モニエル瓦とは？特徴とメンテナンス方法を市原市ちはら台南の実例から解説！
更新日：2025年06月01日
モニエル瓦とは、セメント瓦の一種で、フランスのモニエル社が製造技術を持つ特殊な瓦材です。かつてヨーロッパを中心に普及し、日本でも昭和50年代～平成初期に多く使われました。
見た目は陶器瓦に似ていますが、表面に着色スラリー層という特殊な塗装がされているのが特徴です。これが後々のメンテナンスに大きく関わります。
瓦の裏面には「MONIER（モニエル）」の刻印があることで、他のセメント瓦と簡単に見分けることができます。このように、瓦の裏側に「MONIER」などの刻印があれば、それがモニエル瓦の証拠です。
スラリー層は一般的な塗料が密着しにくく、誤った塗装を行うと早期に剥離するリスクが高いため、モニエル瓦は特に正しい知識をもって対応する必要があります。
こちらの画像は、一般的なセメント瓦の例です。
モニエル瓦と混同されがちなのが、同じくセメントを主成分としたセメント瓦です。どちらも形や色合いが似ているため、見た目だけでの判断は難しく、専門業者による確認が必要になります。
瓦の切り口を見て判断することも可能です。デコボコがなくスッキリしているのがセメント瓦ということで判断できます。ただ、セメント瓦の塗装劣化が進んでくると、セメントが露出してきて切り口がザラザラ・ボコボコになり判断が難しくなることもあります(^^)
モニエル瓦は、表面のスラリー層が劣化すると、塗膜が剥がれたり、苔が発生したりすることがあります。
市原市ちはら台南で撮影されたこちらの屋根では、表面が白っぽく粉を吹いたような状態になる「チョーキング現象」や、苔の繁殖が見られました。
このような症状が見られるようになってきた場合はメンテナンスのサインです。
飛来物がぶつかるなど、モニエル瓦自体が割れたり欠けたりすることもあります。また、地震や経年劣化により、割れやすくなることがありますので、強風や地震の後には注意が必要です。
こちらの画像は、割れたモニエル瓦の例です。割れた状態のまま放置すると雨漏りの原因になるため、早期発見、補修・交換が重要です。
なお、劣化が進行し、瓦の破損が広範囲にわたる場合は、塗装だけでは対応しきれないケースもあります。
モニエル瓦の塗装メンテナンスには、専用の下塗り材を使う必要があります。通常の塗料ではスラリー層が邪魔をして、密着不良や剥がれが起きやすいためです。
こちらの写真は、専用下塗り材を丁寧に塗布している様子です。下地処理の質が仕上がりと耐久性を左右します。
【塗装ではなく葺き替えが必要な場合も・・】
劣化が進行し、瓦の破損が目立つ場合は、塗装ではなく葺き替えを検討すべきケースもあります。特に以下のような症状がある場合は要注意です。
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瓦が複数枚割れている
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下地の野地板が腐食している
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塗膜が完全に剥がれ、素地が露出している
そのような場合には、屋根全体の「葺き替え（ふきかえ）」工事を検討する必要があります。
葺き替えには費用がかかりますが、長期的に見れば再塗装を繰り返すよりもコストを抑えられる場合があります。
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