広島県熊野町 しっくい壁の剥がれを詰め直し工事させて頂きました
更新日：2022年7月14日
突然ですが、みなさんは漆喰/しっくいという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
今回の現場ブログをご紹介する前に、
まずは「漆喰/しっくい」について簡単にご説明させていただきます。
しかし、このような白い壁は日本のみならず、実は世界でも見られることが多いのもご存知でしょうか。
特にヨーロッパでは街並みを統一して、素晴らしい風景を作り出している映像を一度はご覧になった方も多いのではと思います。
世界と日本の漆喰（しっくい）では、配合や素材に違いこそありますが、
主原料とするのは”消石灰”と呼ばれるもので、小学校の頃に運動場にラインを引いていた「あれ」です！
そんな漆喰（しっくい）の特徴は、一言でいえば「防火性」と「調湿性」です。
木造住宅が多く・湿気の多い日本では、まさにうってつけのサスティナブルな素材といえるでしょう。
「しっくい壁が剝がれて心配だから、何とかしてほしい」とご相談がありましたので、
早速、現地調査に伺いました。
どうやら、現場はメインの通りから入った奥まった場所のようでしたので、
車を少し離れた場所に停めてから歩いて向かってみました。
高さが3Ｍ足らずの横が約2Ｍほどの白いしっくいが落ちて、下地の土壁が
剝き出しの状態になっていました。
角度を変えて、よく見てみると
剝がれたしっくいが浮いている箇所があり、まだ剝がれそうな感じでした。
また、角の部分は下地の土壁がかなり落ちて空洞にさえなっていました。
敷地いっぱいに建てており、その上、通りは人が並んで歩くには
かなり密接してでないと歩けないほど、少し狭い通りでした。
お客様には、剝がれた箇所は高さがあるので、足場を作らないとしっくい工事が
できないことを伝えて、漆喰壁補修工事をご提案しました。
まずはご近所様にご挨拶してから足場をつくりました。
こちらの通りは人しか通らないという話を聞いておりましたが、なんとかギリギリ
自転車を押して通れる程度にはスペースを確保して、且つ作業スペースもなんとか
必要最小限で確保できました。
これをしっくいで塗りつぶすとなると、上手くいかないことがわかっていたので、
反対側の壁材で杉板の表面を焼いた、”焼杉板”を使用してコーナーを
作ることにしました。
まずは、下地の胴縁を取付け、焼杉を仮置きして、違和感がないか確認してみました。
後から行うしっくい工事のしっくいの厚みとも、遜色ない程度になる事が
分かったので、
この後、ステンレス製ビスにて、先程の木下地の胴縁に取り付けました。
しっくいは、ペンキの様に付着するとなかなか取れないという事はないのですが、
周囲の壁材が焼杉で黒い色をしているので、予め養生シートを貼っておきます。
そして、いきなりしっくいを塗りだすのではなく、余分な土壁をそぎ落としていきます。外気にさらされている間に土壁の表面は風化していくので、余分なものは落としていきます。
言わば、人間でいうところの洗顔のような作業といったところでしょう。
土壁は、補修としてしっくいが吸着するには脆い面があるので、
しっくいがしっかりと付着しやすいように、下地としてモルタルを塗ってあげます。
これは、人間でいえば、
化粧をする際のベースメイク又はファンデーションといったところでしょう。
塗装工事と同じように1回で仕上げるのではなく、2回塗りで仕上げる事で
長期間に耐久性のあるしっくい壁が作ることができるのです。
今回の工事範囲はごく限られた範囲でしたが、
下地の工事も含めると全工程を3日間で行いました。
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