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奈良市の傷んだ瓦屋根の下には発泡スチロールの下葺き材がありました
更新日:2021年11月9日
大屋根の瓦には老朽化により耐久性が低下し、無数の瓦が
破損しており、このまま放置を続けていると雨漏りに繋がることが予測される状態でした。
強風によって雨樋が落下したことから屋根の無料点検をさせて頂き、瓦の劣化具合を確認することが出来てメンテナンスをされる良い機会になったと思います。
棟瓦を固定していた銅線を切断して、棟瓦の解体から工事を開始します。
冠瓦とのし瓦を取り除くとたくさんの葺き土が出て来ました。
棟瓦の施工方法は、
湿式工法であることがわかりました。
湿式工法では粘着性のある粘土質の土を積みながら棟瓦を積み上げていく方法です。
粘土質の土の粘着力のみで固定する湿式
方法では、経年によって乾燥した土の固定力が低下し、棟瓦のズレや歪み・倒壊などの
引き起こす可能性があります。
また、瓦と土の重量で棟瓦の重量が増すため、地震の際に建物の揺れが大きくなる可能性もあり、
地震大国と言われる日本では湿式工法で新しく住宅を建築することはなくなりました。
棟瓦の解体によって出てきたたくさんの葺き土と瓦
は、土嚢袋に入れて綺麗に撤去していきます。
撤去の工程の中で、しっかりと土を取り除いておくことで、その後の工程がスムーズに進行でき、屋根の仕上がりにも影響します。
瓦を撤去すると発泡スチロールの下葺き材が敷かれていました
棟瓦は湿式工法で施工されていましたが、平部には土は葺かれていませんでした。
その代わりに瓦の形に切った発泡スチロールが屋根全面に敷き詰められていました。
このような発泡スチロールの下葺き材を使用した施工
は大変珍しく、今まで色んな住宅の工事をしてきましたが今回で2軒目です。
発泡スチロールを屋根全体に張ることで、下地に水が入りにくくなり、断熱効果もあると思います。
ただ、
密閉されるため結露が起こりやすい
などの心配があります。
発泡スチロールの下葺き材を剥がすと、野地板には構造用合板ではなく小幅板が使用されていました。
発泡スチロールの下葺き材は、経年によって小幅板に張り付き、簡単には取れません。
剥がしているうちに割れたり、ベニヤ
板に張り付いた発泡スチロールをこそげたりしているうちに、小さな粒状のゴミがたくさん出ました。
注意しながら作業をしていたのですが、
小さくて軽いため、ちょっとした風にも舞い上がり、階下に飛散ってしまいました。
出来る限り掃除をして、飛散った粒を集めたのですが、工事完了後に雨が降った翌日には庭先に
白い粒が浮かび上がり、お客様から掃除が出来ていないとお叱りを受けてしまいました。
野地板として設置されていた小幅板を確認していきます。
棟部分に穴が開いていますね。
薄く耐久性の低い小幅板の屋根下地ですが、著しく腐食しているところはありませんでした。
当店の屋根工事では野地板には
構造用合板を使用することが標準です。
でも、発泡スチロールの下葺き材の下には小幅板が貼られていました。
構造用合板は薄い単層のベニヤ板を複数枚重ねて接着剤で貼り付けたものなので、強度に大きな差があるのは当然です。
小幅板の屋根下地の
上から新しい野地板として構造用合板を張り付けていきます。
このように古い野地板の上に新しい野地板を張る方法を『
増し張り』といい、屋根の葺き替え工事ではほとんどの場合『増し張り』を採用しています。
屋根下地が2重になり、屋根下地の強度が増します。
『増し張り』した野地板に
防水紙を貼っていきます。
当店の
防水紙には高品質な改質アスファルトルーフィングを標準で使用しています。
一般的な
アスファルトルーフィングよりも耐久性が高く、耐用年数も20年超えと長寿命です。
防水紙の固定には大きなホッチキスのようなタッカーが使用されます。
タッカー留めをすることで
防水紙に小さな穴が開きますが、改質アスファルトルーフィングは太陽熱などによって穴を塞いでくれるシール性にも優れています。
軒先から棟に向かって上下に20㎝以上左右に10㎝以上の重ね代を確保して
張っていきます。
この重ね代を確保することによって、雨漏りリスクは軽減されます。
また、棟からの雨漏りを防ぐために、
防水紙を幾重にも重ねて張ります。
防水紙は雨水が屋根下地に侵入するのを防ぐとても重要なものですので、高品質なものをケチらず使用してくれる業者を選んでくださいね。
軒先には軒先水切りという板金を設置します。
屋根の構造上、軒先は屋根に降った雨水が落ちてくるところです。
軒先水切りが無いと流れてきた雨水が屋根の内部に侵入して雨漏りを引き起こしてしまう可能性があります。
雨水が侵入した内部は腐食していき、屋根の下地が傷んで屋根が崩れてしまうかもしれません。
正直、どこにあるかもわかりにくい部材ですが、人知れず屋根を守ってくれているのです。
屋根葺き替え工事を依頼時に、工事業者がちゃんと交換してくれるか不安な時は「軒先水切りの交換も入ってますか?」なんて聞いてみてください。
知識があると思われて手抜き工事防止になるかもしれませんよ。
この記事を書いた加盟店
電話 0120-989-742
E-Mail machiyane@wadatoken.jp
株式会社和田塗建
〒639-1038
奈良県大和郡山市西町208−1


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