕上がり、屋根のラインが整いました。
これで雨漏りリスクが解消されただけでなく、屋根裏の通気性も確保されました。

袖ケ浦市のぞみ野での事例のように、換気棟の劣化や接合部の剥がれは早めに発見して交換することが、屋根の寿命を延ばす最善の方法です。
定期的な点検を心がけ、住まいの安全を守りましょう。

棟板金の浮きを指摘されたり、換気棟（かんきむね）の新設をご検討中など、まずはわたしたち街の屋根やさんへ無料点検をご依頼ください('◇')ゞ